中国で先日、女児の耳にタンポポの種子が入り、そのまま発芽するという一件があった。手術によって無事取り除かれたものの、発見された際には、すでに2センチほどの大きさに成長。最悪の場合、種子は鼓膜の中に入り込み、脳に達してしまう恐れなどもあったため、保護者や医師はホッと胸をなでおろしている。
中国紙北京晨報などの報道によると、この一件は11月27日午前、首都小児科研究所(北京市)の関係者によって明らかにされた。最近、1歳4か月の女の子の然ちゃん(仮名)の耳の中に異物があるのをお母さんが発見。何とか取り出そうとするがうまくいかず、そうこうしているうちに、2日ほど前からひっきりなしに泣きわめくようになり、病院へ診察に訪れることにした。
診察の結果、然ちゃんの耳の奥では、タンポポの種子が発芽していたという驚きの事実が判明。すでに2センチほどの大きさにまで成長しており、然ちゃんの主治医は「然ちゃんが私のところに診察に来たとき、すでに外来診療部で一部取り除かれていましたが、タンポポの種子はすでに完全に子どもの耳に中に入り、外耳道壁を占め、出血も見られました。看護婦が慌てふためているのを見て、全身麻酔手術で異物を取り出すことにしました」と語る。
こうした事例はこの病院で10年以上働く看護師も「初めて見た」という。耳鼻咽喉科の主任医師も「緑豆や落花生、あるいはクギのような物が病気の子供の耳道に入ったケースはありました」と話すものの、やはりタンポポの種子が耳の中で発芽し、根を張るというケースに遭遇したことは見たことがないそうだ。
ただ、「砂漠でさえ発芽するのに、ましてや耳の中です。種子はどこでも発芽できますよ」とし、耳の中は温かくて湿っぽく、その上分泌物もあるため、種子が発芽する可能性も認めている。
なお、然ちゃんは全身麻酔手術を受け、タンポポは無事取り除かれた。現在は耳の中で見られた炎症も回復したとのことだ。