「私に話す資格があるのか」 1歳で被爆した被団協幹部の葛藤と信念

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手代木慶
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 日本原水爆被害者団体協議会日本被団協)がノーベル平和賞を受賞した。事務局次長の和田征子さん(81)=横浜市鶴見区=は、被爆当時1歳。「私に話す資格があるのか」と悩んだ時期を乗り越え、語り継ぐ活動を続けてきた。

 今月10日、和田さんはノルウェーの首都オスロで開かれた授賞式に出席した。視線の先では、ともに核廃絶と被爆者への国家補償を訴えてきた代表委員の田中熙巳さん(92)が演説している。

 「自分たちが体験した悲惨な苦しみを二度と、世界中の誰にも味わわせてはならない」「私たちがやってきた運動を、次の世代のみなさんが、工夫して築いていくことを期待しています」

 和田さんら役員と推敲(すいこう)を重ねたスピーチは約20分。演説が終わると、列席者らは次々に立ち上がって拍手を送った。

 和田さんには、それが自発的なスタンディングオベーションに見えたという。「結成から68年、『日本被団協』が世界の言葉になってうれしい」

めざすのは「うそのない」語り

 被爆体験を語り継ぐ活動に半生を捧げてきた和田さんだが、長らくある葛藤を抱えてきた。

 「私の語りは借り物。話す資…

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