心地よい音楽から選び抜かれたフロアタイルまで、お店は「あること」だけを期待し緻密に設計をしています。それはあなたの財布を開く事。うっかり必要以上に買ってしまわないように、知っておいて損はないマーケティング戦略を紹介します。大体のお店の店舗環境はまず無計画に作られていません。この事実が最もあてはまるのは、あらゆる箇所が事細かに考えられているApple Storeに他ならないでしょう。
Macbookのスクリーンは一律70度にきっちり傾けられています。米誌「Forbes」によると、これは単に統一性を求めているというわけではなく、お客さんにスクリーンの角度を直に調整してもらうことで、実機とふれあう機会を持ってもらうためだそうです。
商品に触れることで購入確率があがることは研究でも実証されています。こういったような、その商品をまるで所有したような体験を作り上げて顧客とのロイヤリティを確立する為に、Apple Storeは店内に展示されている商品をどれでも好きに使用できるようにしています。
これに比べると、他の店鋪ではもう少し控えめな戦略が取り入れられています。男性誌「Men's Health」がマーケティング戦略とストアデザインを紹介していました。
米デパート「Bloomingdale」は、店内をレストランからの美味しそうな香りで充満させ、結果的に利用客の滞在時間を延長、35%以上購入率を上げました。男性向け試着室のドアや天井は「力強さ」を感じさせる為に不自然な程高く位置されており、これによる更なる購入意欲の向上を図っています。
お店によっては「アンカリング効果」を用いて商品をより多く購入させようとします。比較的高価な商品(例えばカメラ)を飛び抜けて高い別商品の隣に配置することで、比べた時により安いと思わせ購入させる戦略です。また、誰も買わないようなアイテムを購入してほしいアイテムの隣に置く事もあるとファイナンス情報サイト「SmartMoney」に載っていました。
スーパーマーケットも、角を曲がる度に調理済みのデザートやキャンディを配置したり、目線の高さに高価な商品を置いたりなどしていますよね。
このような戦略への一番の対策としては予算を元にしっかりプランを練ってショッピングに出かける事です。また可能な限り店舗戦略を知っておくも大事でしょう。
「ゲーム感覚でこうした戦略を見つけようとするスタンスでいればより惑わされづらくなりますからね」とスタンフォード大学の心理学者Kelly McGonigal博士は言っています。
Melanie Pinola(原文/訳:Sara Mikata)