Toms Baugis氏は、オンライン出版向けアクセス解析ツールなどを提供するParse.ly社のユーザーインターフェース・デザイナーです。今回はToms Baugis氏が「生産性の波」の乗り方について語ります。
生産性は波のようにやって来ます。その波がいつやって来たかを正確に言う事はできません。ただ、何日か経ったころ「今、自分は波に乗っているのだ!」と気づくのです。そして波はいつか過ぎ去ってしまいます。私は、自分が波に乗っていることに気づいたら、集中できる環境を作り、できる限り遠くまで波に乗って行こうと努力します。
あの頃、私はベッドから飛び起きると、コーヒーを手にすぐ仕事に取りかかったものです。デスクに座るやいなやデジタルの世界に没入し、6時間あまり集中しつづけました。それが終わると、SNSにログインして米国東海岸にいるParse.ly社の同僚たちに朝の挨拶をします。ちょうど彼らが起きてくる時間です。チャットを少しだけします。ただし仕事は続けたままです。そして、さらに6時間、仕事に没頭します。それでもまだ脳は活発に働いています。私は燃え尽きのリスクに気づいていますので、オーバーワークにならないよう、翌日は少し仕事をセーブしようと誓います。しかし、波の勢いは衰えません。長いときはこの状態が2週間ほども続きます。時には1〜2ヶ月続くこともあります。
海で泳いだことがある人なら、サーフィンの波にサーフボードなしで挑んでもちっとも楽しめないことを知っているかもしれません。サーフボードなしでは波の上に立てませんし、波をキャッチできるほど速くも泳げません。生産性の波もこれと同じです。捕まえるにはそれなりの準備が必要です。私の場合、それは「安定性」です。安定性を維持するために、私は毎日のルーティンを定めています。
- 起床時間を一定に:毎朝同じ時間に起きるようにします。ただし、就寝時間については気にしません。
- タイムトラッキング:活動ごとに費やした時間を計測します。これは役に立ちます。例えば、同じ課題に4時間を費やしているのだとしたら、いっそ諦めるか、別の方法を試したほうがいいでしょう。
- 疲れたら切り替える:疲れないために作業内容を切り替えるのが一番です。私の仕事はプログラミングです。長時間やるとかなり疲れます。そんな時は趣味のプログラミングに切り替えます。面白いことに、同じプログラミングでも感じ方が違うのです。疲れの質も異なります。
- 仕事中は音楽を聴かない:私は音楽が大好きです。しかし、仕事中に音楽を聴くと頭が痛くなります。このことは偶然わかりました。あるとき、数日間、音楽プレイヤーを再生するのを忘れて仕事をしたことがあったのですが、いつもより調子が良かったのです。それ以来、仕事に集中したいときは音楽を聞かないようにしています。そのほうが力を発揮できるようです。
- 自分にご褒美:難しい仕事をやり終えたときや、長い時間かけた仕事が失敗に終わったときには、2杯目のコーヒーを飲むことを自分に許します(普段は一日一杯だけ)。また、アイスクリームや映画鑑賞、ビールなんかもご褒美にします。
- ルールは自分で決める:ルールを決めるのも破るのも私自身です。誰からも強制されていないからこそ、毎朝気持ちよく起きることができるのです。
リズムを作り出すことが重要です。2年前、Parse.ly社のメンバーでアクセス解析アプリ「Dash」のために集まったとき、なかなか波に乗ることができませんでした。数日が過ぎても、どこか欲求不満の感覚が続いていました。たぶんチーム全員が同じことを感じていたと思います。チームが波に乗るためには、各個人が仕事のパターンを変え、お互いをよく知り、新しいコミュニケーションのやり方を学ぶ必要がありました。
間もなく私たちはリズムを見つけ、チーム作業がうまくいくための共通ルールを発見しました。特に、毎日定刻にミーティングを開くことが大きな助けになりました。そしてチームは波に乗り始めたのです。
波はいつやってくるかわかりません。波がきたら素直にそれに乗り、波乗りを楽しんでください。波が行ってしまったら、次の波に備えるのです!
Surfing Productivity
| Parse.lyToms Baugis(原文/訳:伊藤貴之)