ノートPCで仕事をするようになってから使い始めたツールがあります。1台のPCで複数のデスクトップ画面を切換えて使えるWinDeskWideというフリーウェアです。デスクトップ画面が仮想的に広く使えるというメリット以上に、人間のマルチタスク処理を大きく効率化してくれるオススメツールです。
WinDeskWide は SOTA 氏によって開発された Windows で仮想デスクトップ環境を実現するためのフリーウェアです。フリーウェアとして無料で公開されており、ファイルサイズも比較的小さく、アーカイブをダウンロードして解凍すればインストール無しで直ぐに使い始めることができます。自分が必要とする機能が過不足なくきっちり作り込まれている点がイイ感じです。
仮想デスクトップを実現するツールは他にもたくさんありますが、WinDeskWide は 1 枚のデスクトップ領域の面積を広げるのではなく、デスクトップそのものの枚数を増やすように作られています。それぞれのデスクトップは、壁紙やデスクトップアイコン、システムトレイを共有するものの、ウィンドゥとタスクトレイついては完全に別のデスクトップとして機能します。この違いは小さなようですが、実はとても重要です(後述)。
起動すると初期状態では、横 2 画面×縦 2 画面の仮想デスクトップを表す小さなウィンドゥが開きます。このウィンドゥ内の枠をクリックすることで別の仮想デスクトップに瞬時に切り替えることができます。新しい仮想デスクトップに切り替えると今まで開いていたアプリケーションウィンドゥは尽く消えてしまいます。タスクトレイからも消えてしまいますが、元の仮想デスクトップでちゃんと動き続けていますのご安心を。もう一度、一番左上の枠(1 枚目)をクリックすれば元のウィンドゥが全て表示されるようになります。
ユーザが自由にカスタマイズできる部分が多いことも WinDeskWide の魅力の一つです。私の場合、仮想デスクトップを横一列に 10 枚作成し、Ctrl+Shift+1〜0 を押すと、直接その仮想デスクトップに切り替わるようにホットキーを設定しています。また Ctrl+Shift+CapsLock を押すことで仮想デスクトップを次々と切り替わるようにしてあります。
一日の業務が始まると 1 枚目には Mozilla Thunderbird(メーラー)や Google Calendar(スケジュール管理)を開き、
通常業務で使う開発環境などは常に 2 枚目以降に開くようにルールを決めておきます。
そして何か新しい割り込みタスクがある毎に、
仮想デスクトップを開いて関連するフォルダや資料を集めるようにしておきます。
こうすることでタスクトレイには、そのタスクに関係するアプリケーションウィンドゥだけを表示することができ、
また複数のウィンドゥをタスク単位で一発切り替えすることができます。
例えば、日報の作成やスケジュール管理は 1 枚目のデスクトップで行い、
2 枚目のデスクトップに開いた開発環境やターミナルウィンドゥを確認しながら作業レポートを作成します。
その途中、ユーザからの問合せが入ったので 3 枚目のデスクトップに移って対応を行なっていると、
丁度お昼になったのでオススメのランチを探そうと 4 枚目で Yahoo! Japan を検索。
ちょっと煮詰まったところで気分転換に 10 枚目のデスクトップで RSS を巡回、
そう云えば昼からミーティングが入っていたことを思い出して 1 枚目でグループウェアを確認。
その最中に天啓を受けて 2 枚目に戻って直ぐに作業復帰...のような使い方ができます。
これだけのウィンドゥを全て開いても、タスクトレイには処理中のタスクに関係したウィンドゥしか表示されません!
私の仕事ッぷりはここまでスマートじゃありませんが... orz
私はタスク管理に GTD を活用しています。
タスク一覧を眺めて、特にその日のうちに手をつけてしまおうと思ったタスクについては、
朝イチでそのタスク毎に必要なフォルダや資料をデスクトップに広げてしまいます。
大量のウィンドゥを開いても、それぞれのデスクトップは完全に独立しているので、
タスクトレイには常に必要なウィンドゥだけが表示されている状態です。
そして Ctrl+Shift+CapsLock
ホットキーを使ってタスクが終わる毎に次々とデスクトップを移るようにします。
こうすることでタスク毎に GTD に戻ってタスクを確認→段取りという工程を省き、
頭の切換えを助け即座に次のタスクだけに集中することができるようになりました。
また定時になって全ての仮想デスクトップをぐるっと一巡することで、
その日の作業の進捗度合いや残タスクの見積もりが容易に行なえるというメリットもあります。
私の仕事ッぷりはここまでスマートじゃ(ry
Windows のようなウィンドゥシステムを持つコンピュータを使うことで、
複数の作業を同時に進めることができるようにはなったものの、
人間がマルチタスク処理を行なう環境としてはあまり向いていません。
複数のタスクを並列処理していると、タスクトレイにウィンドゥが 10 個も 20 個も並ぶことがザラにあります。
私の場合、ウィンドゥの切換えには Alt+Tab ショートカットを多用するのですが、
そのような場合には必要とするウィンドゥに辿りつけずにイライラすることがあります。
しかし WinDeskWide で作られた仮想デスクトップ上では、
現在のデスクトップにあるウィンドゥ以外は存在しないことになっていますから、
ウィンドゥを探すという手間が省けて目的のウィンドゥを素早く選択できるようになりました。
これは作業中のストレス軽減に大きく役立っています。
マルチタスク処理ではタスク(What)とコンテクスト(How)を切換えながら処理を進める必要があります。
上に挙げたようなメリットがあるのは、タスク毎に関係するアプリケーションというコンテクストを
人間が探したり覚えておいたりする手間を WinDeskWide が代行してくれるからに他なりません。
WinDeskWide を使うことにより、タスクとコンテクストが一つ一つの仮想デスクトップの中で閉じるわけです。
タスクを切り替える度にコンテクストを思い出すという作業は、
一見些細なようで元来シングルタスクな人間の脳にとってはかなりのオーバーヘッドになります。
処理中のタスクを切り替えるために仮想デスクトップを切り替えると、
それと同時に頭の中もスムーズにスイッチするような感覚があります。
WinDeskWide を活用することで、このオーバーヘッドを取り除くことができているようです。
Web ブラウザである Mozilla Firefox で、 新しい URL を既存ウィンドゥの新規タブで開くよう設定して使っています。 この時、例えば 1 枚目のデスクトップで Firefox のウィンドゥが開かれていて 2 枚目のデスクトップで URL をクリックすると、 Firefox のウィンドゥが 1 枚目から 2 枚目のデスクトップに引越してきます。 そして 1 枚目のデスクトップに戻ると Firefox が留守で不在という現象が発生します。 新しいウィンドゥで開くようにすれば問題ないとは思うのですが、 今度はたくさんのページを開いた時にウィンドゥだらけになるという... どなたか良い方法をご存知ないでしょうか?
実際に使ってみると思考回路に気持ちよくフィットしてくれます。脳内の思考の流れをスムーズにしてくれるパイプのような感じのオススメツールです。
寄せられたコメント (全 10 件中、最新 5 件まで表示しています)
VirtuaWinの方が軽い気がするのと、moduleの追加で画面毎に壁紙を変えられるのがよかです。
WDWを起動したままの状態ではDirectXのゲーム等がフルスクリーン
で動作しないので。
この点を改善して頂ければバッチグーなのですが...。
でも紹介頂いた振り分け機能は使いこなせれば強力ですね! 研究してみようと思います。
Firefoxの件ですが、以下の方法でどうでしょう?
・ウィンドウ振り分けでFirefoxを1枚目のデスクトップに指定
・ホットキーで"仮想デスクトップへの振り分け"を割り当て
デスクトップ1に戻った時に、"仮想デスクトップへの振り分け"を実行。
いちいち振り分けるのが多少面倒のように思えるかもしれませんが、
"仮想デスクトップ順次切り替え"を Ctrl+Shift+a
"仮想デスクトップへの振り分け"を、Ctrl+Shift+z
に割り当ててるのでわりと簡単にウィンドウを本来のデスクトップに戻せます。
おもいつきですが、とりあえず。