いつも何気に見てる淹れたてのコーヒーの表面でぐるぐる動く白いモヤモヤ…あれ何?
コーヒーの表面に張り付いたかのような、うーっすら浮かぶ白い膜に気がついたことありますか? エスプレッソの泡でも湯気でもない不思議にぐるぐるしてる白いあれ。気になっていたのはあなただけじゃないですよ! もっと気になって仕方なかった日本の物理学者たちがついに動き出しました。
この白いミステリーはさかのぼること1920年代。お茶やお湯の上に浮かんでいるとの記述がその頃すでに残されていたようです。おそらく微水滴なんではないかと思われますが、今までその謎解きはされないままでした。
そこで京都大学の研究者チームは、カメラを熱いお湯の水面に向けて設置し、お湯の温度が上がる時になにが起こるかを撮影しました。すると! 直径10マイクロメートルほどの微小の水滴が水面から、これまた 高さ10〜100マイクロメートルという表面ぎりっぎりの宙に浮いていたのです。この微小の水滴が三角格子状になり、あの不思議な白い膜を作り出していたんですね。
それがこちらの写真。
おー! 熱くなるにつれて浮いてるつぶつぶが増えていってますね!
また、研究者チームはこのつぶつぶの水滴はなぜだかフッと消え、それが蒸気に割れ目を作って全体に広まっていくことも発見。不思議ですねー。これは1秒8,000コマの超高速カメラを使ってとらえられた画像により、一つの波が液体の表面を横切る際に起こる現象だと解明されました。
これにて白い膜の正体は解決ですけど、かえってわからないことも増えてしまいましたね。まず、どうして消える現象が起こるのか。そしてもっと謎なのは、そもそも「なぜ水滴が表面ギリギリに浮かび上がるのか」という疑問。これは研究チームにもはっきりとはわからないようです。
チームはこの水滴はおそらく帯電しているため三角格子状になるのではないかと言われています。水滴は静電気で表面まで浮かび上がり、表面で反発しあっているのだと。でもそもそもなんで帯電してるの?…それは誰にもわかりません。
あのモヤモヤがこんなに奥深いものだったとは…。
image by: Daniel Go
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(リョウコ)