正直、名前の連呼をうるさく思う人が増えている選挙カー。
ただ、選挙カー関係の経費は、上限があるものの公費から支払われている。つまりもとをたどれば、僕らの税金。“ただでさえうるさい選挙カーなんだから、せめて税金は使わないでくれ!”って思う人も多いかもしれない。
そこで、この先選挙に出るかもしれないみなさんのために、選挙カーを安く作る方法を調べた。
「選挙カーのサイズやつけられる物など、公職選挙法でとても細かい取り決めがあります。これをしっかりと守れば、候補者と支援者で手作りすることも可能です」
そう話したのは、2~3年前に選挙カーを自分たちで作ったという議員。以下が、実際にこの議員が作ったときの方法と手順だ。
1. 自分の車を選挙に使う。もしくは知人の車を借りる。大きめのワゴン車がスタンダード。
2. 屋根に、スキーが趣味の知り合いから借りたキャリーを取り付ける。選挙戦が冬場なら、サーフィン好きにあたってみる。
3. 知り合いの大工さんに頼んで、キャリーのサイズを測ってもらい、取りつけられる看板の骨組みを作ってもらう。車の上に乗せずに作る。
4. 骨組みの四方を、大工さんのとこにある余ったベニヤ板で囲んで固定する。
5. ホームセンターで買ったペンキを、ベニヤ板に塗りたくる。
6. 周りの中で字を一番キレイに書ける人に、候補者の名前を書いてもらう。
これで看板部分は完成。
7. 近所の人たちと力を合わせて、看板部分を車の上(キャリー)に取り付ける。
8. 知り合いの電器屋からスピーカーを格安で借りて、看板に取り付けてもらう。スピーカーは車に固定させないと違反になるので、配線ができる人が必要になる。
これで完成。
あとは審査に通って、承認されたことを示す札を貼れば、この選挙カーで選挙戦を戦える。
ちなみにその審査のときは、まだ公示前。個人名が書かれた選挙カーを走らせると、選挙運動とみなされちゃうから、審査場所への行き来で看板を隠すことが必要。だからシートでもなんでも、物置から引っ張り出すとか、知り合いから借りるなどして、用意しておきたい。
「これで実際、スピーカーを借りたときの3万円程度で作れました。協力してくれた方々の好意で、作業でのお金がほとんどかからなかったので」
材料費と手間賃をかけなければ、安く作れちゃう選挙カー。
まあ、選挙カーを走らせたときの燃料代なども、公費が使われているわけだけど。
(イチカワ)