【ぷらっとTOKYO】市街地で森林浴を楽しむ 西東京・旧田無市エリア
武蔵野台地の中央部に位置する東京都西東京市の旧田無市エリアには、市街地にありながら森林浴が楽しめる東京大の教育研究施設「田無演習林」がある。演習林と周辺の街を歩いた。(共同通信=鈴木賢)

西武新宿線田無駅から北に15分ほど歩くと、演習林のうっそうとした森が見えてくる。一般開放されている見学路に入った途端、樹上からさまざまな野鳥のさえずりが降り注ぎ、まるで即興で奏でられる音楽のように聞こえた。

1929年、旧東京帝大農学部の「田無苗圃」として創設された演習林は総面積8・3ヘクタール。東京ドーム約1・7個分の広大な敷地には、アカマツやコナラなどが茂り、武蔵野の雑木林の面影を今にとどめる。葉の形がユニークな外国産のマツやポプラ、メタセコイアなど多種多様な木々の観察も楽しい。

見学路の所要時間は30分~1時間。「毎日のように訪れる方もいます。平たんで疲れにくいので気軽に森林浴を楽しんでください」と演習林職員の小幡理恵さん。澄み切った空気を存分に吸い込み、リフレッシュした。
南へ10分ほど歩いて、鎌倉時代(13世紀)に創建された田無神社を参拝する。五竜神を祭り、古くから信仰を集めてきた神社の境内は清涼な雰囲気に満ちている。本殿・拝殿の見事な竜の彫刻を鑑賞し、手を合わせた。


新青梅街道を西へ向かい「スカイタワー西東京」へ。周辺に高層建築物が無いため、どこからでも見える孤高のタワーは高さ195メートル。89年に完成し、防災行政無線やコミュニティーFMなどに共同利用されている多目的電波塔で、街のランドマーク「田無タワー」と呼ばれて親しまれる。

全方位にアンテナを取り付けられるように八角形の構造をしたタワーは近未来的なデザイン。内部は一般公開されておらず展望台はないが、ようやくたどり着いて仰ぎ見ると、先端部は天まで届きそうだった。
【メモ】田無演習林の見学路は原則、平日の午前9時~午後4時半に無料で開放している。








