さて、あなたの欲しいレンズは?
最近デジ一眼を買ったみなさーん、写真撮るの楽しんでますかー? パシャパシャやるのも一息ついて、次の課題はレ・ン・ズ。
レンズ交換ってどうなの? どんなレンズがあるの? どういう時どれを使ったらいいの? 値段も高いなぁ。とまぁ、???だらけの人いると思います。このエントリーで初心者レンズガイド、写真つきでお届けします!
初めに、米GIZMODOのWilson記者が周りの専門家達(Canon、Nikon、Sigma)に電話で意見を聞いてみたところ、返ってきたアドバイスはどこもほぼ同じで「カメラ、写真に興味があるなら、ポートレートレンズ(ノーマルレンズ)の後は、望遠レンズの購入をオススメする」とのこと。
望遠レンズがどんな特徴を持ったレンズなんでしょうか。っと、ご紹介する前にまず焦点距離とF値など、レンズを選ぶのに必要なことから見ていきましょう!
【レンズの種類】レンズを選ぶのに重要なもの、焦点距離とF値です。この2つでレンズのスペックは表されます。この2つのうち、たいがい焦点距離によってレンズはカテゴリー分けされています。
焦点距離とは、レンズとピント面の距離のことでミリを使って表します。(被写体がどのくらい近くにみえるか)30-50mmが人間の目とほぼ同じです。遠くのものをアップで大きく撮ることのできる望遠(超望遠)レンズは500mmくらいまで。広範囲を撮ることのできる広角(超広角)レンズは10mmくらいまで。(魚眼レンズになるとさらに距離が短くなる。)
ズームレンズとはこの焦点距離を変えることができるレンズということです。キットレンズなら18mmから55mmの焦点距離までカバーできるということ。1つ注意点。
初級のデジタル一眼レフカメラとプロ仕様の35mmフルサイズデジタル一眼レフカメラとでは、イメージセンサーのサイズ規格が違うため、2通りのレンズが生産されています。レンズ購入の際は注意です。
基本的にどのレンズも初級デジ一眼では問題ないですが、初級レンズ(Nikon DX、Canon EF-S、Sony DT、Pentax DA、Sigma DC、Tamron Di II)はプロ仕様カメラでは使えません。
逆にプロレンズは初級カメラでも使えますけど、注意が必要です。もし、初級デジ一眼カメラユーザーがプロレンズを使う場合は、焦点距離を表示の約1.5倍にして考えるってのを忘れずに。50mmのプロレンズは75mmの初級レンズだと思ってください。
F値とは、どれくらい光を通すかをコントロールする絞りの大きさを表すものです。絞りを開けると(F値の数字が小さい場合)はより光がたくさん入ってきます。室内とかの撮影には嬉しいですね。絞りを絞ると(F値の数字が大きい)と光はあまりはいってきません。また、このF値は被写界深度にも関係してきます。が、今はそこは置いておきましょう。レンズでいうF値(レンズにスペックとして表記してあるもの)は絞り全開(F値の数字最小)にした開放F値です。つまり、最大でどれくらい光を通せるレンズですよって書いてあるんですね。
明るいレンズっていう場合は表示のF値の小さいものってことなので、絞りのF値と入ってくる量って反比例の関係になっているんです。ちょっと最初はややこしいですかね。
【キットレンズ】デジ一眼を購入した時にセットで買った人、多いのではないでしょうか?
その時についてくるキットレンズ、たいていは18-55mmというレンズがついてきたと思います。お財布にもうれしいキットレンズ。デジ一眼始めるにはまずここからです。デジ一眼これから購入する方は是非セットで。
まずカメラとレンズを別々に買うよりも断然安い。さらに多くの専門家も初級、中級くらいにはこの18-55mmレンズで十分カバーできると言ってます。このレンズはワイドアングルショット、また遠くからのズームインも可能。
下の写真4枚を見てください。いずれも米GIZMODOのWilson記者によって18-55mmレンズで撮られたものです。
アップからズーム。近くのものから遠くのもの。望遠、広角、ポートレートから、マクロまで。今から以下にでてくるレンズ達の性質の一部はこの18-55mmでカバーできるのです。
でもやはり、写真というのはレンズが大きく関係してます。カメラ本体そのものよりもレンズなのです。キットレンズだけでは、見えない世界があります。
【望遠レンズ(Telephoto Zoom)】望遠レンズは上に上げたとおり、遠くのものをアップで大きく撮ることができます。アップでとるので、撮れる範囲は狭くなります。
Sigmaの技術者Dave Metzさんによると、多くの初心者デジ一眼ユーザーは、月とか、動物園の動物とか、子供のサッカーの試合などの写真を主に撮りたくなるそうなので、望遠レンズを購入するのをオススメしているそうです。キットレンズではがんばっても55mmまでしか焦点距離がのびませんので。
だから、多くのメーカーは55-200mmくらいの比較的良心的な値段の望遠レンズを売りにだしているのですね。だいたい望遠レンズは$120から$250(約1万2千円から2万5千円くらい)で購入できます。
下に望遠レンズで撮影された画をご紹介。
【Lindsay Silverman(Nikon)、Wilson Rothman(Nikon)、Robert O'Toole(Sigma)、Stephen Lang(Sigma)】
その他のも、18-200mmくらいの望遠レンズもありますね、お値段は$350から$600(約3万5千円から6万円くらい)
これがあると2つのレンズを持ち歩かなくっていいですね。ただし、望遠レンズの注意点として、撮れる範囲が狭くなるってことと、遠くのものをズームで撮るわけですから画の中の遠近感が少なくなるってのがあります。
もし、もっともっともーーっと遠くのものを撮りたいんだ! という方がいましたら、SigmaのDaveさんとNikonのマーケティングのSteve Heinerさん両者ともに70-300mmのレンズをオススメしています。
Sigmaモデルは$200以下(約2万円以下)Nikonの最近のモデルは$500以下(約5万円以下)しかも手ぶれ補正つき、で販売してます。
他にも$130から$850くらい(約1万3千円から8万5千円くらい)の間でF値の違ういろんな種類(f/4.0-5.6とかf/4.5-5.6とか)がありますよ。でも、プロ仕様レンズなので、初級デジ一眼には1.5倍のルール忘れずに。この場合はさらに望遠されるってことですね。
【ノーマルレンズ(ポートレートレンズとも言われる)】50mmレンズのこと。これは、機材ではなくシンプルに写真そのものを勉強したい人にオススメです。(私も、心からオススメします。)
なぜノーマルレンズと呼ばれるのでしょう? NikonのSteveさんによれば「50年代、60年代はレンズと言えばこれしかなかった。」からだそうです。お値段も$100から$250(約1万円から2万5千円)と比較的安めです。
ズームイン、ズームアウトができないので不便と感じる反面、自分自身が動いてフレーミングを調整したり、焦点距離が固定なので、絞りや露光時間の調整をして違う種類の画を撮ったり(絞り調整で被写界深度で遠近感等を表現したり、露光時間で被写体の動きを表現したり)と、とにかく勉強するのにむいてます。
ポートレートレンズ言われるのは、50mmは人の目が見るものに近いことから、顔が歪むことなくキレイにとれるのでポートレート撮影に多く使われるからです。
下にノーマルレンズで撮影した画を。
【Wilson Rothman(Canon)、Joe DiMaggio(Sigma)、Joe DiMaggio(Sigma)、Lindsay Silverman(Nikon)】
値段はちょっとあがりますけど、同じ50mmでもF値違いで他の種類もあります。(f/1.8とかf/1.4とか)でも、30mmや35mmレンズもいいかもしれませんね。ノーマルよりちょっとスペシャル。
さて、キットレンズ、望遠レンズ、ノーマルレンズときましたが、最初のカメラについてきたキットレンズに2つレンズを増やしても、出費はまぁまぁでしょう。3万円から5万円ってとこでしょうか。これで満足していただけたら結構です。
でも、もしまだまだ欲しい! って人にあと2つのレンズをオススメします。
【超広角レンズ(ULTRA-WIDE ANGLE ZOOM)】広角レンズは35mmより短いものと定義されてます、さらに24mmより短いともう超広角っていいます。 みんな大好き広角レンズです。
ここでは広角すっ飛ばして超広角の18mmレンズをご紹介します。
例えば、部屋の隅っこから部屋の写真をとったら、おおよそ部屋の全てがフレームにはいります。じゃあ、もし隅っこにいなかったら? そうなんですね。人間欲深いものでもっともっと! ってなるのです。望遠レンズも同じように超望遠レンズがありますから。
ただこの超広角レンズ、お値段がね。
Amazonのディスカウント済みでも、Nikonが$809(約8万9千円)Canon$730くらい(約7万3千円)TamronとSigma(CanonとNikonに対応)が $500以下(約5万円以下)とちょっと高い。
なんでこんなに高いのよ? その質問にSigmaのDaveさんが答えてくれました。
「フィルムは平面だからどの角度からの光もおおよそ全て記録することができる。けどカメラセンサーのピクセルは真ん中がくぼんでいる。だからサイドから入ってくる光をキャッチするのが難しいんです。例えば水槽と考えたら分かりやすいかも。上から水を入れる分には簡単だけど、横からホースで狙いを付けて水をいれるのは水が飛び散って難しい。そこをクリアするレンズとなると、結果的に値段が高くなってしまうのです。」
だそうです。納得ですね。(なんだか、みなさんとても親切にWilson記者の質問に答えてくれたようで、一瞬レンズの話よりそっちに心を奪われてました。)
値段の問題はありますけど、どの専門家達も超広角レンズ(10-24mm、10-22mm、10-20mm)は写真をさらに楽しめるレンズとオススメしてます。ただ、これらのレンズはプロ仕様なものがほとんどなので、上記に上げた1.5倍のルール忘れずに!
下に超広角レンズで撮影した画を。
【Stephen Lang(Sigma)、David FitzSimmons(Sigma0、Carol Polich(Sigma)、Joe DiMaggio(Sigma)】
【マクロレンズ】さて、最後はマクロレンズ。
スーパークローズアップの写真を撮るためですね。お花とか虫とかの写真でよく見ると思います。CanonのマーケティングのLisette Rangaさん曰く「マクロレンズで撮った写真を見せると、たいていの人は何コレーー!ってかなりびっくりしますね。実際にビューファインダー越しに被写体をみるとみんな納得するんですけどね。なんでみんな花とか虫のクローズアップをあんなに撮りたがるのかはわかりません。かくいう自分もクローズアップに病み付きの1人なんですけど。」
また、あんあまり近づきたくない蠍とか蛇とかのために、離れたところからでもスーパークローズアップがとれる望遠マクロレンズもあります。
下にマクロレンズで撮影した画を。
【Canon 60mm Macro sample、Canon 60mm Macro sample、David FitzSimmons(Sigma)、Lindsay Silverman(Nikon)】
多くのマクロレンズはF値固定です。だいたいf/2.8。(たまにf/2.5)Sigmaは5種類販売してます。50mm、$300(約3万円)から180mm、$900(約9万円)それとめずらしくいくつかはマクロのズームレンズ、24-70mm、$570(約5万7千円)とちょっと高額ですが、CanonやNikonのレンズだと$1,000(約10万円)超えていきますからね。
べつに、花や虫や蠍以外でも、ちょっと違うポートレート撮影にもつかっていいと思いますよ。アイディア次第。
さて、最後の2つを欲しいものリストに加えるとかなり高額になりますね。たくさんのレンズに、それをつくるたくさんのメーカー。値段もまちまちですが、その値段の差にはレンズのよしあしの理由があります。
写真はレンズが命! レンズで写真がもっと楽しくなるといいですね。
もちろん本当は腕も大事。レンズとカメラの楽しさで写真の腕も磨いていこうー! オーーッ!
【おまけ】長いエントリーのくせに、さらに最後にちょこっとオマケを。
CanonとNikonは手ぶれ補正つきレンズのプロモーションをしてます。両社のデジ一眼には、Sony、Pentax、Olympusとは違ってカメラ内に手ぶれ補正機能がないんです。
CanonやNikonのレンズは評判もよくって人気ですが、ちょっと高いってのもあります
手ぶれ補正が最近話題になってるので、その点も考慮して、自分がもってるカメラと欲しいレンズを相談してみてください。
CanonとNikonのカメラに手ぶれ補正がついてないのはデジタル世代前からの技術に理由があるようです。
Canonユーザーは、EFとEF-Sの表記に要注意!
主にデジ一眼用にデザインされているEF-Sレンズは、プロ仕様のカメラでは使えないので注意。EF-Sレンズを普段使ってるカメラでEFレンズを使用する時は1.5倍のルール忘れずに!
Nikonユーザーは、AF-SとDXの表記に注意!
AF-S表記のレンズはD40、D60、D3000、D5000では使えます。
DXと書いてないレンズを初級のデジ一眼で使う時は1.5倍のルール忘れずに!
Wilson Rothman(原文/そうこ)