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言葉ではなく、気持ちを伝えよう―

■ソードアート・オンラインⅡ 第23話 「夢の始まり」

　SAOの世界では黒板にチョークを必要としないのね・・・

　というわけで、現実世界でのキリト達を仮想世界にいるユイちゃんが知覚出来るようにしたキリト製作の知覚デバイスが、病室から出ることが出来ないユウキちゃんの「学校に行きたい」というささやかな夢のために役立ったり、キリト達が通う学校の授業が、電子黒板やタブレット端末を使ったデジタルな授業形式だったりと、本作は近未来的な要素が強いという印象を改めて感じ取れたわけなのですが、肝心の内容は、“相手に向かって自分の真剣な気持ちをぶつける”というユウキちゃんから教わったことをアスナちゃんが実践しようとし、キリト達と一緒に通っている学校から転校したくないという自身の素直な思いを、転校を薦めてくる自身の母親・京子さんに告白していく中で、京子さんとの本音の会話からお互いの将来を在り方を見直すという「マザーズ・ロザリオ」編におけるアスナちゃんの成長の集大成が見られたであろう内容だったのではないでしょうかね。

　もちろん、アスナちゃんと京子さんがお互いに思っていることを告白し合い、問題を解決していく様は立派なことであり、素晴らしいことなのだと思うのですが、思いのほかあっさりとアスナちゃんと京子さんの軋轢が改善の道を辿ったというのは腑に落ちないところも感じられ、アスナちゃんが京子さんの意思によって転校されずに済んだ理由というものが掴みづらいというのが、自分が今回の内容で腑に落ちなかったと思わされた最大の要因となっているのだと思います。

　恐らく、京子さんがアスナちゃんを転校させなかった理由というのは、アスナちゃんがしっかりと自分の意思を持って将来のことを本気で考えているということを知ったことにより、アスナちゃんにとっては祖父母、自身にとっては父母のように、自分達が人生に疲れても帰ってこられる居場所があることの大切さに気づかされ、どんな時も頑張ってきた自身のように、アスナちゃんも自分の頑張りに付き合わせることはないと感じたからというのが大きいのでしょうけど、アスナちゃんの夢は転校によってキリト達と少々離れても実現出来ない夢ではないと思われるだけに、結局は“キリト達と一緒にいたい”というのがアスナちゃんにとっての本心だと自分は思ってしまうのですよ。

　あぁ、アスナちゃんが母親との軋轢を改善させようとし、再び笑顔が戻るという嬉しく思えるところもありながらも、腑に落ちにないことを色々と考えさせられる今回の内容は意外と奥深い内容だったなぁ・・・

　それにしても、アスナちゃんの問題が解決したとなると、今度気になってくるのはユウキちゃんの病状の深刻さについてということになってきますよね。

　アスナちゃん達の協力によって擬似的に学校に通うことが出来たり、以前住んでいた実家をもう一度見ることが出来たりと、ささやかな夢が実現出来た喜びと同時に、一つ一つ夢が叶うことによって心にぽっかりと穴が開いたかのような寂しいことをアスナちゃんに語りだすユウキちゃんの様子は、何とも言えない哀愁を漂わせていましたし、自らも生きられる時間は残り僅かと自覚しているようなユウキちゃんの本作における集大成というのは、やはり、誰もが予想しているであろう悲しくも温かな結末が待っているということ感じさせてくれるのではないでしょうかね。

　大丈夫、ユウキちゃんのことは以前からEDからある程度察してますから受け入れてますよ(+_+)

　次回、「マザーズ・ロザリオ」 です!

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Entry ⇒ 2014.12.14 ｜ Category ⇒ ソードアート・オンラインⅡ ｜ Comments (2) ｜ Trackbacks (21)