何かの選択する時は、論理的な裏付けがあった方が正しい決断ができる、と思っている人は多いのではないでしょうか。一概には言えませんが、実はそうではないこともあります。

ヴァージニア大学の最近の研究によると、「選んだ後でその理由を説明する」という条件つきで「好きなポスターを選んで持って帰っていい」というテストを受けた被験者は、選んだポスターを取っておかない傾向にあることが分かりました。

テストの内容

この実験では、5枚のポスターを被験者である学生グループに見せました。2枚はアートのポスター、3枚は漫画や動物の写真などを使った面白く分かりやすいポスターです。あるグループには、ポスターを選んだら、そのポスターが好きな理由を説明するように言いました。選んだ後は、そのポスターを家に持ち帰ることができます。

純粋に直感で選んでいい被験者の場合、アートポスターを選んだ人が多かったようです。逆に、選んだ理由を説明しなければならない被験者は、面白いポスターを選ぶ人が多く、また、あまり幸せそうには見えませんでした。

選択の説明は人の心にどう影響する?

実験が終わりしばらく経った学期末、研究者は各被験者の家を訪問し、選んだポスターがどうなっているか質問をしました。「ポスターは部屋に飾りましたか?」「まだポスターを持っていますか?」「ポスターに対してどんな気持ちですか?」「いくらだったらそのポスターを喜んで手放しますか?」...。

ポスターを選ぶ時に理由を説明しなければならなかったグループは、ポスターを飾っている人も、持ち続けている人も少なく、満足度も低く、別のグループよりも少額でポスターを喜んで手放す人が多かったのです。彼らは、家に持ち帰って飾るほど面白いポスターが好きだった訳ではないので、自分の選択がそれほど幸せではなかったのです。

直感も知識も、どちらも選択や決断をする時には必要です。しかし、選択した理由をいつも説明しなければならないとしたら、それはあまり良い結果をもたらさないのかもしれません。

When giving reasons leads to worse decisions | Mind Hacks

Eric Ravenscraft(原文/訳:的野裕子)

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