こんにちは、夜寝ていて、蚊の羽音が聞こえると飛び起きてしまう「失業経験有り人事担当」の田中二郎三郎です。

さて、夏になると出現し、刺されたかゆみで人を悩ませる蚊は、ゴキブリに次いで身近な害虫として知られています。ただ、その生態を知っている人は少ないのではないでしょうか。今回は蚊の生態および駆除方法について、考察してみましょう

Photo by Thinkstock/Getty Images. ■蚊が「発生しない」環境づくりからはじめましょう

蚊の種類は世界で2500種類以上が確認されています。日本ではヤブ蚊やイエ蚊などが代表的な生息種類です。まず成虫が水辺や水面に卵を生み付けます。そして数日して孵化して、蚊の幼虫「ボウフラ」となります。つまり、家で刺されたくなかったら、その根源を絶つ必要があるということ。ボウフラが発生するのを避けるように、なるべく水たまりを家の近くに作らないことが肝要です。

近くに池や水辺などがある場合はどうしようもありませんが、家の雨水を流す樋(とい)等が、枯葉等で詰まっていたり、庭に水たまりができる場所があると、格好の生息場所になってしまいます。樋の詰まりをとる、水たまりは土などで埋めてしまうだけで、ボウフラの生息可能箇所はかなり減少します。もちろん汚水マスや、水が入ったバケツ等も要チェックです。短期間で成熟してしまうため、しっかりした水回りの管理が大切ということです。

卵から蚊はわずか2週間足らずで成虫まで成長してしまいます。こうして成虫になった蚊は人を刺し始めるのですが、この段階では、直接物理的に個体を叩いたりして殺すか、殺虫剤でしか駆除の方法がなくなります。

■蚊取り線香の「煙」には殺虫効果はない!?

即効性のあるスプレー式殺虫剤や長時間型の蚊取り線香等がありますが、殺虫剤の主成分には、シロバナムシヨケギク(通称防虫菊、除虫菊)から抽出されたピレスロイドという物質が以前使われていましたが、現代では化学合成されたピレスロイドが使用されており、ほ乳類・鳥類にはほぼ無害、蚊などの昆虫類に高い神経毒効果をもたらすものです。

よく蚊取り線香の煙に殺虫効果があると誤解している人がいますが、煙自体にはなんの殺虫効果もありません。燃焼部分の手前が高温となり、線香に含まれるピレスロイドが蒸発して拡散するのです。電池式やコンセントに差し込む液体殺虫剤も、熱を機具内で発生させてピレスロイドを蒸発させて拡散させる、蚊取り線香同様の原理なのです。

つまり屋外や風通しの良い部屋で蚊取り線香などを焚いても、殺虫成分が薄く拡散してしまうので、効果はほとんどなくなってしまいます。ピレスロイドを徐々に拡散させる方式の蚊取り線香や殺虫機具は、ある程度換気をしつつ、閉め切られた空間で使用する事で最大の効果を発揮します。

■蚊に刺されやすい人・刺されにくい人

さて、蚊に刺されやすい人、刺されにくい人、刺されやすい箇所などの検証をしてみましょう。

蚊は温度の高いところ(体温)、二酸化炭素濃度の高いところ(呼吸)、においのするところ(体臭)に寄ってくる傾向にあります。足指の先が刺されやすいのは足のにおいを蚊が好むためです。またビールを飲んだ後に刺されやすいのは、アルコールによる体温上昇と、吐息に二酸化炭素が増えるためです。

次に刺されている最中についパチンと叩いて蚊を殺してしまいがちですが、こうするとかゆみの元になる蚊の唾液が押しつぶされることにより人体に残ってしまいます。残さないためには、蚊を手で払うようにすると唾液を人体に残す可能性を減らすことができます

残り少ない夏、せめてかゆくて寝られないということのないようにすごしたいものですね。

(田中二郎三郎)