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    • 2ちゃんねる管理人が控訴 山本氏との名誉毀損訴訟で

ひろゆき氏、控訴審では代理人を立てる

 「切込隊長」として知られている会社役員山本一郎氏(34)に関する巨大匿名掲示板2ちゃんねる上の書き込みについて、東京地裁が名誉毀損を認定し、2ちゃんねるの管理人・西村博之氏(31)に対して損害賠償責任を認めた裁判で、西村氏が東京高裁に控訴していたことがわかった。かつて“盟友”とされた2人の闘いは控訴審の場に移されることになった。

 控訴状は2月25日付。趣旨としては、1)一審判決の中で、西村氏の敗訴部分を取り消す、2)山本氏の請求を棄却する、3)訴訟費用は、一審、二審を通じて、山本氏の負担とする─など、「判決の全部に不服」として控訴した、としている。具体的な理由については、「追って準備書面を提出する」としている。

 また、2月28日付の「控訴委任状」によると、西村氏は代理人として弁護士4人を立てている。西村氏が代理人を立てて、2審を争うのは珍しい。

 期日は未定。

 裁判の争点は、(1)山本氏に関する、2ちゃんねるの「投資一般」板に書かれた内容が名誉毀損にあたるのか、(2)西村氏が損害賠償義務を負うか、(3)書き込みの削除請求が妥当か、(4)名誉毀損の防御策として、「山本一郎」や「切込隊長」の文字があるスレッドを作らせるなとの要求が正当かどうか、など。

 一審判決は2月18日にあった。それによると、主文は、1)西村氏は山本氏に80万円の損害賠償を支払え、2)書き込みの一部を削除せよ、3)その他の請求は棄却、4)訴訟費用は、5分の2が西村氏、5分の3が山本氏、5)1)の損害賠償については仮執行ができる──というものだった。

 理由としては、「スレッドを潰すための自作自演」「企画を立てただけで何もせず数百万円を持ち逃げした」「ハゲ」「キチガイ」──などは名誉毀損を認めた。その上で、訴状が届いたときまでに削除したと西村氏が主張するが、その証拠がないとして、損害賠償責任を負う、とした。

 しかし、「山本一郎」や「切込隊長」といった文字列を含んだスレッドを立たせないようにする請求、については、「表現行為に対する規制として過度なものと言わざるを得ない」などとして認めなかった。

 この裁判では一審判決後に両者がどのような態度に出るのかも注目の1つだった。山本氏は07年9月3日の証人尋問後の記者の質問に、「結果がどうなろうと、高裁に行くのでは?」と答えていた。結果はその通りになった。また、裁判には消極的に見えた西村氏側が控訴し、さらに代理人を立てたことで、西村氏側がこの裁判に積極的な姿勢を見せているのではないか。