Google主催のGoogleアドセンスセミナーに行ってきたのでその内容まとめ
先日・・・といっても1ヶ月ほど前の2010年2月16日ですが、Google主催(場所は渋谷にある日本オフィス)のGoogle AdSenseセミナーに行ってきたので、個人的に記録しておきたいことのみをピックアップしてまとめ。
主に「収益を上げるためのポイント」と「アカウント停止に関した注意事項」の2つを取り上げます。
セミナーの概要
セミナーの内容は以下のように3つのセッションと質疑応答からなり、セッションの間には20分間の休憩が設けられました。第1セッションは新規開設者向けセッションだったので、私は第2セッションから参加しました。
- 第1セッション:AdSenseのメリットと利用方法
- 第2セッション:AdSenseから効果的に収益を上げるには
- 第3セッション:オンラインリソースの活用とプログラムポリシーについて
- 質疑応答
セミナーが行われた場所では以下の4種類5つのブースが設けられており、セッション間にある休憩時間中に、そのブースに各人で立ち寄ることができました
- 最適化のご相談
- 新規開設のご相談A
- 新規開設のご相談B
- ヘルプセンター・プログラムポリシー
- YouTubeパートナープログラム
ここで、ブースの種類に応じた質問ができました。私は「ヘルプセンター・プログラムポリシー」のブースに立ち寄りました。そこでの詳細は後述します。
以下、各セッションとブースで聞いた内容のまとめ。
第2セッション:AdSenseから効果的に収益を上げるには
タイトルどおり、収益を向上させるための内容。すでにいくつかは自分の中でも知っている内容が多かったので、以下では、おさえておくべきポイントのみを記述します。
クリック率が高い場所は?
アドセンス掲載場所におけるクリック率に関しては以下のクリック率のヒートマップの画像参照。
見てのとおり、記事直下がベストで、次点が記事の周り、となる。
主要コンテンツの下のクリック率が高いのは、自然にユーザーが広告を認識するため(ユーザーの動線上にある)。
逆に、一番最初に目に付きそうに見えるページ最上部は効果が小さめ。
コンテンツから離れたところにある広告は総じて効果が小さいが、例えば効果が小さいフッター部分は、離脱ユーザーの目にとまる可能性があるので、ベストな配置の広告とは違った効果が期待できる可能性はある。
クリック率の高い広告ユニットの種類は?
「レクタングル大(336x280)」が最も効果が高く、普通のバナー広告比較で3倍程度のクリック率がある(「普通のバナー広告」が何なのかは非言及)。
次点が「ワイドスカイスクレイパー(160x600)」と「レクタングル中(300x250)」。
広告ユニットは大きい方がクリック率が高い傾向あり。
特に「レクタングル大」や「ワイドスカイスクレイパー」は全メディア(テキスト・画像・動画)の広告が掲載できるので広告主の競争が高く、収益が高くなる可能性が高い。そのため、ユニットにおける広告の形式は「テキスト及びイメージ広告」が推奨される。
広告のテキストカラーパターンはどうすればいいか
原則として、カラーパターンはサイトになじませるものにすること。そのうえで以下の点に留意する。
- 読みやすい色にする
- ページの背景色=広告の背景色
- 基本カラーは「OpenAir」(初期設定のカラーパターン)。
タイトル:青 / テキスト:黒 / URL:緑(これはGoogleの検索結果と同じ色である) - 定期的にカラー変更する。例:タイトルとURLのカラーを反転するだけでも効果あり(最大で15%弱クリック率向上の例あり)
- マルチパレットを使ってカラーパターンをローテーション(ランダムで設定済みの色をローテーション)させる
広告ユニットの枠線の有無は?
記事下に配置する広告には「枠線なし」のほうが効果が高い。枠線の有無で最大30%収益が違った例がある。
セクションターゲットタグを使用する
アドセンスはページ内容から自動的にマッチする広告を配信するが、以下のセクションターゲットタグを用いることでコンテンツと広告のマッチングの精度を上げられる可能性がある。
<!--google_ad_section_start--> <!--google_ad_section_end-->
「<!--google_ad_section_start-->」と「<!--google_ad_section_end-->」の間に主要コンテンツを挟む形で使用する。
休憩時間:各ブースにて質問(ヘルプセンター・プログラムポリシーについて)
広告を載せる際の注意点とアカウント停止に関して質問してきました。
広告を載せる場合の注意点
- 広告がコンテンツに溶け込んでしまうような場合(コンテンツと広告の区別がつきにくい場合)は線で区切る
- コンテンツと広告を明確に分ける
- 広告の見出しに「おすすめリンク」みたいなのはダメ(クリック誘導するような見出しや文言は使用不可)
アカウント停止に関して
- 警告なしの一発アカウント停止のようなことは、よほど悪質な場合でない限りはない
- 繰り返し警告を受けるような場合は停止に至る可能性あり
- 不正なトラフィックを金銭で購入するような場合は停止の可能性高し
- 悪意のあるクリックやページ表示には自動的にフィルタがかかる(例:F5連打や不審な連続クリックはシステム側で自動認識するらしい)
その他雑談的なもの
- アカウント停止に関しては、うわさが一人歩きしている部分はある、とのこと
- アドセンスは基本的にクリック報酬型広告だが、インプレッション広告もわずかながら存在する、とのこと
※インプレッション広告とは、クリック回数ではなく広告表示回数によって支払や報酬が決まるもの。
第3セッション:オンラインリソースの活用とプログラムポリシーについて
いわゆるオンラインヘルプの活用とアカウント停止につながる可能性のあるプログラムポリシー違反についてのお話。アカウント停止についてはやはり関心が高かった印象。
「3つのヘルプ」を活用する
オンラインにある以下のリソースを活用するべし。
- ヘルプセンター:基本的な質問、公式の回答あり。
- ヘルプフォーラム:2009年3月オープン。ユーザー同士による質問と回答。社員も参加することあり。投稿にはGoogleアカウント(無料)が必要。
- 公式ブログ「Inside AdSense」:新機能紹介、役立つアドバイスを掲載。
アカウント停止に抵触するような「やってはいけないこと」
その1:アクセス数の増やし方に関する注意
有料サーフィン・自動サーフィンはダメ。これはラーメン屋がさくらを雇うようなもの(人気があるように見せかけるのと同じ)である。
※具体的に「有料サーフィン」が何なのかまでは言及されませんでしたが、金銭を支払ってPVを引き上げてもらうような行為、だそうです。PVはサイトの人気の目安の1つですが、これを水増しして人気サイトだと誤認させるような行為はダメということ。
その2:コンテンツに関する注意
他の人気サイトのコピーはダメ。これはオリジナル性が乏しいため。
また、自分でミラーサイトを作るような行為も推奨されない。
※記憶がややあいまいですが、ミラーサイトの作成そのものがスパムである、という意味ではない。
その3:デザインに関する注意
広告の上に誤解を与えるような見出しをつけるのは不可。例えば「おすすめリンク」「お気に入りリンク」のようなものは広告なのかコンテンツなのか分からなくなるので不可。見出しは「広告」または「スポンサードリンク」を用いること。
画像と広告を関連付けるように見せるレイアウトは不可。画像とアドセンス広告の内容が明らかに一致していなくても不可。(以下の画像が例)
コンテンツと広告の見分けがつかないのは不可。区別不能になるほど、コンテンツと同じフォーマットにしない。(以下の画像が例)
その4:コンテンツボリュームと掲載位置に関する注意
コンテンツがアドセンスの下部においやられるようになっているのはダメ。これは、主要コンテンツに対してアドセンスの掲載ボリュームの方が比率が高すぎて、なおかつ記事が下に埋もれてしまっているような場合にあてはまる。
※アドセンスの広告ユニットを、主要コンテンツの上側に置いてはいけない、ということではない。
質疑応答
いくつかありましたが、前セッションに続き、アカウント停止関連についてのみピックアップします。
アダルトの線引きについて
「子どもに見せていいか、公共の場で見られるようなサイト」であるかがアダルトに該当するかの大まかな基準となる。
※質問者は「水着を掲載しているサイトが別サービスの審査にひっかかったことがある」ということでその質問に対する回答
「広告」「スポンサードリンク」の表記問題
アドセンスの見出しには「広告」または「スポンサードリンク」を使用してください、との回答。
ちなみに、以前ネットで話題になった「スポンサード」と「リンク」の間に半角スペースを入れないとダメなのか?という問題は、回答の様子からGoogleも認識しているようでした。明言はなかったですが、半角スペースの有無は気にしなくていいようです。
◆◆◆
アカウント停止に関しては「ユーザーの不利益になるようなことはするべからず」というのがGoogleの一貫していた考えでした。
これ以外にも、事前にWebで質問を受け付けていたものが回答されており、これは誰でも閲覧可能なので、気になる方は「Google AdSense セミナー 事前質問フォーム」(この日開催のセミナーに対するもの)を見てみるといいかも。
セミナーの雑感とかもらったものとか
ここからはおまけ。
今回セミナーに対応していた社員の方々は皆スーツでした。けっこう自由なイメージの強いGoogleなだけに、普通のことが意外なことに感じられたり。
ただ、アドセンスでビジネスをサポートしていきたい・生計を立てていきたい、という人にとって、こういう営業に近いような人たちがいるという事実を知ることは、けっこう安心感があるように感じられました。セミナー終了後のアンケート用紙に「弊社からアドセンスに関するご連絡を差し上げてもよろしいですか」という項目もありましたし、サポートに関しては今後それなりに期待できそうな感じでした。
それと、使われていたノートPCはThinkPadでした。サイズから察するにたぶんXシリーズ。IBMのロゴがあったような気がするのでX40あたりか?PC好きとしてはこういうところにどうしても目がいってしまうw
◆◆◆
セミナーでは以下のものをもらいました。
ノート・ボールペン・ストラップ
ノートの表紙は取り出せて見開きの冊子になっています。内容はAdSenseのTips。
資料。アドセンスの概要と導入事例が載っていました。事例は「ワーナー・マイカル・シネマズ」「ネタフル」「ワザップ!」の3つ。
アドセンスに関する書籍。これは休憩時間中に行ったブースでもらったものなので、全員がもらったわけではありません。他のブースなら別のものがもらえていたかも?
ちなみに市販されているものです。
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内容は、AdSenseの登録から各種機能の使い方の説明と、AdSenseの具体的な成功例について。今回のセミナー内容をこと細かく説明した書籍がこれ、という感じで、まだ使っていない初心者からすでに運用している中級者くらいにおすすめの内容と言えます。
ただ、登録から最初の設定までのフローは、以下のGIGAZINEの記事が古いながらも非常に役立つので、そちらのほうが参考になるかも。
◆Google AdSenseの始め方 その1「審査を突破する」 [GIGAZINE]
◆Google AdSenseの始め方 その2「広告を最適化する」 [GIGAZINE]
セミナーに参加するには?
アドセンスのセミナーは形式の違いはあるものの、ちょくちょく開催されているようです。Google社での開催はそれほど多くはなさそうにしても、オンラインチャットでの質問会みたいなものは家やオフィスにいながらでも参加できるので、気になる人は「AdSense セミナーのご案内」をまめにチェックするといいでしょう。
今回のGoogle社でのセミナーは参加定員60名でしたが、ほぼ満席でした。最終的に抽選になったかは不明ですが、参加できたのは運がよかったのかもしれません。
アボセンスの基準についてなど凄く参考になりました。
セミナーって案内がくるのでしょうか?
それとも自由に参加できるのでしょうか?
お時間がありましたら教えて下さい。
自分で以下のページを随時確認する必要があります。
◆AdSense セミナーのご案内
https://www.google.com/adsense/support/bin/answer.py?hl=jp&answer=22045
セミナーのほとんどは自宅から参加可能なオンラインでのものがメインで、
この記事のようにオフライン(一般会場)で開催されることはごくまれだと思われます。
私の場合は知人から誘われたのをきっかけに知ることとなりました。
参加に関してはAdSenseのアカウント(Googleアカウント)を持っていれば自由に参加可能です。