MakeUseOf:カメラ初心者、アマチュア写真家、趣味で写真を楽しむ人...彼らは写真でお金を得ているわけではありません。そして、もしこれを読んでいるあなたがそのどれかに属する人であれば、写真というものが一体どれだけお金のかかる趣味なのかに気がつくまでそう長い時間はかからないでしょう。
たいていの人は写真に多くのお金を費やすことができません。もしお金をどこに使うか選択を迫られたら、ソフトウェアよりもカメラ本体にお金を投入したいと思うことでしょう。その気持ちはわかります、私もそうすることでしょうから。
でも、そんなあなたに朗報です! 嬉しいことに今はたくさんの無料アプリやフリーソフトが存在しています。今回はAdobeなどのプロフェッショナルなソフトが必要になるまでの代替品として良い仕事をしてくれるソフトウェアを7つ集めてみました。
1. FastStone Image Viewer
カメラを手にしてまず始めに行う調整として、JPGモードからRAWモードに変換することが挙げられます。RAW画像はサイズ容量が大きく、より多くの情報を保持します。そのため、後から写真を編集する際にはRAWのほうが好ましいのです。(ただしSDカードに十分な空き容量があることが前提です。)
しかし、RAW画像はカメラのブランドによってフォーマットが異なるため、多くの画像ビューワでは閲覧することができません。そんなとき、手軽なRAWビューワが活躍します。これを使えば最新の撮影画像を閲覧でき、いらない画像を削除して『Lightroom』などの編集ソフトへ読みこむこともできます。
そこで無料のRAW画像ビューワのなかで一番おすすめしたいのが『FastStone Image Viewer』。このソフトは写真の閲覧や整理、RAW画像ファイルをそのほかのフォーマットに変換することも可能です。私は不要な写真を手早く削除するためにこのツールを使っています。
対応しているプラットフォーム:Windows ほかの選択肢:Linuxユーザーなら、「Geeqie」もおすすめです。残念ながらMacユーザーが使える良いRAW画像ビューワはまだ見つけられていません。2. RawTherapee
『RawTherapee』は、Lightroomを買うお金がないフォトグラファーにとって天からの賜物! このソフトはLightroomと同じ機能を持ち、写真を集め、整理し、さまざまな写真を編集処理することが可能です。
これはAdobe Creative Cloudが必要ないことを証明してくれる素晴らしいアプリです。ただし、RAW画像プロセッサーを使ったことがない人は特にですが、Lightroomより使い方が少し難しく感じるかもしれません。でも、すぐに慣れることでしょう。
対応しているプラットフォーム:Windows、Mac、Linux(Linuxは公式版ではありません。Ubuntuを使えばパッケージマネージャーを介してこのPPAを利用することができます。) ほかの選択肢:RawTherapeeよりも「Darktable」のほうが良いと言う人が多いですが、私たちはRawTherapeeをおすすめします。なぜなら、DarktableはLinuxのみに対応しているのに対してRawTherapeeはマルチプラットフォーム対応しているためです。これ以外だと有望なソフトはほとんどありません。3. GIMP
クリエイティブなことに関心がある人なら『GIMP』の存在とその機能をすでに知っているかもしれません。GIMPは『Photoshop』に対抗しているフリーのオープンソフトウェアであり、使い勝手はかなり優秀です。("足の不自由な人"を意味するその変なネーミングとは対照的に...。)
GIMPはPhotoshopと同じ機能を持っています。少なくともPhotoshopの持つ基本的なことはGIMPで実行可能で、もっと機能を充実させたい場合はプラグインを追加できます。(結局のところPhotoshopが産業界のスタンダードを占めていることは事実ですが。)
自分の写真編集がGIMPで事足りるかどうかわからない人は、私たちが作成したGIMPとPhotoshopの比較を参考にしてみてください。
「GIMPは絶対必要か?」というと正直、必ず必要というわけではありません。
多くのフォトグラファーはさきほど紹介したRawTherapeeやDarktableで間に合っています。でも、もしデジタルで芸術効果を高めた写真を作りたい場合はGIMPの出番です。
対応しているプラットフォーム:Windows、Mac、Linux そのほかの選択肢:GIMPやPhotoshopに相応する類似ソフトはそう多くありません。もしいくつかの機能を犠牲にしても構わないのならば、『PhotoScape』、『Pixlr』または『Paint.NET』が挙げられます。4. Hugin
『Hugin』は少数の人々だけが必要とするプログラムです。しかし、それを必要とする人にとってはとてもありがたいソフトでしょう。機能を簡単に言えば、複数の写真を1枚のパノラマに結合することが可能なソフトです。
このプログラムは何年も開発が繰り返されています。もし過去に試してみて不安定すぎるとかクラッシュしやすいと思ったことがある場合、もう1回試してみてください。今はかなり改善されているので、普通に使う分にはおすすめできます。
対応しているプラットフォーム:Windows、Mac、Linux そのほかの選択肢:Huginはさまざまな機能を備えていて、なおかつマルチプラットフォーム対応しているため今回取り上げました。ただ、Windowsユーザーは『Microsoft ICE』と『PTGUI』も気に入るかもしれません。2つともHuginほどパワフルではありませんが、試してみる価値はあります。5. Google Photos
写真を撮るすべてのフォトグラファーはできるだけ早くデータバックアップの基本を学ぶべきです。実際どのくらい写真を持っているかは関係ありません。ドライブが壊れてすべてを失ったらどう感じるか...。そんなこと、絶対起きて欲しくないですよね?
それが、『Google Photos』をおすすめする理由です。これを使ってGoogleのサーバーに写真を保存しておけば、いつでもどこでも欲しいときに写真にアクセスすることができます。なんと言っても最高なのが、無料で無制限に写真を保存できるという点! もちろん、RAW画像ファイルも含まれます。
対応しているプラットフォーム:Windows、Mac、Android、iOS、ウェブ(デスクトップとモバイルアプリはGoogle Photosへのアップローダーとして存在しています。設定すれば自動アップロードのオプションも利用できます。) そのほかの選択肢:もし「Amazonプライム」に入っているなら「Amazonクラウド」で無制限に写真を保存できますが、これは個人の使用に限られます。もしくは、容量制限がありますが「Dropbox」や「OneDrive」などのストレージサービスも利用できます。6. Recuva
以前、モデルの目線から撮影がどう行われているかを知りたかったフォトグラファーがモデルにカメラを渡したという話を聞いたことがあります。その結果、なんとそのモデルは自分が気に入らない写真をすべて消去してしまったそうです。ここからこのフォトグラファーは大事なことを2つ学びました。
1つめの教訓は、何が起きても大丈夫な覚悟がない限り絶対自分のカメラを他人に渡してはならないこと。そして2つめの教訓は、ちゃんと早めに対処すれば消去した写真は復元が可能だということです。
『Recuva』のようなプログラムを使えば、ハードドライブ内のメモリ、フラッシュドライブ、SDカードなどにアクセスして削除されたアイテムを復元することが可能です。どうして復元が可能なのかは話が長くなるので今回の記事で触れません。注意点として、このプログラムでの復元はいつも必ずしも成功するというわけではありません。しかし、大体のケースで問題なく復元ができます。
対応しているプラットフォーム:Windows、Mac、Linux そのほかの選択肢:いくつかデータ復旧ツールは存在していますが、「Recuva」はその使いやすさの点から今回紹介しました。使えない場合は「PhotoRec」や「Disk Drill」も試してみてはいかがでしょうか?7. Wave
もしあなたがアマチュアもしくは趣味のフォトグラファーなら、このプログラムは飛ばしてもらって構いません。しかし、いつかプロのフォトグラファーになることを志している、もしくは将来的にセミプロになって多くのクライアントを持ち、たくさんの請求書を発行することを想定しているのであれば話は別です。
あらゆる書類上の手続きの煩雑さは、写真でビジネスすることを考え込んでしまうほど面倒くさいものです。全部をきちんと整理してくれるツールを使わないと嫌になってしまうことでしょう。
そんなときは『Wave』の登場です。簡単に言えばWaveはオンラインの会計ダッシュボードです。売り上げ、出費、クライアント、もしくは被雇用者の記録・管理ができます。ほとんどの機能は自動設定ができるので、リマインドによって請求や支払いを忘れることもありません。
対応しているプラットフォーム:ウェブ そのほかの選択肢:代替品は多くありません。フリーの代替品の多くは機能がシンプルすぎるためです。(請求書の発行のみなど)そして、そのほかのサービスは課金が必要で、たいてい月ごとの使用料が必要になるものばかりです。「Avaza」や「Invoicely」は近いサービスですが、両者とも無料プランには制限があります。写真はお金のかかる趣味です。でも、絶対お金をかけなければいけないわけではありません。プロ用の機能が必要ない段階で、プロフェッショナル向けのソフトを使う必要はないのです。もし写真を始めたばかり、もしくは予算に限りのあるセミプロならば今回紹介した無料の代替品できっと事は足りると思いますよ。
これら無料ソフトを使ってみたら、プロ向けの有料のソフトに切り替えてからも案外無料のほうを気に入るかもしれません。使ってみないとわかりませんから。
7 Free Apps & Programs for Photographers on a Budget | MakeUseOf
Joel Lee(訳:wasabi)
Photo by Cindy Higby/Flickr (CC BY-NC-SA 2.0).