日本語環境
Debianのetchでの日本語環境設定について記します。皆さんの設定の参考にしてください。(他の非西欧言語を使う際にも参考になるでしょう。)
細かいコマンド自体の説明はここではしないので、manpageを参考にしてください。
日本語環境のみによらず多言語環境をスムーズ設定・利用するには、Debian 4.0 (etch)以降では必ずUTF-8のエンコーディング使うロケールを選ぶようにしてください。
日本語環境に必要なパッケージ
以下に日本語環境整備に必要とされるパーケージをリストします。(日本語以外は言語環境taskを参考に探してください。)
- 日本語入力
- ibus系を選んだ場合に導入するパッケージ(私はこれを使ってます)
- im-configパッケージを導入
- ibus-mozcと自動的に導入されるパッケージを導入 (ibus-anthyより使いやすい)
- Xに再ログイン
- ibusの設定GUIでMOZCを選択する
- 起動はCTRL-SPACE
- 日本語フォント
- fonts-ipafont
- ttf-vlgothic
毛筆フォントはちょっと導入が難しい。毛筆日本語フォント を参照
- ibus系を選んだ場合に導入するパッケージ(私はこれを使ってます)
- 日本語メッセージ
- manpages-ja
- manpages-ja-dev
- openoffice.org-help-ja
- openoffice.org-l10n-ja
- iceweasel-l10n-ja
- (firefox-locale-ja is old and should be removed)
- kde-i18n-ja (KDEを導入した際のみ必要)
- 日本語でのドキュメンテーション
- doc-linux-ja-text
- doc-linux-ja-html
- 日本語関連ツール
- lv
- nkf
- fbterm / jfbterm
localeとは
LANG環境変数にあたえ言語環境を定義する、localeですがxx_YY.ZZZZと言う構造なっていて以下の意味があります。
日本の言語地域はja_JPで、これだけだとデフォールトの昔の ja_JP.eucJPの意味になります。 米国(ある意味で一番標準でサポートが良い)の言語地域はen_USで、これだけだとデフォールトの昔の en_US.ISO8859-1の意味になります。
ちなみに日本に御縁のあるエンコードシステムですが:
UTF-8
eucJP
Shift-JIS
ISO-2022-JP
ISO-8859-1
ASCII
米国の主流、7ビット 単に LANG=C と設定
これらはうまく工夫されていて、ASCIIのコード範囲に収まる文字だったら上記どのエンコーディング体系でも同じです。
もしja_JP.UTF-8のlocaleをなんらかの理由でまだ作成設定してないなら
$ sudo dpkg-reconfigure locales
をして作成してください。これが無ければUTF-8の日本語環境は無理です。
言語関連の環境変数の設定
各種プログラムの挙動は言語関連の環境変数(LANGやLC_ALL等)への設定によって変わります。
ここで注意が必要なのは、一部のプログラムはPAM(Pluggable Authentication Modules)を使っているので、PAMでの環境変数設定が優先するということです。
標準日本語インストール(2006年11月現在のRC1の前のバージョンの情報)では、日本語でのインストールを選ぶとPAMがアクセスする/etc/environmentと/etc/defaults/localeというファイルともに
LANG="ja_JP.UTF-8"
という内容を定義していると思います。
Debianでの日本語入力設定
Debianでの日本語入力設定はim-configを用いるのが簡単です。ただ何もしなくとも、ibus-mozcと共に導入すれば、Xに再ログインすればOKです。
im-configコマンドは、コマンドがrootから実行されたかどうかで挙動が違います。
各プログラムとの連携
emacsの状況
- emacsは賢いのでいろんなエンコード体系に対応しています。それだけにその設定には気を付けてください。
- emacsはXやFEPなどの外部ソフトに頼らない独自の日本語入力インフラが色々あるようです。(eggなど。)
もしXIMを経由せずに日本語入力したい際には、emacsを立ち上げる際のXMODIFIERSの値を"none"としてやればいいということです。シェルからだと:
$ XMODIFIERS=none emacs
です。このようにDebianのmenuを触るのは、/usr/share/doc/menu/htmlの手順にしたがって/etc/menuにカスタマイズした定義を置いてください。