学校の先生が言っていたとおり、日常生活を送る上で計算能力は不可欠です。日ごろから微分積分が必要になる人は少ないかもしれませんが、生活していく上で欠かせない計算はあります。いくつかご紹介しましょう。

時給から年収を計算する(またはその逆)

140113math_shortcuts02.jpg

給料の額を交渉したり、昇給額を計算したりする際、年収と時給の比較にもう頭を悩ませる必要はありません。ありがたいことに、その場ですぐに計算できる簡単なワザがあるのです。

時給1ドル=年収2000ドル

この式は、週40時間労働、年に2週間の休暇を前提にしています。時給の額は人それぞれですが、この式さえあれば、おおよその数字が出せるはずです。

時給で働いている方は、この式をもとに、時給に2000をかけましょう。年間収入が算出できます。逆に、年収額しかわからない人は、2000で割って時給を計算できます。例を挙げましょう。

時給7.25ドル×2000=年収1万4500ドル

年収3万ドル÷2000=時給15ドル

アルバイトやパートの人も、この式が使えます。週32時間働いているなら「時給1ドル=年収1600ドル」、週8時間働いているなら「時給1ドル=年収400ドル」として計算してください。

「72の法則」を使って投資利益を予測する

140113math_shortcuts03.jpg

投資先に迷ったら、72の法則を使えば、投資利益が概算できます。計算式は次の通りです。

72÷利回り=元利合計が2倍になるまでの年数

「72の法則」で計算した数値は100%正確とは言えませんが、目安にはなるはずです。仮に、手元に5000ドルあり、利回りが10%程度の投資信託に預けたいとしましょう。その場合、5000ドルが2倍の1万ドルになるまでに、およそ7.2年かかります。

72の法則を使えば、インフレの影響も計算できます。米国のインフレ率は年によって大きく変動しますが、上昇率は2%を下らないと見るのが妥当です。よって、72の法則を使えば、現在の1万ドルはおよそ36年後に5000ドルの価値になると予測できます。

チップを手早く計算する

140113math_shortcuts04.jpg

チップを渡す時は、もたついたり、携帯の電卓に頼ったりせず、スマートにやりたいものです。チップの金額をすばやく計算したかったら、合計金額の小数点を1桁左に移動すると、10%の額がはじき出せます。

支払合計額が20ドルなら、10%は2ドルですよね。そこまで計算できれば、10%以上の額を求めるのはとても簡単です。15%のチップを支払いたい時は、求めた数字に1.5をかけてください(この場合は3ドル)。あとは、20%の場合は2倍に、というようにかける数字を増やしていけばいいだけです。

もちろん、スマートフォンには電卓アプリが入ってるわけですから、取り出すのが面倒でなければ、その電卓を使ってチップ額を一気に計算しましょう。合計金額に「1+チップのパーセンテージ」を掛けてください。つまり、20%のチップを渡したいなら、「合計金額×1.2」です。これで、チップを含んだ合計金額が出ます。チップを含んだ合計からチップを含まない合計を引けば、チップの金額もわかります。

摂氏と華氏を換算するには

140113math_shortcuts05.jpg

地球が1つの連合国家となり、国という国、惑星という惑星がすべて1つの旗の下に団結しない限り、あらゆる単位同士の換算に悩み続けなければなりません。中でも頻繁に必要となるのが、温度を示す摂氏と華氏の換算です。でもご安心ください。とても簡単な計算方法をご紹介しましょう。

  • 摂氏を華氏に:摂氏の温度を2倍して、30を足します。
  • 華氏を摂氏に:華氏の温度から30を引き、2で割ります。

おおよその答えしか出ませんが、通常であればこれで十分のはずです。より正確な数値が知りたい時は、2を1.8に、30を32に置き換えて、上記の方法で計算してください。

日々のこまごまとした出費を年間コストとして算出する

140113math_shortcuts06.jpg

コーヒーを飲んだり新聞を買ったり、日常的にお金のかかる習慣というものを誰もが持っています。1回のコストは微々たるものですが、塵も積もれば山となりますよね。そういった日常的な支出が1年でどのくらいの額になるのか知りたい時は、次のように計算してみましょう。

  1. 計算したい行動や商品にかかる、1週間のおおよそのコストを割り出します。仮に、4ドルの商品を週4回購入しているとすれば、1週間のコストは16ドルになります。
  2. 1週間のコストにゼロを2つ加えます。この場合は、1600ドルになります。
  3. その数を2で割った数、つまり800ドルが、おおよその年間コストです。

この金額は、厳密に言えば50週間分のコストです。しかし、年間を通して行動や購入にばらつきが出ることを考えれば、妥当な数字と言えるでしょう。特定の習慣を改めることでいくらくらい節約できるのか、おおよその目安を出す際にも使える便利な計算式です。

算数って、なかなか便利ですよね、日常生活に役立てられるカンタン便利な公式は数限りなくあるはず。みなさんもいくつか使っていらっしゃるかもですね。

Eric Ravenscraft(原文/訳:遠藤康子、吉武稔夫/ガリレオ)