タイトルで「知ってるよ!」と思った方は後半部分へどうぞ。
ライフハッカーでも度々取り上げてきていますが、ブックマークレットという言葉を目にしたことがあるでしょうか。好きなウェブページを「お気に入り」として保存して、いつでも飛べるようにする「ブックマーク」と言葉が似ていますね。それもそのはず、ザックリ言うと、ブックマークレットはブックマークの友達みたいなものだからです。
さて、どんな友達か。彼はなかなか賢いヤツです。ブックマークの役割が「好きなウェブページにジャンプできる」だとしたら、ブックマークレットは「好きなウェブページでちょっと便利な機能が使える」になります。例えば、YouTubeの動画をリピート再生する、見ているページの短縮URLを表示するなどです。
とはいえ、何か特別なソフトをインストールするわけではありません。上の画像のようにブックマークバーに登録すればOK。機能を使いたい時は、ブックマークと同じく、ブックマークレットをクリックするだけでいいのです。登録の仕方は後ほど説明します。
ブックマークレットはどんな仕組み?
上の画像は、ライフハッカーのブックマークを編集しようとしているところです。ブックマークを右クリックして「プロパティ」や「編集」というボタンを押せば、同じような画面が開くはずです。「URL」欄にはウェブページのアドレスが入っています。
一方、こちらの画面はブックマークレットの編集画面。「URL」欄が大きく違いますね。先頭に「javascript:...」と書いてある通り、ブックマークレットは「JavaScript」というプログラミング言語でできた簡単なプログラムなのです。ここが大きな違い。このプログラムが動くことによって、「ちょっと便利な機能」たちが使えるわけです。とは言え、難しいことは考えなくてダイジョウブ。使う側にとっては、クリックしてウェブページへ飛ぶか、プログラムを動かすかの違いだけです。プログラムといっても、何か危ないものではありませんし、PCに負担をかけるようなものでもありません。
どうやって登録して使えるようにする?
主な登録方法は「ブックマークバーにドラッグ&ドロップする」「ダミーで作ったブックマークのURL欄を変える」の2通りです。
ブックマークバーにドラッグ&ドロップする
ライフハッカーで以前紹介した「YouTube動画の冒頭から1/3までをスキップするブックマークレット」を例に紹介します。ブックマークレットの配布サイトによくあるケースとして、「このリンクをブックマークバーへ...」や「このボタンをドラッグ&ドロップで...」などと書かれていることがあります。
この場合は、リンクやボタンをそのままブックマークバーへドラッグ&ドロップします。デスクトップでアイコンを選んで、フォルダへ移動させるような感じです。これでブックマークバーにブックマークレットを登録できました。あとは使いたい時がきたら、クリックするだけでOKです。
ダミーで作ったブックマークのURL欄を変える
サイトによっては、このようにブックマークレットの中身(JavaScriptコード)が直接書いてあることもあります。この場合は、ダミーのブックマークを作成し、URL欄を書き換えてあげましょう。先にも書いたように、ブックマークとブックマークレットの違いは「URL欄に何が書いてるか」でしたね。
ブックマークバーの上で右クリックし、メニューから新規ブックマークを作成します。呼び名はブラウザによって異なりますが、Firefoxなら「新しいブックマーク」、chromeなら「新しいページ」です。Internet Explorerにはこの機能がないようなので、適当なウェブページを「お気に入り」してください。これで、ブックマークレットの基になるダミーができました。
まずはコードを選択してコピーしておきます。次に、先ほど作成したダミーを右クリック、メニューから「プロパティ」もしくは「編集」を選びます。URL欄に、コピーしたコードを貼り付け、名前を自分のわかりやすいものに変えれば出来上がりです。
先に書いたように、ブックマークレットはJavaScriptで出来た簡単なプログラムです。つまり、JavaScriptを扱えれば、自分でプログラムを組むこともできます。そのため、世界中のプログラマーたちが、たくさんの便利なブックマークレットをウェブ上で公開してくれています。
今回はライフハッカーがこれまでに取り上げてきたブックマークレットをはじめ、個人的に気に入っているものをいくつかまとめてみました。それでは、以下よりどうぞ。
[1]YouTubeがもっと楽しく&使いやすくなるブックマークレット
通常はリピート再生できないYouTube動画をリピート再生するためのブックマークレット。再生したい動画のページでクリックすると、リピート再生サービス「YouTube Repeat」で動画を開きます。
(配布先:Silent Power)
YouTubeやSoundCloudなどに点在するウェブ上の音楽を一括整理できるサービスとして紹介したSongdrop。ブックマークレット経由で音楽をどんどん登録すれば、まとめてSongdropのサイト上で楽しめます。曲順なども設定できるので、まるでオリジナルのアルバムを作るかのように遊べます。ウェブで音楽をたくさん聴く人には特にオススメ。
ほとんどのYouTube動画は最初の30%をスキップしても問題ないという節に基づいて作られたブックマークレット。動画ページで使うと、全体の1/3まで飛ばします。
YouTubeの動画ページで起動すると、通常はない「ダウンロード」ボタンが出現します。いくつかのファイル形式から選んで動画をダウンロードできます。
※ただし、利用に関しては、くれぐれもご注意を。違法にアップロードされたコンテンツのダウンロードは刑に問われる可能性があります(詳細)。
(配布先:JJWorkshop ようつべ工房)
こちらは「常にブラウザ上に複数のソーシャルボタンを追加する方法」として記事で紹介したブックマークレット。SNSへ投稿するボタンがないようなページでも、TwitterやFacebook、はてなブックマークなど、任意のSNSへリンクをつけて投稿できます。
Twitter公式サイトや「HootSuite」「ついっぷる」などのブラウザ上で動作するクライアントで使えるブックマークレット。あらかじめハッシュタグを上記のサイトで登録し、ブックマークレット化しておきます。あとは、ツイートの入力ボックスを選択した状態で起動させれば、設定したハッシュタグが挿入できます。機能は限定されていますが、イベントやスポーツの試合など、同じハッシュタグをつけてたくさんつぶやきたい時に使えます。
(配布元:なにしろパソコン・ドットコム)
イラスト投稿サイトのpixivが提供しているURL短縮サービスのブックマークレット。好きなページで使うと、小さなウィンドウが開き、タイトルと共に短縮URLを表示してくれます。
例)ライフハッカー[日本版] http://p.tl/09x5
ウィンドウに「ツイート」ボタンもついていますが、特に文字数制限のあるSNSで投稿したい時に使えます。URLをそのまま貼り付けると長すぎて収まりが悪い...という時にも。
(配布先:URL短縮サービス[p.tl])
「クレジットカード情報などの機密を含むメールをたったワンクリックで暗号化できる」サービスとして紹介しました。圧縮ファイルであればパスワードを設定できますが、Encipher.itは「文章そのもの」にパスワードをかけられます。
ウェブメールの作成画面などに暗号化したいテキストを入力し、ブックマークレットを起動。パスワード入力画面が表れます。設定すると、テキストが暗号化されます。暗号化を解除するには、再度ブックマークレットを起動し、パスワードを入力すればOK。こちらのデモビデオをご覧いただけるとわかりやすいです。
暗号化したテキストをやり取りするときは、双方がEncipher.itを使えなくてはならないのがややネックですが、TwitterのDMやFacebookメッセージで重要情報をやり取りするような際にも使える手段かと。
「デバイス間のURL共有に便利」として紹介したブックマークレット。「送信用」と「受信用」の2種類があり、少々の設定は必要ですが、デバイスやブラウザを選ばず簡単にURLのやりとりができます。例えば、PCで見ていたサイトを「送信」、手元のiPhone「受信」して続きを読むことが可能。これまでわざわざ自分宛にURLを入れたメールを送っていた...なんていう方には革命的に感じるはず。
「ウェブページに書き込み・保存・書き出しができるツール」として取り上げた「Scrible」のブックマークレット。ハイライトを引いたりコメントつけたりした後、ファイルに書きだしてオフラインに保存も可能。論文などの参考資料としてウェブページを使う場合など、特に役立ちそうなサービスです。
地味ながら一番使っているのはこのブックマークレットかもしれません。Googleアカウントでログインした状態でGoogle検索をした際、よく見ているページなどを検索上位に掲げる「パーソナライズ検索」。しかし、ブログやウェブメディア、あるいはECサイトを運営している方なら、自分のページが検索で「本当は何番目に表示されるか」は気になるところ。このブックマークレットを使えば、アカウントからログアウトすることなく、パーソナライズ検索を無効にできます。
この他にも、ウェブ上にはたくさんのブックマークレットが配布されています。ライフハッカーでも引き続き紹介していきますが、みなさまのお気に入りなどあれば、コメントやFacebookページのメッセージで共有してくださると嬉しいです!
(長谷川賢人)