ペンライトみたいでキレイだけど…。
これは、今のアメリカ社会の姿を映しだしている写真かもしれません。これが、オバマ大統領の就任パーティーであろうと、Radioheadのコンサートだろうと、皆デジカメでユニークなショットを撮ることに必死になっています。自分のデジカメに記録を残すことに取りつかれているようですが、それってそんなに価値があるのかな?
これは、最近よく感じることなのですが、人々は何かを実際に目撃しているという事よりも、その瞬間を写真に残すことに興味があるようです。この写真に写っている人たちは、目の前にいる新しいアメリカの大統領夫妻を液晶ディスプレーごしにばっかり見てるんです。
もちろん、彼らは撮った写真をFacebookにアップしたりするんだろうけど、考えてみれば家に帰る頃には100以上の似たような写真や、もっと出来の良い写真がFlickrにあがってるのは明らかなんですよね。きっと、他の人が撮った写真なんか関係なくて、その瞬間に自分も立ち会ったっていうことを証明したり、自分しか撮れなかったベストショットを撮りたいとか、それぞれの想いがあるんだろうけど…。
私は、この就任パーティーには行きませんでしたが、今年の夏にRadioheadのコンサートに行った時に同じ現象が起こりました。私の席はけっこう前列の方だったのに初めの数曲の間は、ほとんど全員がデジカメを頭の上に構えていたので、バンドの姿は辛うじて見える状態でした。彼らは、ショー自体を楽しんでるんじゃなくて、写真を撮ったり、ビデオが手ぶれしないように固定する事に気を留めているように感じられました。
幸いなことに、しばらくすると皆カメラをしまい込み、コンサートに集中してくれました。でも、コンサートが始まったっていう1曲目にかんじるワクワク感や、盛り上がりを最初の数曲の間はカメラの波で台無しにされてしまい、本当にすごい残念。
記念に写真を何枚か撮るのはいいけど、素晴らしい瞬間に立ち会う時にはカメラに気持ちをもってかれちゃうのは、もったいない!個人的には、その場の熱気、言葉、雰囲気を感じて、じっくり味わうのが、生でイベントに参加した時の醍醐味な気がするから。
Adam Frucci(原文/junjun )
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UPDATE : 間違いを修正しました。ご指摘のコメントありがとうございます!