第7回ロシアのエリツィン大統領が求めた「G8」 93年、宮沢首相に書簡

有料記事外交文書2024

編集委員・藤田直央
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 1993年6月、日米欧の主要7カ国首脳会議G7サミット)の東京開催が迫る中、ロシアのエリツィン大統領が議長の宮沢喜一首相に対し、ロシアを加えたG8サミットとするよう求める書簡を送っていたことがわかった。26日に外務省が公開した外交記録に含まれていた。91年のソ連崩壊後、ロシア内の保守派を抑え改革を進めようとしていたエリツィン大統領の、G7と連携して足場を固めたいという思惑がにじむ。

 書簡は93年6月25日付で、「極秘 無期限」の印が押されている。

G8にするのは時期尚早との判断で…

 エリツィン大統領は東京サミ…

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この記事を書いた人
藤田直央
編集委員|政治・外交・憲法
専門・関心分野
日本の内政・外交、近現代史
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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2024年12月31日11時41分 投稿
    【視点】

    G7はもともと、1973年に起きたオイルショック後の世界経済の混乱に対処するために主要先進国が参集した枠組みであり、経済に主眼があった。 それが、次第に政治的な枠組みに変質していくことを促した、「影の主役」とも言うべき存在が、かつてのソ連、

    …続きを読む