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治を為すは多言に在らず―

■ブラック・ブレット 第5話 「紅黒の暗殺者」

　人類にとっての脅威は、ガストレアではなく“人類”自身なのかもしれない・・・

　そんなわけで、人類にとっての脅威となっているガストレアとの戦闘よりも、蛭子や小比奈ちゃんといった力を持った人間同士による蓮太郎達の戦闘の方が面白いからこそ、本作を楽しめているということに気づき始めた昨今なのですが、ガストレアの出現によって滅ぼされかけている世界状況を利用しては、世界を牛耳ってしまおうと考えるような権力者や、己の私利私欲のために動こうとして蓮太郎達に牙を向けるようなずる賢い人間の方が、単純に人類を襲おうとするガストレアよりも危険な存在ですよね!!

　もちろん、聖天子が掲げている“「呪われた子供たち」と「奪われた世代」が共生・共存していけるような世界作りを実現させたい”という理想を実現させるためには、今回登場した独裁者とも呼ばれてもおかしくはない大阪エリアの統治者「斉武 宗玄」のような利己的な考え方を持つ存在や、世界各国の利権争いに屈するわけにはいかないという聖天子自身の“確固たる信念”が大切になってくるわけですが、聖天子が理想を実現させるためには、まずは“現実を知る”ということの方が大切になると思うんですよね。

　何故ならば、「呪われた子供たち」と「奪われた世代」との溝はかなり深く、両者が憎みあうような状況において、理想を掲げ、訴え続けていれば、いつかは全ての「呪われた子供たち」と「奪われた世代」が、お互いを許しあい、共生・共存出来る世界が訪れるといった聖天子の理想は、理想を実現させるための具体的なビジョンが欠けていますし、何はともあれ、水と油の状態で決して混ざり合うことのない両者に必要な“乳化剤”となるものが見つからなければ、聖天子の理想はいつまでたっても理想のままで終わってしまいますからね。

　まぁ、水と油に乳化剤を投入し、しっかりと混ぜる役目を果たすのは聖天子なんだろうけど、肝心の乳化剤の役目を果たすのは、恐らく、蓮太郎と延珠ちゃんのプロモーターイニシエーターの強い“絆”なんだろうなぁ(>_<)

　それにしても、今までシリアス展開ばかりが印象的だったから諦めていたんですけど、ここにきてギャグ展開が増えたというのはうれしいことですよね♪

　中でも、今回から新たな展開がスタートするに当たって鍵を握っていそうな凄腕のスナイパーな「呪われた子供たち」の金髪少女「ティナ・スプラウト」ちゃんの登場の仕方はニヤニヤせざるを得なく、スリッパにパジャマ姿で自転車に乗っていたところでチンピラの足を轢いて絡まれるという謎のシチュエーションは、考えれば考えるほど笑わされますし、蓮太郎の美味しい料理に有り付こうと空腹で蓮太郎の家を訪れた木更ちゃんと、、蓮太郎と同じ高校に通う少女で、蓮太郎達のような民警に武器を提供するパトロンである会社の社長令嬢「司馬 未織」ちゃんが、蓮太郎への好意からかなり危険なケンカとなって大暴れするといったドタバタなギャグ展開も、今までのシリアス展開があったからこそ、強烈な印象を残してくれたわけですからね!!

　あぁ、今回の展開は延珠ちゃんではなく、ティナちゃんの歪む顔でブルーになりそうな気がする(+_+)

　次回、「トラジック・アイロニー」 です!

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Entry ⇒ 2014.05.07 ｜ Category ⇒ ブラック・ブレット ｜ Comments (0) ｜ Trackbacks (15)