【特集】チェ・ジョンヒョプにいっそう沼る「偶然かな。」初恋がもたらす成長で新たな魅力披露

「初恋が特別なのは、人生に一度きりだからだ」。

劇中にもそう登場するように、特別で大切な、でも甘酸っぱくて切ない感情を呼び起こす＜初恋＞をテーマにした韓国ドラマ「偶然かな。」がディズニープラス スターにて配信中。

日本のドラマ「Eye Love You」で大人気となったチェ・ジョンヒョプと、「恋するアプリLove Alarm」や「無駄なウソ-誰にも言えない秘密-」などで知られInstagramフォロワー数1,300万人超えを誇るキム・ソヒョンが主演とあって早くも話題を呼んでいる。

10年ぶりに偶然再会し、初恋の記憶と向き合う29歳の主人公たちを演じる2人のケミストリーは胸キュン必至で、見れば見るほど愛おしく、また、躊躇していたはずのあと一歩を踏み出す勇気も与えてくれる。

チェ・ジョンヒョプの新たな魅力開花！
答えのない初恋に奮闘する

大人気ウェブトゥーンを原作にした本作は、高校時代の不器用な初恋から10年後、29歳になった2人が偶然に再会し、新たなロマンスを紡いでいくラブストーリー。

チェ・ジョンヒョプが演じるカン・フヨンは、アメリカに本社を構える資産運用会社「ロックアセット」で働くやり手のファイナンシャルプランナー。出張のため10年ぶりに帰ってきた韓国で、キム・ソヒョン演じる高校の同級生イ・ホンジュと再会する。

ホンジュは、フヨンの初恋だった。だが、高校時代、ホンジュがキラキラとした瞳で見つめながら渡していたラブレターは、実は彼女の親友キム・ヘジから託されたもの。消極的なヘジに代わって、ホンジュが何度も何度もフヨンにアプローチしていたのだ。

そんな2人の10年ぶりの再会は感動的とはいえず、ホンジュ曰く、当時のフヨンの印象は「無表情の薄情者で、人間味のない、頭でっかちの子どものような男」という身も蓋もないもの。

確かにフヨンはどんな難問もすらすらと解答できるゆえ、ちょっぴり傲慢で、人生を退屈でつまらないものと決めつけていた節がある。

ところが、初恋の答えだけは導くことができなかった。奔放で自分を飾らないホンジュの言動はいつでも思いがけなく、予測が立たず、フヨンの感情を揺り動かすからだ。

ホンジュを見ていると、いつの間にか微笑んでいるフヨン。その笑顔を見られたくないのか照れたように顔を背けるような仕草や、ふとした表情・目線に届かぬ想いの切なさと寂しさを自然かつ繊細にのせることができるのが、チェ・ジョンヒョプだ。一度素直な感情があふれ出れば、とろけるような満開の“クリーミースマイル”も見せてくれる。初恋がもたらす、このギャップこそ今作の大きな見どころ。

また、エリートらしいビジネススーツに身を包んだ姿から、高校時代の制服姿、同窓会にウキウキを隠せずに洋服を選ぶ姿、遊園地ではしゃぐ姿、さらにはレアな韓服姿まで披露する。

「僕のことは好きですか」とド直球だった「Eye Love You」のテオや、「わかっていても」の“ジャガイモくん”ことドヒョクのような、人なつこいキャラクターで人気を集めてきた彼だが、今回のカン・フヨンが見せる多彩な感情表現と不器用な姿は新鮮で、余計に愛おしくなるはずだ。

カン・フヨンが唯一解けない難問＝
イ・ホンジュの恋の痛み？

そんなチェ・ジョンヒョプと息の合った演技を見せるキム・ソヒョンもキュート。彼女がホンジュのように天真爛漫な高校生を演じているのも久しぶりだ。

だが、ホンジュの初恋相手はフヨンではなかった…。フヨンと再会してまもなく、ホンジュもまた初恋の相手であり、3年前に深く傷つけられて別れた新進気鋭の作家バン・ジュノ（ユン・ジオン）と再会する。

「初恋は冷凍食品と同じ」。初恋の記憶を封印し、その存在すら忘れて生きていくことはできる。でも、一度“解凍”してしまったら「初恋の賞味期限」は切れてしまう。フヨンの場合はもう“溶け始めて”しまっていた。

偶然に同じカフェで出会ったり、偶然に10年前と同じバス停で姿を見かけたり、叔父の家の間借り人だったり、働くビルが隣同士だったり…。偶然もこれだけ重なれば必然、もはや運命である。

その上、寝落ちしたホンジュの頬をそっと支えたり、無造作に髪を束ねる仕草にときめいたり…など、これまでのロマコメでも繰り返されてきた定番“キュン”シーンの連続は、恋を信じられなくなった主人公の2人を新しい恋へと導く、一番効果的な法則なのかも。

そして、初恋の痛手ですっかり恋愛に醒めてしまったホンジュも、2人だけの空間ではフヨンの優しさにドキドキし始めている。記憶の中の印象が少しずつ変わっていくときめきは、恋を加速させるものだ。

ただ、ホンジュが抱えている痛みはかなり根深そうである。簡単には癒えない痛みに耐えながら、彼女は自身の夢とどう向き合うのか。29歳という節目だからこそ、ホンジュの選択も気になるものとなっている。

ホンジュの前に再び現れ、翻弄するバン・ジュノを演じるのは、「恋するイエカツ」「明日」などに出演、キム・ソヒョン主演の「無駄なウソ」でも重要な役を担ったユン・ジオン。フヨンとの三角関係の行方は、ひと筋縄ではいかないだろう。

また、ホンジュの親友でフヨンが初恋の相手、現在は母校オボク高校で英語教師をしているキム・ヘジを演じるのは、4人組K-POPグループ「SISTAR」出身で、「復讐のカルテット」「コクドゥの季節」などに出演してきたキム・ダソム。

生真面目で一本気な同僚の体育教師ソン・ギョンテク（ファン・ソンビン）と微笑ましいセカンドカップルとなりそうな予感がする。

加えて、フヨンの叔父であり、ホンジュの大家で親友（？）、「ロックアセット」韓国支社長のペク・ウクを演じるチェ・デチョル（「ゴールデンスプーン」）の芸達者ぶりも見ものだ。

ホンジュとヘジの友人で、「今度は黙って消えるな」と親友フヨンに釘を刺すクォン・サンピルには、「ヒエラルキー」でも特に印象深かったイ・ウォンジョン。

そして、主人公の2人にとって最大の難問となりそうなのが、フヨンの母親であるペク・ドソン。「涙の女王」で人間味あふれるヒロインの叔母役を演じたキム・ジョンナンの登場も控えている。

ビョン・ウソクやナ・イヌら今年のブレイク俳優の共通項でもある高身長を持つチェ・ジョンヒョプが新たな魅力を見せ、見事なキャストアンサンブルに、上質なOSTが切ない想いの交差を彩れば、今作も「私の夫と結婚して」「涙の女王」「ソンジェ背負って走れ」といった大ヒット作品に続くことになるだろう。