1日は24時間と決まっているので、その時間内で行動しなければなりません。オックスフォード大学の博士課程にいた学生Akshat Rathiの場合、これは睡眠時間を削ることを意味しました。

現在、Rathi氏はウェブメディア『Quartz』のジャーナリストですが、「より多くのことを行う」という名目で、睡眠時間を半分に削った年のことをつづったエッセイを最近出版しました。

6年前、彼は学位論文審査を目前に控えていました。時間を最大限に使うために、夜に3.5時間眠り、昼間に数回20分間の睡眠を取るようスケジュールを設定しました。

彼は、人間がなぜ睡眠を必要とするかという疑問に関して、あまり科学的根拠が無いことを指摘して、その時の自分の決断を合理的に説明しました。しかし、なぜわざわざそんな説明をしたのでしょうか。本当に8時間眠らなくても良いのなら、その必要はありません。

1年を振り返って

Rathi氏は、研究室の中を含め、昼寝をする場所はたくさんあったと言っています。そして、短い昼寝を含めると彼は毎日4.5時間の睡眠を取っていました。当然のことながら、この試みを始めてから最初の3週間は、睡眠不足の影響で不調を感じていました。

しかし、調整期間が過ぎると、その習慣が快適になり、学位論文が審査に通ったことも含めて、信じられないほど満足にものごとを成し遂げたのです。

「ほかにも得たものがありました。昼寝をして目覚めると、すっかり元気になっていることがわかったのです。目覚ましが鳴る前に目が覚めることがとても多かったです」とRathi氏は言いました。「1番の収穫は、早朝にしか体験できない、頭が空っぽになる素晴らしい状態を、1日1回でなく4回も享受できたことでした」

しかし、ほとんど眠らずに暮らすという夢は、結局終わりを迎えました。1年以上も型にはまらないスケジュールで生活してきましたが、とあるカンファレンスがそれを邪魔したのです。1週間続いたそのイベントのせいで、彼は必要な昼寝ができなくなりました。Rathi氏はカンファレンスが終わったとき、前のやり方に戻そうと思ったのですが、結局はそうしませんでした。

Rathi氏いわく、「モチベーションが見つけられなかったのです。1年前と同じぐらい必要に迫られる目標がありませんでした。それで平均的な睡眠サイクルに戻りました」

評決

彼はまた同じことをするでしょうか。「執筆のように、規模が大きく、輪郭のはっきりしたプロジェクト」に臨むときには、もしかしたらやるかもしれないとRathi氏は言っています。そういう場合でもないと、友人、家族、同僚のスケジュールとうまく合わない睡眠スケジュールを維持するのは大変なのだそうです。また、夜通し眠ることでどれほど元気が回復できるか実感できたとも言っています。

それでも、昼寝の技術を習得したので、Everyman scheduleを使った1年を彼はほとんど悔やんではいません。

「どこででも昼寝できるようになりました」とRathi氏。「頭をすっきりさせるために昼寝を利用しています。これ以上良い方法は見つかりません」

The Secret of Getting By on Half as Much Sleep | Inc.

LAURA MONTINI(原文/訳:春野ユリ)