カフェインは時に良い活力剤となりますが、正しい付き合い方をしなければ、以前にも記事で取り上げたように怖いものにもなり得ます。「何でも程よいくらいがちょうどいい」とは言いますが、まさにその通りなのです。しかし、酸素を吸うような感覚で、朝起きてすぐにコーヒーを飲まないといけないのであれば、カフェイン依存の可能性があるかもしれません。

まずは、カフェインをどのくらい摂取しているのかを把握しなければなりません。朝のコーヒー、カフェイン入りの飲料、カフェインを含むスナック、カフェイン入りの痛み止めも全てです。予想以上の量を摂取していますか? カフェインが単なる「道具」の域を通り越して「命綱」のような存在になっているようであれば黄色信号です。

今回は、苦しまずにカフェイン依存から脱出する方法をご紹介いたします。カフェインに依存せず、上手に付き合うためのテクニックです。■「やめる」か「うまく付き合う」か?

カフェインを断つも、上手に付き合うも、全てはあなた次第。米Lifehackerスタッフの一部はカフェインを絶ちましたが、モーニングコーヒーやアフタヌーンティーを楽しんでいるスタッフもいます。しかし、全員がカフェインについて「適量を摂取すべき」であるという同じ意見を持っています。

これまでにもカフェインが健康に及ぼす影響については多くの研究がされており、「もっとカフェインを摂取すべき」、「カフェインを減らすべき」、「カフェインは摂取すべきではない」などさまざまな声を耳にするでしょう。ここでは、その研究結果についての論争はしませんが、カフェインを利用するのではなく、カフェインに動かされているのであれば危険信号であることには変わりありません。ただし、賢く摂取すれば健康に役立てることができ、同時にブースターとしても利用ができるはずです。

■ゆっくりと摂取量を減らす

米Lifehackerスタッフの体験や米Lifehacker読者からの意見に合わせ、今回は栄養士であるAndy Belatti氏Allannah Dibona氏からも意見をもらいました。それらをまとめたアドバイスは以下の通りです。

1. カフェイン摂取量を計算する

はじめにすべきことは、どのくらいのカフェインを摂取しているのかを把握することです。Alannah氏は「ゆるやかなスタート」と推奨しています。カフェインはとても依存度の高い物質であるため、急に摂取量が減ってしまうと反動が大きくなってしまいます。初めの数日は正確な摂取量の記録をします。もし、はっきりとした数字で記録できれば、あなたの「苦痛」と「調節」の境目をより明確にすることができます。

2. カフェイン量をゆっくりと下げる

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、カフェインを多く摂取している人ほど、ゆっくりと減らすことが重要です。どうしてもカフェインが必要な気分の時は、無理せず摂取しましょう。1日に10杯前後のコーヒーを飲む人なら、1カ月ほどでカフェイン摂取量をある程度減らすことができるはずです。まずは数週に分けて、1日あたりのコーヒーを2杯づつ減らすことから始めましょう。

例えば、初めの週に毎日10杯のコーヒーを飲むのであれば、次の週は一日8杯までに減らし、さらにその次の週は一日6杯までにします。段階的に摂取量を調整することにより、頭痛や不安感、イライラなどの反動を和らげることができます。大切なのは「ゆっくり始めて時間をかけて悪いクセを改善する、管理ができるようになる」ことです。

3. 「いつもの」を「別のもの」に変える

いつも飲んでいるコーヒーがマルチショット・エスプレッソであれば、同じ量でもカフェインの少ないコーヒーへの変更を検討してみましょう。あまり知られていませんが、ワンショットのエスプレッソは、カップ1杯のコーヒーよりカフェインが少ないのです。原文著者がカフェインを減らそうとしていた時、ドリップカップではなく、アメリカーノ・エスプレッソをお湯で割ったものを飲んでいたそうです。Alannah氏は、「味の深みを感じることができ、とても楽しめる」と語っています。カフェインを減らしたことによるストレスも劇的に減る方法とのこと。

4. その他のカフェイン入り飲料の摂取をやめる

朝のコーヒーが好きすぎて止められそうにない人は発想を転換させてみましょう。 砂糖たっぷりのカフェイン入り炭酸飲料を飲むより、他の健康的でおいしい飲み物へ方向転換させる方が簡単でしょう。気分転換したくなった時に健康的なものをチョイスするだけで、カフェインを減らすことができます。また、カフェインが入ったスナックが好きな方は、それらの摂取も控えなければなりません。カフェイン入りのガムを常にかんでいる人は、食べるペースを落とさないといけないでしょう。

■その他のカフェイン・ダイエット方法

もし、カフェインを精神的な理由で過剰摂取しているのであれば、数ある「脳や体をだます方法」をお試しください。 例えば、以下のような方法です。

カフェイン量を半分にする:低カフェインのコーヒーに切り替えるというだけで、カフェインの摂取量だけ減らし、変わらず同じ量のコーヒーを飲むことができます。さらに飲むコーヒーやお茶の量を減らせば、摂取量を大幅に減らせます。

コーヒーをアレンジ:この方法は原文著者のお気に入りで、カフェイン摂取量の減少に王手をかけるときに使っている方法だそう。コーヒーは半分だけで、残り半分をココアにするのです。完全なコーヒーを1杯飲むよりは結果的にカフェインを少なくすることができます。しかも、びっくりするほどおいしいのです。ただし、砂糖とミルクの量には気をつけてください。ココアの量が3/4でも満足いく味になるのだそう(くれぐれもハマってしまわないよう注意!)。

低カフェインまたはカフェイン抜きの飲み物へ切り替える:Andy氏のオススメはカフェイン・フリーで、コーヒーと同じようにローストされているハーブティー。「Teeccino(ハーブコーヒー)」と「焙煎麦茶」です。特に前者は味を豊かにするためにブレンドされている他の材料も楽しめますし(チコリ入りもオススメ)、歯のエナメル質にも優しいです。これらの方法は健康上の理由からカフェインを制限しなければならない方には理想的であり、気分の面でも助けてもらえそうです。

水を飲む水分補給 が体に良いことは周知の事実です。ライフハッカーでは以前に「カフェイン入り飲料の水分は体に吸収されない」という神話を崩壊させましたが、今回はあくまでもカフェイン摂取量を下げることにだけにフォーカスします。水を飲めば(果汁などで味付けされた水も含め)、普段飲むカフェイン入りの飲み物の摂取量を抑えることができます。

米LifehackerスタッフのAdam Dachisさん曰く「歌う人は、コーヒーやお茶ではなくコップ1杯のお湯を楽しむ」のだそう。飲み物をお湯のするのは、有名なパフォーマーたちが声を良いコンディションに保つためのワザなのです。味付けに、レモンやはちみつを加えてもよいでしょう。

■コーヒーではなくお茶を飲む

お茶はカフェイン・ダイエットに効果のあるさらなる手段のひとつです。しかし、それだけではありません。カフェインを含んだ飲み物の代表はもちろんコーヒーですが、お茶にもカフェインが含まれています。重要なポイントは「お茶に関する知識を深める」ということ。実は、お茶の種類によりカフェインの含有量も異なるからです。

以前、米Lifehackerでコーヒーとお茶を詳しく比較したことがあります。その際、コーヒーや炭酸飲料を一日中飲み続けるより、どんな種類であってもお茶を飲む方がカフェイン摂取量を抑えられるということに気がついたのです。では、どのようなお茶を選べばよいのでしょう。

  • カフェイン含有量が最も多いのは紅茶。一般的なもので1カップあたり約60~70mgも含まれています。蒸らし時間を短くすることにより360mlにつき約20mgまで下げることもできますが、じっくりブレンドされたものや長く蒸したものは1カップ約100mgにまで跳ね上がってしまいます。しかし、それでも1カップあたりのカフェインが軽く100mgを超えるドリップコーヒーより断然低いです。
  • 緑茶は平均して1カップあたり約30から40mgのカフェインを含んでいます。しかし緑茶の場合も、ブレンド方法や蒸らし時間によりカフェイン量が異なります。通常は50mgを超えることはありませんが、軽く蒸らしただけのものは10mg前後です。
  • 若い茶葉を軽く煎ったホワイトティー(白茶)は、カフェイン量は360mlあたり約5~30mgと非常に少なめです。
  • ハーブティーはハーブの種類によりカフェイン含有量が異なります。ルイボスティーにはカフェインは含まれていません。一方でマテ茶にはコーヒーより多くのカフェインが含まれています。

お茶についてもっと詳しい知りたい方は、ライフハッカー過去記事「コーヒー党にあえて捧げるバラエティ豊かな『お茶』の事始め」もご参考までに。

しかしながら、上記で触れているように、これらのカフェイン量は絶対的な数字ではありません。種類、ブレンド、ローストの方法などにより変化します。さらに覚えておきたいのは、360mlのコーラには約20~25mgのカフェインしか含まれていません。カフェインを減らすことに重点を置いている場合は、お茶からコーラに切り替えても良いでしょう(ただし、砂糖を含むなど他の問題も出てきますのでバランスに注意)。

■運動でカフェインに立ち向かう

Andy氏は「カフェインの禁断症状を跳ねのけるのに最も優れた方法は、20分前後の軽い運動である」と斬新な発言をしています。運動をすることにより幸福ホルモンが放出され、つらさを乗り越えられるのだそう。炭酸飲料やコーヒーが飲みたくなる度に毎回ランニングに出掛けるのは難しいかもしれませんが、軽い運動は心身に良い影響を与えます

カフェインを完全に断ち切る必要はありません、うまくコントロールできれば良いのです。カフェインを摂取している可能性は、想像よりも大きいと思いましょう。要はカフェイン入りの飲み物を「飲んでも、飲まれるな」ということなのです。

Alan Henry(原文/訳:Rhyeh)

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