成功したり上達したことで逆に「自分の実力はここまでじゃないかな」と不安になったり、イライラしている人はいませんか。でもそれは、あなただけではありません。
「Psychology Today」の記事によると、私たちの約半分が自分の能力はもうできあがっていて、ある程度上達したり頭がよくなったりすると、将来これ以上良くなることはないのではないか? と思い込んでいるそうです。
Photo by Jeremy Daccarett.人の能力や知能は生まれ持って決まっているという「実体理論」(entity theory)を信じている人は、自分が予想していなかった場面で上達すると不安になるのだとか。以下は実体理論についての実験です。
ある実験で学生がテストを受けました。学生は「採点の結果61パーセントが解けている」と言われ、問題を解くコツを教わりました。
次のテストでは、何人かは「テストの出来は以前と同じ」と言われ、何人かは「91パーセント解けている」と言われました。その中で実体理論を信じている人は、自分の上達を喜ぶと同時に、心配に思うようになり、その後のテストの出来に影響したそうです。
逆に、自分の知能は努力と経験で変わるという「増分理論」(incremental theory)を信じている人は、そのような心配をする傾向が少なかったそうです。
自分の成果に自信を持てば持つほど、もっと良い成果をあげられるようになり、逆に自信を失うほど悪い結果になるというのは、当たり前のことのように感じます。この研究は、実体理論を信じる人に対して、自分たちの変化や上達に対する考えを、考え直す必要があるということを示唆しています。
「生まれつきの才能がないからできないのだ」と思ってしまうことがあったら、その考えを改めてみましょう。本当は向上する可能性があるのですから。
The Belief That's Sabotaging Your Life | Psychology Today
Melanie Pinola(原文/訳:曽我美穂)