デジタル世界の魅力あるカスタマーエクスペリエンスに必要な4つのポイント
ウェブは今や重要なチャネルだ。ビジネスに関してはもちろんのこと、われわれが生活をしていくうえでも。人々は今までにないほど多くの情報をオンラインで得ており、そのデジタルデータの形式は多様になっている。さらにモバイルやソーシャルといった重要なチャネルが出てきたことにより、時と場所を選ばないインタラクティブなオンライン体験が、今や日常生活の一部となっている。
こうしたことを背景に、顧客も変わって来ている。彼らは、これまでにないほど多くの選択肢と大きな影響力をもっており、以前よりも強力にブランドとの関係をコントロールできるようになってきた。
こうした「顧客経験(カスタマーエクスペリエンス)革命」とも呼ばれる現象は、顧客にとってはすばらしいものである。しかしその一方、企業にとっては、顧客とのつながりや関わりという点で多くの課題を抱える原因にもなっている。
変化の激しいこの時代に企業が成功を収めるためには、魅力的なカスタマーエクスペリエンスの提供に注力することが不可欠になってきている。もちろん、ただカスタマーエクスペリエンスが良好であればいいわけではない。企業にとって価値のある、つまり売上や長期的な顧客ロイヤルティにつながる形でのカスタマーエクスペリエンスである必要がある。
では、本当に魅力あるデジタル世界のカスタマーエクスペリエンスというのは、どのようなものなのだろうか? オラクルのもつ調査データを参考に、4つのポイントを紹介する。
前後の行動と関連性のある体験
人を惹きつけるデジタル体験とは、その人の前後の行動と関連性のある体験だ。
だれに対しても同じ体験を提供することは、デジタルの世界では時代遅れであり、それで大きな効果をあげられる状況は多くはない。
顧客は、自分たちがどういう人間で、何を好み、どう行動し、そのブランドとこれまでどんな関係を築いてきたかを、企業に知って理解してもらいたいと望んでいるのだ。
そしてもちろん、理解するだけでなく、自分たちのニーズに関連性があり、そのニーズに合わせてパーソナライズされたオンライン体験を提供してもらうことも望んでいる。そうした体験によって、自分たちが企業に理解されていることを認識できるのだ。
より双方向性の高いオンライン体験
FacebookやTwitterのようなソーシャルネットワークの普及によって、顧客はより双方向性の高いオンライン体験に価値を求め始めており、そうした体験を期待するようになってきている。
サイト訪問者は、ウェブ上での企業活動に参加したり貢献したりしたいと思っているし、そうした体験をソーシャルネットワーク上で共有したいとも思っている。
そうしたユーザーに魅力のあるデジタルのカスタマーエクスペリエンスを提供するには、コメント、レビュー、ユーザーによる評価のような「ユーザー生成型のコンテンツ」を通じたソーシャル的な要素が盛り込まれたサイトでなければいけない時代なのだ。
魅力的なカスタマーエクスペリエンスにはモバイル体験が欠かせない
スマートフォンやタブレットの普及によって、デジタル世界における魅力的なカスタマーエクスペリエンスには、モバイル体験が欠かせない状況になりつつある。
ユーザーが以前にも増してモバイルから情報に接するようになっているいま、モバイル分野でもしっかりと対応しておくことが必要になっている。
おそらく、まずは既存のウェブコンテンツやサイトを再利用してフォーマットし直し、最適化することになるだろう。また、どんな種類のスマートフォンやタブレットからでも、いつでも、どこからでも、最適な形でアクセスできるカスタマーエクスペリエンスを実現するのが理想だ。
相互につながった一貫性のある体験
最後に示しておきたいのは、デジタル時代における魅力的なカスタマーエクスペリエンスとは、相互につながった一貫性のある体験であるべきだということだ。
ブランドとの関係を築く過程で、顧客は、サイトを閲覧したり、検索したり、購入したり、アカウント情報を入力したりすることになるだろう。また、そういったさまざまな種類のやり取りをサポートするために多様な技術が必要とされるだろう。
企業が目指すべきゴールは、シームレスにつながり合った一貫性のある「カスタマー・ジャーニー」を創り出すことにあるのだ。そのためには、カスタマーエクスペリエンスの提供に関わるさまざまな技術を統合し、一貫性のある体験を実現することが最も重要である。
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