「ノマドワーキング」という働き方が注目され、ネットや雑誌でノマド関係の記事を多く見かけるようになりました。ライフハッカーでもノマドワーキングやコワーキングといった記事はアクセス数が多く、いかに読者がこの働き方に興味・関心を持っているかがわかります。しかし、多くの人が想像しているノマドという働き方は想像以上にシビアな世界なのです。
先日Twitter上で@May_Roma氏がノマドに関して冷静な発言をしていたので、ここでその発言を紹介したいと思います。
Photo by Thinkstock/Getty Images.
技能は飛び抜けた物でなければいけないし、実績もずば抜けてないとダメ。楽しそうにノマドやってる人は、実は若い時に凄まじい努力をしている。
ノマドになりたいとと言っている学生さんに会ったことありますが、この子達が、私の知ってるIT職人や大学研究者や医者みたいに、一日16時間働いたり、週末なんかも延々と勉強する姿は想像できなかったですよ。遊びの話しばかりしている。人に助けて貰うのも当たり前って感じですね。
暇な時間に身につけたスキル程度じゃフリーで食っていくのは無理です。甘いです。
ノマドになって食っていくには、提供できる成果物の質が第一ね。どこの学校でたかなんて関係ないわけ。
ノマドになりたい人にこそ、法律や契約、会計、税金、商習慣の違い、大企業の意思決定方法、社会人としての常識が重要。仕事を頂いても、契約書がめちゃくちゃ、自分で申告できない、法律違反してました、じゃ話にならないんです。
ノマド的働き方が広まることは、一見かっこ良いように見えるが、大半のサラリーマンには脅威。日本のサラリーマンは特にジェネラリストが多い。つまりノマド的な働き方の世界では「能無し」。真っ先に首を切られたり、給料下げる対象。
一口にノマドワーカーと言っても、組織に属しながら仕事の一部分だけを外でやるという人もいれば、完全にフリーランスとしてオフィスを持たずに働いている人もいます。この@May_Roma氏の発言は、後者のほうを指しているものと思われます。
実際私も知り合いにも、オフィスを持たずに完全にノマドな働き方をしている人が何人かいます。彼らは輸入雑貨を手掛けていたりセミナー講師だったり文章を書く仕事をしていたりと、フィールドとする業界はさまざま。しかし彼らに共通しているのは、「個人」として働くことのできるスキルに加え、企業から仕事を任せられるくらいのクオリティを担保する能力があるということ。彼らとカフェなどで会うたびに、圧倒的な力の差を感じてしまいます...。
単に外で仕事をしたいという理由でノマドワーカーになりたいというなら、セキュリティの問題さえクリアすれば、いつでもノマドワーカーにはなれます。ただ、本当にフリーランスとしてノマドをしたいのであれば、それなりの覚悟が必要だという話です。もしノマドワーカーという働き方に漠然とした憧れのようなものを持っているのであれば、自分がフリーランスとしてのノマドをしたいのか、それとも部分的にノマドがしたいのかをはっきりとさせたほうが良いと思います。
「ノマド」に関する話も、たぶん@May_Romaさんが言ってることが冷酷な事実... | togetter
(安齋慎平)