次期Windowsはスマートフォンやタブレットで今人気のARMチップにも対応、PCオンリーのOS脱却です。
これは何を意味するのか?
PCでお馴染みのWindowsが省消費電力の小型コンピュータでもネイティブで動かせるようになる、ということですね。
具体的には現在数多くのスマートフォンで使われているARMチップを搭載したマシンで、例えばタブレットとか、もっと小さな形のものだけど、ARMチップのお陰でバッテリーは丸1日もつ、というわけです。
最新Androidタブレットなんかにも採用されているARMベースのチップ。これで新Windowsを走らせてみてどうなのか? 5日のCES基調講演でマイクロソフトはフルHD動画、Powerpoint、IEの妙技を例にとってデモしましたが、どれも問題なくできましたよ。ゲーム用にDirectX対応機能もフル装備する...とまで話してましたし、まあ、基本的にWindowsでやりたいことは何でもできます。チップが変わってもWindowsはWindowsですからね。単に従来より幅広い端末でWindowsが使える、ということで。
新タブレット、スライダー、PC代替端末で走らせみた感じどういう外観になるのかまでは発表でも明らかになりませんでした。今日(5日)のデモで使ったのはWindows 7のインターフェイスだったので...。これまでにないような新端末に乗るからには、新Windowsもこれとは違うUIになると思うんだけど...是非そうであって欲しいですね。発表では新Windowsに搭載確実な新機能、発売時期、新名称の説明もありませんでした。
今のWindowsアプリはモバイル化したWindowsでも使える?
うーん...Microsoftの口から説明はないんですけど、WindowsトップのDude Sinofskyさんは「 (今のWindowsが採用している)x86のプログラムがARMで動くことはまずない」と、なかなか不吉な発言をしております。
今のプログラムを動かすにはMicrosoftも「仮想化やそういったもの」は使わないだろう、ということですね。何故なら低消費電力のARMチップはそういう作業には向いてないから。マイクロソフトがデモで使ったアプリ「Office」はARM用に再コンパイルしたものでした。つまり、Microsoftに今のx86互換のプログラムをARM対応Windows対応にできる秘策があるのかもしれませんし、ないとすればみんな一から新バージョン買い直し。2つにひとつですね。あと端末も新OS入れてそのままでは動かないので、メーカーさんも新ドライバの投入が必要になりますね。
旧Windowsは消えてしまう?
いえいえ。AMDベースのチップでも動くようになる、というだけで、従来のインテルのx86のチップでAMD同様に動きますよ。 ブランディングからUI、機能まで、旧Windowsとどう差別化を図るのか? それはまだ分かりません。Microsoftも今回の発表は単に、ARMのチップでもWindowsが現時点で既に動くことを示す「技術デモ」だという点を強調してましたからね。
タブレットはWindows Phone OSじゃなくなる?
ということになりますかね。Microsoftの哲学は「小さなスクリーンはWindows Phone、こっちのスクリーンはWindows 7」というものですから、これからマイクロソフトが出す携帯より大きな画面を持つタブレットはじめ各種製品は従来と同じくWindows搭載機になるでしょう。逆の言い方をすると、これからのWindowsはPCオンリーじゃない、ということ。それが具体的に何を意味するかまでは、まだ判然としませんけどね。
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matt buchanan(原文/satomi)