もしもtoyota.jpを解析するなら(後半:カタログ請求フォーム編) [第2回]
誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
木曜9時は「かってに解析!」。ということで、新連載「有名サイト、かってに解析!」では、毎回1つの有名サイトを取り上げ、アクセス解析で実際に解析データを見る前に、あらかじめサイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。第1回に続いて、今回もトヨタ自動車のブランドサイトを取り上げる。
「TOYOTAブランドサイト」の閲覧シチュエーションを想定
前回に引き続きなので、最初に閲覧シチュエーションその他をおさらいしておこう。トヨタ自動車の「TOYOTAブランドサイト」は、トヨタ自動車が製造・販売しているさまざまな自動車の製品紹介を主に担っているWebサイトである。
なお、今回の記事は2010年11月10日時点の「TOYOTAブランドサイト」にもとづいて執筆しているが、2010年12月下旬にサイトを確認したところ、一部リニューアルが行われていた(図1)。大手企業の有名サイトの場合、そのときどきの主力商品にあわせて、サイト内容の変更が頻繁になされる傾向にある。こうした点が生のWebサイトを素材にして記事を書く際の難しい点でもあるのだが、指摘内容自体はいたって普遍的で、多くのサイトにも活かせるということを基準にピックアップした。今回指摘してあるポイントがどのように変更されているのか、あるいは変更されていないのかなどにも注目しながら見比べてみてほしい。
今回想定したサイト閲覧シチュエーション
今回は、次のようなシチュエーションを想定してサイトの課題を考えることにした。
誰が | 50歳代の男性 |
---|---|
何の目的で | 車の買い替え |
何をしに | カタログ請求 |
どこへ | トヨタ指名でトヨタサイトへ |
アクセス解析視点の仮想目標
上記の想定シチュエーションを、アクセス解析的に言い換えると以下のようになる。
- 参照元が検索エンジン
- 検索語が「トヨタ」
- ランディングページがTOYOTAブランドサイトのトップ
- コンバージョンページはカタログ請求完了ページ
前回は、検索エンジンからユーザーがやって来て、トップページをどう感じるかを分析した。今回は、主にそれ以降のページを分析する予定だ。上記のシナリオでサイトに訪問した人が遭遇するサイトの問題点を考えていこう。
「TOYOTAブランドサイト」をエキスパートレビュー!
今回想定したユーザーは、「Webサイトをくまなく見る」というよりも「紙のカタログでまず見たい」という人だ。
リニューアル前のトップページ(下の図2、2010年11月上旬時点)から「カタログ請求」にたどりつくには、まずトップページの右上方、写真の右側にある「ご購入サポート」のエリアに目が行く必要があった。比較的目に付きやすい場所にあるとはいえ、初めてサイトに来たユーザーが、この情報量の多いトップページから見つけるのは少し難儀かもしれない。「ご購入サポート」などのいくつかのタイトル文字は赤字で目立つのだが、ほとんどのテキストが同じ大きさで表示され、情報価値が等価にしか見えないからだ。
リニューアル後のトップページ(下の図3、2010年12月末時点)では、その点が改修されており、「目的から探す」の中に「車の購入をご検討中の方へ」のエリアがすぐ目に飛び込んでくるので、カタログを請求したいユーザーにとっては、見たいコンテンツはどこにあるのかを知るためには良くなったと言えよう。
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