ライバルがいてこそ盛り上がるってものです!
予定していた発売日15日よりも1日速い出荷となったKindle Fire。先行予約の段階ですでにAmazonのベストセラー商品となったKindle Fire。年内の生産台数をすでに予定より増やし500万台以上だというKindle Fire。近々、日本でも発売されるかもしれないKindle Fire。Kindle Fireには世界各国から大きな注目が集まっています。発売直後のKIndle Fire、米Gizmodoのサム記者の徹底レビューをどうぞ!
なぜ注目なのか?
Amazonはたんなる「本屋」ではない。もちろん音楽屋でもなければ靴屋でもストリーミングサービス屋でも新聞屋でもない。Amazonはこれらを全て1つにまとめてユーザーにとって簡単に扱える実に豊かなサービスにしたもの。そしてその豊かなサービスの鍵となるのがプライム会員。Kindle Fireの登場でプライム会員という鍵でますます多くの扉を開けられるようになる。プライム会員の素晴らしさをすみずみまで満喫することができるのだ。Fireが成功すれば、Amazonはさらなる進化を遂げる。そうなれば、ライバルであるAppleも変化を強いられることとなるだろう。
使い勝手
Fireは他のAndroidタブレットとは何かが違う。何か...、何か違ってとても良い。電源を入れると実にシンプルな画面が映る。中には「ホーム画面は?」と疑問に思うユーザーもいるかもしれないが、電源を入れてすぐ映るのは「本棚」である。この本棚には最近チェックした小説や雑誌、アプリやテレビ番組等がぎっしり並んでいる。電源いれて他のことはとりあえず置いてすぐにこの画面、実に刺激的である。ユーザーインターフェースがシンプルだというだけでなく、何よりも直感的である。Fireをどうやって使うの?なんて考える必要はない。全てが使い勝手抜群なのだ。
シンプルな本棚だけが使い勝手の全てではない。検索だって重要な機能だ。1番上の検索ボックスでは自分が所持しているモノ全てから検索ができる。さらにスクリーンの上部から、新聞・雑誌・本・音楽・動画・ドキュメント・アプリ・ブラウザと言った具合に、タブでカテゴリーにわけた検索も可能。どの画面にいてもストアへは最多で2クリックの距離。この距離でAmazonの全カタログにアクセスでき簡単にダウンロードできるのだ。
Amazonのアプリストアにももちろんアクセス可能。現段階ではまだあれこれつっこみどころがあるだろうが、アプリストアがあるとないとでは違う。しかし、FireはAndroidタブレットと言うのも、iPadのAmazon版というのとも何か違う、その理由はこのアプリの位置づけにあるだろう。Android Marketをサイズダウンさせた内容のストアだが、FacebookやTwitter、簡単なゲーム等基本のアプリはそろっている。それでもFireにとって、アプリストアは本や動画等、メディアよりも特別扱いされることはない。
AppleのiOSでのアプローチ「アプリはここです!全部ここにありますよ!ここここ!」というアプリ優勢な位置づけとは違い、Fireにとってのアプリはドキュメントとも音楽とも同じ、横並びのカテゴリーなのである。小説や新聞ほどFireの世界でアプリは幅を利かせようとはしない。アプリは他のカテゴリよりも決して上ではない、並列なのだ。ここがAndroidタブレットでありながら電子リーダーである、生活の中での端末の役割をきちんと理解したちょうど中間に位置するFireらしい仕様だと言える。と言っても、アプリ整理がまだちょっとやりにくいので、ここはもう少し改善して欲しい。
良いところ
Fireで読む・見る・ネットする・聞くに関しては文句無し、素晴らしい! 簡単! 楽しい! 本に関しては、長編でも短編でも読み易く、ページをめくるのもほぼ問題なく反応する。フォントも自分の好きなように設定できるので見た目のコントロールもきく。ランドスケープ又はポートレートモードにすれば1024x600の美スクリーンに。RetinaディスプレイでもeインクでもないLCDのスクリーン、期待にこたえる美しい画面が楽しめる。数時間の暗い車内の電車の旅でも、目が疲れることはなかった。雑誌に関しては、画面全体を埋めていないページですらリッチに見える。レイアウトデザインや写真が必要ない人なら、テキストモードに変換して文字だけを楽しむこともできる。実に賢く便利な機能である。
とはいえ、Fireは単なる電子書籍リーダーではない。もっとたくさんのことができる。小説を読んでる途中で、あのテレビ番組のあの回見ようってな気分の時もある。小説と動画、画面を簡単に切り換えできるのがFireだ。最新のニュース、新聞の画面もわずか数クリック先。ここでいきてくるのがプライム会員という鍵である。Amazonプライム会員ならばテレビの無制限ストリーミングが可能。つまりKindleでとても簡単に料金を気にする事無くだらっとテレビを見る事ができるのである。新番組の全チェックや気になるから初めだけ見てみたいという贅沢が出来るようになるのである。映画やドラマを購入する場合はAmazonクラウドに保存されるため、WiFiさえあればいつでもどこでも見る事ができる。もちろん、Fire自体にダウンロードすることも可能だ。
そして注目はFireに搭載されているAmazonブラウザSilk。ブックマークもメール(Amazonのクライアント経由)もできるし、ネット観覧も問題ない、Facebookもできる。タブ機能あり。Silkは、モバイルSafariと同じように、モバイルブラウザとしては十分。本のディスプレイと同じように、摘んでズームできる仕様が嬉しい。注目なのは、ユーザーが増えれば増えるほど、スピードがあがるということ。是非もっと多くの人に使ってもらいたい。
ありふれた言い方になるが、Fireは実にパワフルなマシンだ。この小さな体に魔法を詰め込み、生活のたくさんのことを簡単に賢く満足させてくれる。
嫌なところ
良いところで「ページをめくるのもほぼ問題なく反応する」と言ったが、ほぼということは100%ではない。たまに反応しない時はもう最悪である。Fireにとってページがめくれないなんてことは許さざるポイントである。めくれないなんてことがあっていいのか! これはもう最低条件でしょうもん! Fireも他のAndroid端末と同様、足を絡ませることなくレースを終了することはできないのである。走れば必ずどこかで足がひっかかる、そんなランナーなのだ。この点ではAppleのiPadに完全に負けている。これ、早急になんとかしてほしいです!
あとは、ホームボタン。電源いれてすぐが本棚なのは素晴らしい。が、他のページやコンテンツをうろついている時にすぐさまホーム(メイン本棚)に戻ってくる方法がないのだ。あることはあるのだが、スクリーンの真ん中をタップしてホームボタンを出現させてからタッチ。これでも悪くはないのだが、たいていの場合ページをめくるみたいな誤動作をしてしまう。これがもし1クリック/タッチで戻ることができたらかなり便利なはず。
Fire買うべき?
もしすでにプライム会員でそれを楽しんでいるならば、絶対買うべき! その楽しみがさらに何倍も味わえる。iPadほど賢くはないけれど、それでもプライム会員の楽しさは十分味わえる。今までで最高のAndroid搭載の端末であるのは間違いない。米Gizmodoの定めるGizRankは(5点満点中)4点だ!
スペック
値段:199ドル(約1万5000円)
スクリーン:7インチ IPS, 1024x600
プロセッサ:1 GHz dual-core
容量:8 GB internal, 5 GB of free Amazon cloud storage (expandable)
Wi-Fi:802.11b/g/n
RAM:512 MB
重さ:14.6 Ounces
大きさ:7.5" x 4.7" x 0.45"
バッテリー:読書等8時間/動画再生7.5時間
なんだかすごく良さげよ。
そうこ(Sam Biddle 米版)