iPhone/iPod touch:『VisiCalc』の作成者ダン・ブルックリンという方をご存知でしょうか? 彼はスプレッドシートを発明したことでかなり有名な方ですが、そのダンさんが最近は携帯機器のアプリ開発に興味を持っていて、iPhoneアプリの第一弾をリリースしたそうです。

その名も『Note Taker』。iPhoneのキーボードでもたもたしてるよりも手で書いた方が速い、という場合に活躍してくれること間違いなしなアプリです。

 一見、このアプリって必要?と思うかも知れませんが、意外とよく出来ていて、長い文章を書く場合にもかなり楽に作業できるようにデザインされています。例えば、右に向かって文章を書き続けると画面が自動スクロールされ、解読可能な程度に文字の大きさを調整してくれます。

文字認識機能はついていないので、そこからメールにテキストとしてペーストして送信、というのは出来ないのですが、書き留めたメモを見ながらキーボードで打ち込むことは可能です。また、手書きのページをそのままメールすることも可能。自分で書いた文字が解読出来ない方やiPhoneのキーボードに何の不満も感じていない方向けのツールではないですが、スケッチが好きな方やマインドマップをよく使う方、小さなキーを使ってバックスペースを連打しながらリストを作成するのが面倒な人にはかなりよく出来たツールです。

使っている時の感覚はノートパッドに書いているのと大差ないので、使っていればすぐに使い方にも慣れてくるはず。

やはりこのアプリに関して特筆すべきはパーソナルコンピュータ界を大きく変えた存在であるダン・ブルックリンさんが、30年の時を経てもまだ新事業への情熱を失っておらず新しいプラットフォーム向けにソフトを作成した、という事実。彼自身の言葉によると:

この数ヶ月に亘り私は様々なメディアやビジネル環境について学んできました。9月中旬に24インチのApple iMacとiPhone 3GSを購入し、Apple iPhone開発者プログラムに参加しました。何冊か本を購入し、チュートリアルを一つずつこなしてみました。その際にアプリケーションのアイデアが浮かんできたので、早速試作品を作り、他の人の役に立つようにアプリの改善を重ねて来ました。

サンクスギビングの数日前に完成したアプリをApp Storeに提出したところ、無事承認され、ようやくどなたでもダウンロード可能となりました。VisiCalcから30年余、私の次なるステップはアップルハードウェアから始まるのです。

このアプリをダウンロードした方はまず「Try it」モードから始めてみるのがおすすめです。数ページに渡るチュートリアルはいらいらして、説明書が読めないタイプの人には不向きかも知れませんが、一度見ておくとかなり役に立つのでおすすめですよ。下記の動画を見てもらえばなんとなく使い方も分かるかと思います。

『Note Taker』のフルバージョンは230円で購入出来ます。無料でダウンロード出来る『Note Taker』は4ページまで保存可能。ブリックリンさんによるとAndroidバージョンも現在作成中、だそうです。試してみた方はぜひ感想を教えて下さい!

Note Taker [iTunes Store via Smarterware]

Dan Bricklin's Note Taker for the Apple iPhone and iPod touch [Dan's Log]

Gina Trapani (原文/まいるす・ゑびす)