新しい知識を身につけたいとき、どんな方法を用いていますか? ひたすら読む、メモにまとめるなど、様々なアプローチが考えられますが、自分の理解度合いをテストするのも有効な手立てだそうです。
米紙「ニューヨーク・タイムズ」では、科学雑誌「Science」でも公開された、米パーデュー大学(Purdue University)の心理学教授による、最近の研究結果を紹介しています。
この研究では、200人の大学生を対象に、筋肉組織といった、事前に知識のない科学分野に関するマテリアルの一部を与え、5分間読ませました。その後あるグループには、5分間のセッションを4回与えてマテリアルを読ませた一方、もうひとつのグループは、関連する事項を書き出して線でつなぎ、情報をマッピングさせてみたとか。そして、さらに別のグループには、覚えていることを10分間でエッセイにまとめるテストを実施。その後、マテリアルを読み直して、このエッセイを書き直すよう指示しました。この最後の手法は、「検索練習(retrieval practice)」や、「テスト効果(testing effect・英文)」といわれています。
一週間後、それぞれの知識の定着度を調べたところ、テストを受けたグループは、情報をマッピングしたグループよりも50%多く知識を記憶していました。最初にマッピングに取り組んだグループよりも、これらの科学的な情報をうまくマッピングできたそうです。
ある心理学者によると、頭の中で「そうそう、これ知ってる」といった具合に、自分の理解度をテストしながら、読み直していくのが現実的とのこと。理解できているところと、できていないところが自覚でき、知識が自然と整理されるのかもしれませんね。知識を効率的に定着させたいときに、ぜひ取り入れてみてください。
Test-Taking Cements Knowledge Better Than Studying, Researchers Say [NYTimes.com]
Kevin Purdy (原文/訳:松岡由希子)