「朝バナナダイエット」なるものが大流行だという。
毎朝食をバナナと水だけにすれば、あとの2食は自由にしていても痩せられるというものだ。
テレビ番組がこのダイエット方法をとりあげたところ、スーパーなどではバナナの品切れが続いているそうだ。
こうしたニュースを聞くと、少し前の納豆ダイエットブームを思い出す。納豆を1日2パック食べて痩せるというもので、このときも納豆が品切れ状態となった。
一種類の食材を食べて減量する方法は「単品ダイエット」と呼ばれ、昔からいろいろな食材がとりあげられてきた。
たとえばりんごダイエット。3日間、りんごだけを食べるダイエットだ。パイナップルダイエットもある。これは3日間をパイナップルだけで過ごす方法、毎日一定量のパイナップルを食べながら普通の食事もとる方法など、いろいろなやり方があるようだ。
このほか、
卵ダイエット、こんにゃくダイエット、ヨーグルトダイエットなど。いずれも数日間あるいは一日のうち一食か二食それだけを食べ続けることで、摂取カロリーが減り減量効果が得られる。簡単かつすぐに効果があらわれるとあって、飛びつく人が多くブームにもなりやすいのだが、これらの単品ダイエットは長く続けられるものではないし、リバウンドもしやすい。
そもそも手っ取り早く楽して痩せようなどという、ものぐさな考えが肥満の一因と知るべきだ。
ダイエットに王道なし。
痩せたければ、これまでの生活習慣を見直し、減食と運動を組み合わせた地道な方法で気長に取り組むしかない。
とりわけ食事は重要だ。いくら汗をかいても高カロリーの食事を毎日たらふく食べていてはなかなか痩せることはできない。必要な栄養素を満たしつつも、いかにカロリーを抑えた献立にするか。ダイエットの成否はそこにかかっているといっても過言ではない。
もっとも簡単な方法は、低カロリーの食材でかさを増やし、全体のカロリーダウンをはかるやり方だ。
減塩食はすべての料理を薄味にすると満足感が得られないので、その場でしょうゆをかけるなど、しっかりと塩味の感じられるものを1品だけは入れておくといいと言われる。低カロリー献立もこれと同じで、低カロリーの食材の割合を多くしながらも、肉や穀類なども一定量入れるのがコツだ。これで物足りなさを補うと同時に、必要な栄養素も得られる。
また、きのこ類はノーカロリーながらボリュームがあり、栄養価も高い。根菜類も食べ応えがあり、腹にたまるので満腹感が得られやすい。こうした食材を積極的に使うのもひとつの方法だ。そしていろいろな食材を組み合わせること。これで飽きずに続けられる。
こうした食事は目に見えて減量効果が出てくるものではないが、体力を落とさず我慢せずに続けられるので回り道なようで結局は確実な方法だ。
私自身、かつては不規則な食事と仕事のストレスによるお菓子のドカ食いがやめられず、BMI(体重÷身長÷身長)が肥満域とされる25以上あった。それが家族の健康も考え、なるべく多種類の食材を組み合わせた食事を規則正しく食べるようにしたところ、標準値の22に落ち着いた。その数値に至るまでには数年を要したが、逆に言えば数年間続けられ、リバウンドもしていないのは、無理せず我慢せずの献立だったからではないかと思っている。
以下にあげるレシピはその一例である。いずれも簡単なものだが、ダイエットを目指す人はもとより、健康的な食生活を送りたい人にも参考にしていただけるのではないかと思う。
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キャベツの蒸し煮
私の田舎では油揚げと
キャベツで作る副菜だが、もう少しボリュームがあれば主菜になるのではと思い、油揚げを肉団子に替えてみた。ここでは
豚挽肉を使ったが、鳥の胸肉ならもっとカロリーが低くなる。ただし、ある程度、脂のある肉のほうが
キャベツにコクが加わりおいしくなる。
【材料】
・
豚挽肉 200グラム ・
卵 1個
・
キャベツ 1/2個
・長ねぎ 1/2本
・しょうが 一かけ
・砂糖 小さじ1/2
・塩 小さじ1/2
・しょうゆ 大さじ4
・酒 大さじ4
・ごま油
【作り方】
1.
キャベツはざく切り、長ねぎはみじん切り、しょうがはすりおろす
2.
豚挽肉に長ねぎ、しょうが、
卵、塩小さじ1/2、砂糖小さじ1/2を加え、粘りが出るまでよく混ぜる
3.ビニール袋に2を入れ、角を少し切る
4.フライパンにごま油を熱し、3から2の肉をすこしずつ絞り出しながら丸くまとめて焼く
5.肉に焼き色がついたら鍋に移す
6.5の鍋に
キャベツを入れ、酒としょうゆを入れたらふたをして弱火で加熱。キャベツがくったりしてきたら大きく鍋を返して全体に味をなじませる