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新年おめでとうございます。
おめでとうございます。
今年も,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため,一般参賀で皆さんに直接お話をすることが残念ながらできません。そこで,昨年と同じようにビデオで御挨拶をしようと思います。
この1年も新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい,国の内外で多くの方が感染し,亡くなりました。亡くなられた方々に,深く哀悼の意を表しますとともに,大切な方を亡くされた多くの方々に,心からお見舞いを申し上げます。また,これまで,献身的に治療に当たってこられた医療従事者の皆さんの並々ならぬ御尽力に改めて敬意と感謝の意を表します。
我が国では,幸いにしてワクチン接種が行き渡ってきたことや,国民の皆さんのたゆみない努力などにより,新型コロナウイルスの感染者の数が一時に比べて大きく減少し,随分と落ち着きを見せています。また,新型コロナウイルス感染症により重症化する方や亡くなる方も確実に少なくなってきており,明るい兆しが見えてきたようにも思われます。同時に,今,私たちは,オミクロン株という,新たな変異ウイルスの脅威にも直面しています。
海外に目を向けると,感染者数が増加している国も多く,中には,ワクチンが手に入らなかったり,必要な治療が受けられない人々も大勢おり,このような状況が早く改善することを願っています。
国内にあっては,この新型コロナウイルス感染症の影響により,仕事を失ったり,苦しい生活状況に陥る方も多く,心が痛みます。助けを必要としている方々のところに,多くの温かい手が差し伸べられることを願ってやみません。
国民の皆さんのこれまでの御苦労もいかばかりかと思いますが,今一度,私たち皆が,これまでの経験に学び,感染症の対策のための努力を続けつつ,人と人とのつながりを一層大切にしながら,痛みを分かち合い,支え合って,この困難な状況を乗り越えていくことを心から願っています。
そして,新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収まり,皆さんと再び直接お会いできる日が来ることを心待ちにしています。
昨年は,東日本大震災の発生から10年を迎えた年でした。人々のたゆみない努力により,一歩一歩復興が進んできていますが,その一方で,多くの方々が,困難な状況の中で今なお苦労を重ねておられることを案じています。また,昨年も台風や大雨により,多くの方が被害に遭われ,亡くなられたことに胸が痛みます。これからも被災地の方々に心を寄せていきたいと思います。
私たちの前には,まだ様々な困難が横たわっていますが,そのような中にあって,昨年夏に行われた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は,選手や関係者の努力により,多くの人々に勇気と希望を与えるものとなったことと思います。
本年が,皆さんにとって,明るい希望と夢を持って歩みを進めていくことのできる良い年となることを,心から願っています。新年に当たり,我が国,そして世界の人々の幸せと平和を祈ります。
昨年も,多くの方にとって御苦労の多い年だったのではないかと思います。また,年の暮れからの寒波で大変な思いをされている方も多いのではないでしょうか。どうぞ皆様くれぐれもお体を大切にお過ごしいただきますように。
今年が,皆様にとって少しでも穏やかで,実り豊かな年となりますよう,心からお祈りしております。
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「平和と発展のための水の安全保障」をテーマとし,水と緑の豊かな文化と歴史を育むセネガル共和国ダカール市で開催される第9回世界水フォーラムにビデオで参加できることをうれしく思います。お招きいただいたマッキー・サル大統領閣下に感謝するとともに,新型コロナウイルス感染症の影響による様々な困難に直面する中でこの会合を実現されたセネガル共和国政府,世界水会議,そして全ての関係者の皆さんに深い敬意を表します。
今回の世界水フォーラムは,第1回がモロッコで開催されて以来,4半世紀ぶりにアフリカで開催されますが,経済社会が急速に発展しているアフリカにおいても水は大変重要な役割を果たしています。アフリカは年3%超の速さで経済成長を果たし,都市人口の増加率は約3.6%と世界平均の約2倍となっています。このような中,アフリカの電力需要の20%近くを賄う水力発電は2040年までに現在の3倍近くに増加することが予測されるなど,食糧,飲料水,衛生,電力といった主要な水分野で旺盛な需要が見込まれます。経済社会の急速な発展と水需要の増加が著しいアフリカはまさに水分野で注目すべき地域といえましょう。私も,2010年にガーナ国を訪れた際にアコソンボダムを見た時,その規模の大きさに驚くとともに,ダムで発電された電力が近隣諸国にも輸出されていることを聞き,アフリカにおける水力発電の重要性を認識しました。
一方,本フォーラムのテーマである「平和と発展のための水の安全保障」を考える上では,その国・地域の経済社会の発展だけでなく,気候変動のような地球規模での課題にも目を向ける必要があります。私は,2007年から国連 水と衛生に関する諮問委員会(UNSGAB)の名誉総裁を8年間務めました。このUNSGABがその基調提言書である「橋本行動計画」の中で提言し,実現したのが2008年のアフリカ連合(AU)水サミットです。この時採択されたAU水サミット宣言は,気候変動による水資源への脅威に対処するため,各国の気候変動適応策を強化することを
さて,現在,世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症により,私たちは水と衛生が健康の礎であることを実感しました。また,災害の被災地や紛争地における水の確保も大きな問題であると思います。持続可能な開発目標(SDGs)の一つである基本的な水と衛生への完全なアクセス達成に向けた取組の加速が必要となっています。そして,先ほど述べた気候変動など地球規模の課題や感染症といった,繰り返して生じる脅威に対処しながら,水と衛生,水と食糧・エネルギー分野の連携強化,水災害,水環境,統合水資源管理などの様々な水に関する課題を解決するために,水分野を超えた各分野とも連携して,包括的,継続的,柔軟に取り組むなど,私たちがいかに貢献していけるかが問われています。
その意味で,来年開催される国連2023水会議は,1977年のマルデルプラタ会議以来の,水問題を中心に議論する,水の将来にとって重要な国連会議となるでしょう。その主要な準備会合として,ここダカールでの様々な議論が,アフリカ,そして地球規模の水をめぐる課題の解決に向けた取組に新たな風を吹き込み,更に来月日本の熊本で開催される第4回アジア・太平洋水サミットへ継承され発展することによって,国連2023水会議での実りある議論と行動につながっていくことを期待しています。
海洋,大気,大地を巡る水は,等しくその過程で全ての生き物を育みます。地球上の全ての人々が,互いを思いやりながらこの恵みを分かち合い,共に繁栄と幸福の道を歩んでいくことを強く願います。私たちは,水問題の解決に向けた長い道のりのいまだ半ばにいますが,一人一人が人と水との関わりの歴史や経験から学び,様々な地域における良い事例など,そこから得られる見識を共有し,それぞれの水文化を育んでいくことが,地域の水問題を解きほぐし,平和と発展につながっていくものと信じています。今回の会合とその先にある多くの対話と行動の機会を通じて,水問題をめぐる国や地域の境界を越えた相互理解が進み,社会がつながり,人々がお互いを認め合う,平和な世界につながっていってほしいと願っております。その確かな歩みを願いながら,私も今後とも水問題に関心を寄せていきたいと思います。
ありがとうございました。
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第13回世界核医学会の開会式が、世界の多くの国と地域から参加される皆さんを迎えて開催されることを喜ばしく思います。
1970年に設立された世界核医学会の第1回大会は1974年に日本で開催され、当時皇太子同妃両殿下であられた上皇上皇后両陛下が開会式に御臨席になりました。この度、約半世紀ぶりに日本で開催されるに当たり、このように挨拶ができることをうれしく思います。
核医学は、放射性医薬品を用いて様々な臓器の疾患の診断や治療を行う医療分野であり、世界的に患者数が増加しているアルツハイマー病の診断、心筋梗塞などの心臓疾患における診断、また特に近年は、がんの治療に重要な役割を果たしていると伺っています。
世界核医学会では、このような核医学診療の世界への普及や発展途上国への支援を活動の主要目的にしていると伺っております。長年にわたり核医学の発展のために努力を重ねてこられた世界の関係者の皆さん、そして設立当初から世界の多くの国と地域と共に活動を続けてこられ、また、新型コロナウイルス感染症の影響による様々な困難に直面する中でこの会合を実現された国内の関係者の皆さんに対し、敬意を表します。今後、この医療分野が世界へ広く普及し、人々の健康増進につながることを期待しています。
この度の会議において、参加者の皆さんが様々な議論や交流を通じて知見を深めるとともに、この会議が大きな成果を収め、核医学分野の更なる発展に寄与することを願い、開会式に寄せる言葉といたします。