紙の上、またはパソコン上に書き記しておくことは、重要な情報や作業を記憶しておくために最上の方法です。しかし時々、重要なデータをきちんと分類して、きちんと価値のある情報にしておくためには、あなた自身の"旧態依然"としたシンプルな大脳に頼らざるを得ないことがあります。

クライアントの名前、パスワード、あるいはIDとの組み合わせ等々、自分の頭の中だけに保管しておくべき情報、あるいは、これから受ける試験の答えとか、必要なときにはいつでも、情報をアタマの中から引っ張り出せるようにするための、数々のテクニックとツールが、世の中にはあるのです。

以下にて、記憶力を爆発的によくするハックのTOP10についてお伝えしますよ。記憶の準備はいいですか?

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第10位:記憶と学習効率を改善する「お昼寝」

目を閉じて居眠りしているときには、何一つとして学習していない...そんなふうに思えるかもしれません。ところが、昼寝は、記憶と学習に関する「ノイズ」を減らすのに、非常に役立つのです。睡眠が新しいことを覚えようとするときに起こる、大脳の拒否反応を押さえ、記憶を呼び戻す大きな助けになっているのです。大脳の拒否反応は、既に学習済みのことをきちんと保存しておくために起こります。この説は「ネイチャー・ニューロサイエンス」誌で発表されました。

学習改善に最適な昼寝時間は90分と言われてきましたが、一般的な「ハウ・ツー」に関する知識は、睡眠時間にかかわらず、昼寝をすれば記憶として定着するようです。

気になる残り9つの記憶力向上Tipsは、以下にてどうぞ。

 

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第9位:戦略的な「気晴らし」で学習能力を高めよう

気晴らしといっても、大学院進学の適性試験の勉強をしている人へ「たまには任天堂のWiiで遊べ」というわけではありません。ここで言う「気晴らし」とは学習のテーマを一つのことから徐々に別のことへスライドさせていくこと(例えば、CSSについて考えていたときに、ちょっと別のことを考えてから、またCSSのことを考え直す、というやり方)。この方法は、脳に対して、最初に集中して学習していたことを、脳内に保持しておくように強制する働きがある、とその研究は述べています。

瞬間的な気分転換も、ストレスのレベルを下げる助けとなるかもしれません。そして、さらなる集中に役立ちます(初出「記憶力を高めるには、脳を混乱させるべし!?」)。

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第8位:「記憶の宮殿」で、記憶を呼び覚ますものを視覚化する

自分の家でも、オフィスでも、あるいは別の場所であろうとも、頭の中だけではっきりと道順を辿れる場所が必ずあるでしょう。その「記憶の中の場所」を、「記憶の宮殿」というテクニックを用いて、一定のリストに作り変えてみましょう。

The LiteMind Blog」では、そのテクニックの概要を紹介しています。自分が記憶しておくべきことの一つ一つを、その「記憶の中の場所」を歩いていくときに出てくるモノの一つ一つに、結び付けておく、というものです。例えば、牛乳は前ドアに、プリンターは床マットに、ペーパータオルはキッチンテーブルに置いてある、という具合です。思い出さなければならないときには、その記憶の中の「(心の中にある)場所」を歩き回って、その「結びつき」を思い出せばよい、というわけです(初出・米ライフハッカー過去記事

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第7位:名前の地図を描いてみよう

上司とミーティングをしなければならない、そして積極的な人物だという印象を持ってもらいたい! そんなときには、ノートかインデックスカードを持っていきましょう。会議の席に着席したらすぐ、出席している人の名前またポジションを図に描き出します。そのときは、各人の特徴を入れ忘れないように(例えば、「ジム氏/あごひげ」「バッジ氏/メガネ」のような感じ)

緊張した心理状態で、突然あれやこれやの対応をするのはとっても困難です。それを防ぐためには、メモと図に記された数字と、後のフォローアップの引用を書きとめておくと落ち着いて対応できるのです。(初出・米ライフハッカーの過去記事)。

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第6位:ドラマチックな表現を用いた「記憶呼び覚ましのリスト」を作る

あなたは玄関のドアに向かってコツコツと歩いているとき、こんなことを考えたことはありませんか? 「自分は、まず間違いなく、『手紙を投函すること』あるいは『牛乳を買うこと』のどちらか一つ、もしくはその両方を、きっと忘れてしまうだろう、と。

ブロガーのバート・ウェッブは、そんな予感を裏切るための方法として、こんなことを提案しているようです。「巨大なミルク壷みたいに見える郵便ポストへ、手紙を入れるイメージに焦点を当てる、あるいは、郵便配達人が完全に液体のミルクになってしまうようなイメージを、思い浮かべる。言い方を変える」と。つまり、自分の脳の退屈で常識的なフィルターを飛び越えてしまうような突飛なイメージは、記憶しておきやすい、ということです。(初出・米ライフハッカーの過去記事

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第5位:たった一つのパターンを覚えておけば、いろいろなパスワードを全部書き留めておく必要はなし!


自分のパスワードを記憶しておくための最も安全な場所は、それぞれのアカウントとパスワードを自分の頭の中に溜め込むこと。これが誰しも認める最強のセキュリティ。ネットバンキングやらクレジットカードのサイトやら、いろんなところのアカウントに対して、1つの共通パスワードを使う、というのはあまりにも危険すぎますしね。

ここで紹介するのは、ぜーんぶのアカウントとパスワードを丸暗記するのに役立つ、というものではありません。それは、あまりにも忘れ易すぎるのです。暗記の達人ばっかりではないですからね。そこで誰でも効果的に使えるのが、た「パスワード生成ルール」を作っておく方法。まずは何か一つ、基本になるパスワードを選んでください。例えば、自分の好きな歌とか、そのワンフレーズの省略形(イニシャルのようなもの)がいいですね。次に、サイトのパスワードを変更していきます。例としては、「そのサイト名の最初の3文字を基本パスワードに組み合わせる」「最初の4つの子音を基本パスワードに組み合わせる」といった感じ。自分の好きなように「基本パスワードに●●を組み合わせたもの」=「そのサイトのパスワード」というルールを作っちゃうのです。

この方法を使えば、「パスワードを忘れた方はこちら」というヘルプをクリックして確認の電子メールを待つ、ということは今後なくなることでしょう。「忘れちゃってもしょうがないか」と思うようなことも、なくせますよ。

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第4位:リピートテクニックで名前のド忘れ防止


会話を交わしたことがある人なのは確かなんだけど、ふと会ったときにその人の名前を思い出せない...というのは、なんとも気まずい(でも、よくある)ものです。

ハウツー・ウェブサイトの「eHow」は、こんな方法を推奨しています。「紹介が終わったら、その人の名前を何度も繰り返して呼ぶ」という方法です。

「やあ、ボブ、お会いできて嬉しいです。それなので、ボブ、あなたはどこへ......うんぬんかんぬん」

何度も呼べる状況ってなかなかないよ...という方には、もう一つ。CNNの「CareerBuilder」にある、「キン肉マン方式(「visual-learning crowd」)」という方法を使うといいでしょう。これは、その名が示すとおり(1970~80年代生まれにしかピンとこないかもしれない跳躍、ならぬ超訳ですが)「心の中でその人の名前をその額に書き付けておく」、ソフトにしたい場合は「その人の名前を何か画像に関連付ける」でもいいでしょう。例えば、レオナードという名前の人を、レオナード・ニモイに関連付けたりする、という方法です。(初出・米ライフハッカーの過去記事


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第3位:長い数列は単語に置き換える


あんなソフトやこんなソフトの長大なパスワードや、自動車のVINコードのような長い数字の文字列は、記憶するのが非常に困難です。「Mnemonic(英語版語呂合わせ)」、とか、その応用版「Red Table(数字をアルファベットにして、単語を作る手法)」を使えば、長大で脈絡のない文字列をきっちり記憶しておくことが、かなり容易になります。

数字を入力すると単語に変換してくれるWebサービスはこちら(Firefox用の便利なアドオン版もありますよ)。(初出・米ライフハッカーの過去記事


第2位:語呂合わせを使ってオリジナルの記憶手法を作る

ここに紹介した方法と技術は、記憶術の科学から発生しています。それは、学習を補助するために、ありとあらゆる意識感覚を利用しているのです。

数列を単語にする方法鮮烈なイメージで覚える方法が、もし自分にはしっくりこない場合は、カスタマイズしてみてはどうでしょう? 自分で覚えやすいもの、三次元イメージだったり、シンボルだったり、自分のユーモアのセンスだったり、絶対に忘れてはならない事象や事件とそれらのものをつなげるために、どのようにコード化すればいいのかというのを、好きに作ってみましょう。そのときに最重要なことは何かって? オリジナルの記憶手法に「何か面白おかしい」あるいは「ポジティブな何か」を作ることです。覚えることで、ネガティブ情報をポジティブなものにシフトチェンジできるようにね。ほら、ここまで来れば、誰もが皆お腹一杯に持っているネガティブな記憶を、そのほかの事柄へと指し向けるのが、かなり上手になった証拠です。(初出・米ライフハッカーの過去記事

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第1位:『SuperMemo』で脳を鍛える


Windows用フリーソフト『SuperMemo』は、一定の感覚で繰返し学習することで、人が概念を記憶するのをサポートするソフトです。学習専門家ピオ・ウォズニヤック氏の、何年にも及ぶリサーチに基づいている、このソフト。彼は「人がたった今学んだことを忘れてしまうと時間(短期記憶)の、正確な瞬間」を探し出そうとした人です。Windowsの各バージョン、Pockt PC、Palm版がありますよ(おそらく別作者ですが、Macには日本版もあるみたいです)。(初出・米ライフハッカーの過去記事

重要なことを忘れないようにするために、あなただったらどの方法を使いますか? 紙やらプログラムやらの記憶リストを、メンタルトレーニングで、どのぐらい増やせると思いますか? もっと上手い方法があるよ! という方は、あなた自身の経験やアドバイスを、是非コメント欄に投稿してくださいませ!

Kevin Purdy(原文/粟野雅子)

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