最近発表されたGitHub Octoverse 2024レポートによると、主にデータサイエンス、機械学習、科学計算のような分野での優位性により、PythonはJavaScriptを抜いてGitHubで最も人気のある言語になったことが明らかになった。生成AIはソフトウェア開発において引き続き重要な存在感を示しており、GitHub上の生成AIプロジェクトへの貢献が大幅に増加している。
GitHubのスタッフはOctoverseのレポートをまとめたブログ記事を公開した。それによるとGitHub上の生成AIプロジェクトへの貢献が59％増加し、新規プロジェクトは98％増加したという。開発者はAIモデルをアプリケーションに組み込むことが増えており、コード生成にとどまらずAIエージェントやより小さく効率的なAIモデルといった新しいユースケースを探求するようになっている。
レポートではPythonがJavaScriptを抜き、GitHubで現在最も使用されている言語になったことがハイライトされた。Jupyter Notebooksの急成長（92％の増）も、データサイエンティストや研究者の間で魅力がさらに高まっていることを示している。PythonのGitHubにおける全体的な人気について、ブログ記事はPython Software Foundationのエグゼクティブディレクター Deb Nicholson氏の言葉を引用し、
Pythonに対する我々の目標は、成長し続ける開発者コミュニティが思い描く世界を構築するのを助ける素晴らしいツールになることです。特にJupyter Notebooks、データ分析、AI、オープンソース技術の利用の増加と相まってPythonがGitHubで人気を集め続けていることを知り、本当にうれしい。
GitHub Xハンドルの公式投稿、Octoverse 2024レポートのこの様相を参照、は本稿執筆時点で79,000ビュー、157リツイート、598いいねと大きな関心を集めている。GitHubでの台頭に加え、PythonはTIOBE Programming Community Indexを含む他の様々なプラットフォームでも引き続き優位を保っている。
グローバルな開発者コミュニティは著しい成長を遂げており、2028年にはインドが米国を抜いて最大の開発者人口になると予測されている。インドの開発者コミュニティは前年比28%増となっている。ナイジェリア（28％増）やブラジル（27％増）も急成長している地域だ。アジアパシフィックではインドネシア（23％）やフィリピン（29％）といった国々も急成長を遂げている。
オープンソースは引き続きGitHubにおけるイノベーションの要石で、2024年には公開リポジトリに約10億件の貢献があった。レポートでは商業的にバックアップされたプロジェクトと生成AIの取り組みがもっとも活発な活動を集めたと述べている。GitHub Copilotのようなツールは高品質な貢献を維持しながら、初めて貢献する人々を支援している。home-assistant/coreやflutter/flutterのようなフレームワークは貢献者にとってトップチョイスであり続けている。
レポートはまた、計算能力をあまり必要とせず高いパフォーマンスを発揮する小規模なAIモデルへの関心が高まっていると述べている。この傾向は、ローカルで実行される大規模言語モデル（LLM）に焦点を当てたollama/ollamaのようなプロジェクトの台頭からも見て取れる。開発者は学術研究や組み込みシステムといった特殊なユースケースのためにこれらのモデルを試すことが増えている。
レポートはCopilot Autofixのような、開発者が手動で行うより迅速に脆弱性を特定して修正し、ソフトウェアセキュリティ向上を支援するツールについて議論している。また、開発者はCI/CDパイプラインにGitHub Actionsを利用することが増えており、利用率は前年比で30％近く増加している。
このレポートは2023年10月1日から2024年9月30日までの間にGitHubから収集された匿名化済ユーザーデータに基づいている。追加データはGitHub Innovation Graph 、GitHubにおけるグローバルなソフトウェア開発トレンドを探求することに関心のある組織や個人向けに設計されたリソースから入手できる。