今週の米Atlantic誌に掲載された記事では、女性が専門分野の成功や積極的に競うことをためらう本当の理由について深く掘り下げています。理由はシンプルなものでした。男性と比べて機会が少ないということよりも、自信に欠けているということだったのです。
研究によると、男性は自身の能力や業績を過大評価するのに対し、女性はその双方を過小評価しているそうです。彼らの業績にさほど違いはみられませんでした。
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女性における自信の欠如については、近年だんだんと定量化され、裏付けられています。2011年にイギリスの教育機関「The Institute of Leadership and Management」がイギリスの管理職に対して職業に対する自信度の調査を実施しました。女性回答者の半数はその業績やキャリアに関して自信を持っておらず、男性回答者で同様の回答をしたのは3分の1程度でした。
カーネギー・メロン大学の経済学教授で著書「Women Don't Ask(女性は要求しない)」の著者でもある、Linda Babcock氏は、経営学大学院の調査から、男性は女性の4倍、給与を交渉し、また、女性が交渉する際の金額は男性のそれよりも30%も少ないということを発見しました。イギリスのマンチェスター・ビジネス・スクールの教授、Marilyn Davidson氏も同様の現象を体験しており、このような現象は自信のなさからくるものだと考えています。毎年、Davidson教授は学生に卒業から5年後の収入と、本来もらえるべき収入を7年間にわたって聞いているそうです。「毎年なのですが、男性と女性の回答の間には大きな開きがあります」。Davidson氏の報告によると、平均的に、男性は年収80,000ドルをもらえるべきだと考えており、その一方、女性は年収64,000ドルで、男性よりも20%少ない金額、をもうらえるべきだと考えているそうです。
この問題は、もちろん、女性にもっとリスクを取って、もっと自信を持ちなさい、というような単純なものではありません。Katty Kay氏やClaire Shipman氏といった著者が発見したように、ここでの真の問題は、自信の欠如が女性が不確かな状況下ですぐに行動を起こすことをためらわせているということなのです。
Estes氏とその学生が一連の空間認識に関するパズルに取り組んだ際には、女性のスコアは男性のそれと比較すると多少悪いものでした。しかし、この結果の詳細を検討したEstes氏は、女性の結果が悪かったのはそもそも彼女たちが質問の多くに答えようしなかったからだということを発見しました。そのため、Estes氏は、生徒に少なくとも全てのパズルを解くようと試みてほしいと伝えた上で再度実験を実施しました。その結果は、驚くべきものでした。女性のスコアが大幅に上がり、男性のスコアと同等になったのです。不思議ですが、希望の持てる結果でもあります。
女性に「とりあえずやってみろ」と促すことが全体的な問題への解決法ではないことは明らかですし、この問題は男女不平等の一部でしかありません。しかし、Kay氏とShipman氏が言うように、この研究結果は男女間の平等を実現するヒントになると言えるでしょう。
The Biggest Gap Between Men & Women: Confidence|99u
Sasha VnHoven(訳:Conyac)
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