WindowsからMacに移行するのが不安な人は、WindowsをOS Xで仮想化する方法をトライしてみては如何でしょう? どれも快適に使えますよ。ここではMacを買ったもののWinが置き去りになってるみなさまのために、自分ぴったりのものを探す方法をご説明しましょう。
Macの仮想化ソフトは主に3つ。どれもコアのところは似通ってます。要はバーチャルマシンを作るんですね、つまり自分のマシンに別のコンピュータのソフトウェアを実装する、ということ。
このバーチャルマシンにWindowsをインストールすると、 Windowsは「なんかどっかのPCのハードにインストールされたな」と認識するんですが、そのハードが実はソフトウェアでできているんです。Windowsがハードのコンポーネントと思い込んでリクエストを送ると、そのリクエストはMac本体のリアルのハードに転送される、というわけですねー。
ともあれ! どの人気仮想化アプリも水面下で起こっていることは概念的には似てますが、インストール、動作、WindowsをOS Xの中に統合する方法は大きく異なります。いざ仮想化アプリを試すことに決めたら、選ぶのはVMWare Fusion 3? Parallels 5? Sun VirtualBox?
みんな違うんですが、面白いことに対象ユーザーが微妙に異なるので直接競合はしてないんですよ。さて、みなさんにピッタリのソリューションはどれかな?
• OS XでWindows 7を動かしたい。それ以外の組み合わせは特に考えていない?
• Windowsアプリを視覚的&動作的にあたかもOS Xの一部のように使いたい?
• バーチャルマシンはOS Xにほぼ完璧に統合化されるべきだと考えている。それ専用のウィンドウの中だけで操作するんじゃなく。
• バーチャルマシンで3Dゲームをしたい?
Parallels 5!
有料のソリューションです。フル仮想化スイートですが、OS XからLinuxや他のOSも起動できます。Windows 7を可能な限りシームレスに動かすところに純粋に力を入れた製品ですね。
インストールも手間要らず。いったん設定が終わって起動すると分かるんですが、OS Xっぽいテーマになってるんですよ。だから、Windowsモード(アプリ同様、OS専用のウィンドウに切り離されています)の時でも違和感なくOSが使えます。また、いわゆる「クリスタル」モードでOS X内にWindowsアプリのウィンドウを開いたり、Apple OSにWindowsメニューを統合できるので、ネイティブのアプリを使ってないことも、ほぼ分かんない感じです。
Parallelsの強さは、Windows統合化をシームレスにする部分の徹底ぶり。
Windows 7はAeroのお陰でシステム全体に透けて見えるエフェクトがかかってますよね。あれもParallelsなら、入れてすぐ使えます。MacBooks向けにOS Xのマルチタッチのタッチパッドでジェスチャーを使いたいと思ったら、これも簡単にオプションのメニューでオンにできます。Boot Campのパーティションからインストレーションを引っ張ってくる作業もウィザードを一巡するだけでOK。ファイルやクリップボードしたアイテムのOS間の共有も本当に簡単ですよ。
DirectXサポートも充分間に合う感じで、ミッドレンジのゲームもパフォーマンスを大幅に落とさずにプレイできますよ。まるでマジック!(BioShockやCrysisといったゲームも使えることは使えますが、iMacの最上機種じゃない人は大幅スローダウンでイラつきそう。Macでゲームを本気でやりたい人はBoot Camp使ってWindowsをネイティブでインストールした方がいいですね)
ParallelsのWindowsのパワーは他の追随を許さないほどですが、代償もあります。まずお値段80ドルなこと。それからVMWareに比べ、Windows統合化以外の機能はアプライアンス ―他のOS(Linuxの亜種など)をインストールするプレコンフィギュアしたパッケージ― もあまり揃っていません。安定性の問題もあります。僕もテスト中に何回もバーチャルマシン全体を閉じなきゃいけなくなったんですが、問題をトリガーしてる要因は特定できませんでした。IEとSafariをシームレスに行き来してると思えば、次の瞬間には長ったらしいバーチャルマシン再起動のルーティーン、という具合。
なので、そうですね、これ無しで生きていけないWindowsアプリが沢山ある人、かなり最近のゲームを別のパーティションから起動しないで遊びたい人には値段なりの価値はありますよ。
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• Windowsは絶対落ちないパフォーマンスが必要
• WindowsとLinux両方のアプリをOS Xの一部のように使いたい
VMWare Fusion 3!
VMWareの仮想化ソフトは信頼性の高いオプションです。WindowsをOS Xに統合する部分はかなり良く出来ていますが、Parallelsほどには美的統一感がないかも。
ゲームのパフォーマンスはParallelsほど強くないです。2Dのレンダリング--Windows 7のAeroなど--はFusionの方が他のソリューションより若干処理がスムーズ。 Parallels同様、FusionもWindowsのインストールのプロセスはある程度自動化しており、Boot Campインストレーションのインポートもかなり簡単です。VMWareは働き者。馬力ありますよ。クロスプラットフォームのサイトのテストでも、MS OfficeのWIndowsバージョンを走らせるのでも、WindowsオンリーのZune HDみたいな端末とのシンクでも、なんでもこい。どんなタスクでも期待を裏切りません。
プリコンフィギュアされてるアプリは膨大なライブラリが揃ってます。文字通り、これまで名前聞いたことあるOSなら(無料で出回ってるものなら)どれでも、ファイルをダウンロードしてダブルクリックする程度で簡単にトライできます。気になるお値段80ドル。
VMware Fusion 3• Windowsのエミュレーションが要る
• 仮想化ソフトに一銭も払いたくない
• ゲームは激しく使う予定なし
• OSXへのWindowsの統合化が多少荒削りでも気にしない
Sun VirtualBox!
こちらは無料。
Windowsのライセンスもう持ってる人は余分な出費一切出さずに、OS Xで使えますよ。VMWareやParallelsと比べ、インストールの手間も目くじら立てるほど大変じゃないですね(Windows 7インストール手順はここ=英語)。
DirectXサポートはParallelsにもFusionにも敵いませんから、ゲームは理論上やれることになってはいますけど、やってもたぶん時間の無駄でしょう。「シームレス」モードというのがあって、これを使うとWindowsのデスクトップを最小化し、WindowsアプリをネイティブのOS Xアプリのように使うこともできますが、これもParallelsやFusionのに比べちゃうとシームレスさ、仮想統合化は今一歩。
でも無料ですから。「動かしたいWindowsアプリが少しある」、「仮想化試してコンフィギュアしてみたいだけ」、「Windows対応オンリーの周辺機器にアクセスしたいだけ」という人は、このVirtualBoxで充分ですよ。
有料ソフトの洗練度はないけど、だって考えてみたら、OSを仮想化するんですから。どの仮想化ソフトだって仮想化ソフトである以上、完璧とはいかないのです。Windowsアプリを走らせたり、別のOS起動するという意味では、VirtualBoxでParallelsやVMWareでできることの85%はできます。それも0%のコストで。
注目して損はないソフト。
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John Herrman(原文/satomi)