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「子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 」を読んで

いきなり余談ですが、私普段スマホを見つめる生活はしてないはずなのに(だって、PCの前に座る生活だからね…)ここ数日左肩がこったのでiPhone6S Plusという鉄板を右手でつかうようにしたんですよ。そしたら右の背中がいたくなったんです…これはまさか。

(注:iPhone6s plusはとても良い端末で、重さ含めて後悔などはしていないのですが、ふと5sや奥さんの6と比べると、びっくりするほど重いですね。ちなみに次に体感で重いのは4Sだと思う。)

俺が歳なのか、iPhone6s plusが重すぎるのか。真相は定かではない。

さておき

タイトルの「子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由「21世紀型スキルで社会を生き抜く」 」という本を献本いただきました。

私には子供はいませんが、子供に対してプログラミングを教えるというのは身近さからとても興味がありますし、何回かそういった方面に協力させていただいたこともあります。

プログラミング教育(学習)は私の世代だと「Cが書ける、Javaがかける、じゃあどこに就職できんの?」という職業訓練でした。 本書の「プログラミング教育」はそうではなく、「プログラミングを通した、能力の教育」という話であり、個人的には「あーそういうのもあるよな〜」という気付きをもらえた気がします 。

具体的には…まあ買ってよんだってくださいよw*1

最初にオチ

完全に親御さん向けの内容で、自分の子にプログラミングの教育を施す意義がどんなものか、今ならどこで学ばせてみる事ができるか。そして国内外のプログラミング教育の流れやシーンを知る事ができます。

また、仮に前半がややこしかったり、自分にはフィットしなかったとおもったとしても、後半にはパソコンをつかって、タダで子供とビジュアルプログラミングをやってみるような章がありますので、知育玩具の説明書だとおもって読んでみるのもよいのではないでしょうか。(ちなみに、対象年齢は多分小学生〜中学生くらいです)

以下は個人的な感想です。

プログラミング教育を保護者はどのように受け止めるか

この本の目的はここらへんなんでしょうか、保護者から見て「なんじゃそれ、本当に意味あるんか」という方々に「こういう意味があるんだよ」と説明があります。

私はエンジニアなので「そうだよね」で終わるんですけど、きっと普通の保護者のみなさんには新しい視点なんでしょう(ただまあ「ふつう」の保護者がこういう本を買うのか?っておもったりもしますが、どうなのだろう)。そして、感化されたらどこに子供をつれてってみるのがよいか、というのが表になっていてニクいですねw

こんなにあるんだーってくらい、「塾」のリストがあるのですが、個人的にはいくつか試してみるといいんじゃないかなっておもいました。本の中にもあるんですけど、成果(?)ってコミュニティの差が大きいと思うんですよね。やっぱり気の合う人と切磋琢磨することが一番だし、仮に良い先生でも、先生とだけやりとりするのはもったいないので。*2

21世紀型スキルを養う

ワードだけみると、ヒネた自分は「なんじゃそれwwとっくに21世紀だしwww」って笑ってしまうんですけど、つまりは問題解決能力のことですね。

問題に対して「じゃあ、順番に分解してやっつけようか」みたいな行動をとれる訓練は重要ですね(このあたり、もっと詳しく書いてありますが、ITエンジニア的には「そうだよね」という感じだったので、写経せずに感想をいいづらい…読んでみてください)、絶対に人生で役立ちます。

そして現実はプログラミングだけではないので、やっぱりコミュニティとかで他人とコラボレーションしていくのも重要です。

本書では教えている方のインタビューがあるんですが、皆さん色々な目標があれど、どこも「プログラミング自体を教えるためではない」のを前にだしているのが印象的です。 スクールによって意識の位置は様々っぽいので、タテマエなのか、信念なのか、いまいちよくわからない(本の所為ではない)ですが。 たとえばDeNAの南場さんの試みのインタビューとかもあって*3このあたりは毛色を楽しむ事もできそうです。

ちなみに、公的にはプログラミング教育まだまだであり、この本の内容は先駆者の意見ですね。実際に全国の学校に落ちてくる時にはどうなることだろうか。

実際のところ、「プログラミング」なのか?

ところで、多くのスクールでは低学年にはビジュアルプログラミングが採用されているようです。

自分の中では賛否があるのですが、やはり「タブレットでビジュアルプログラミングってマジかよ」とおもってしまいますね。

プログラミングは間違えずに文字を入力するハイスキルが必要なので、その解決策なのはわかります。ただ、それをとばしてまで先にif文とかfor文を覚えるのはどれくらい価値があることなのだろうか。キーボード入力が早いほうが色々と良いのではないのだろうか。

つまりは読み書き終わってからでもいいんじゃないのか…?キーボードはオワコン、という未来にむけているのだとすればスゴイ事ですが…。

でも、10年やそこらでスマホで全部済む時代は来ない気がしていて*4、やっぱりPC使えた方がよいのでは。

勿論ビジュアルプログラミングにも賛成できる所もあります。今の子供は、どれくらい何かができると達成感を得られるのかなと思っていて、私の時代は文字がだせたら達成感だったんだけど、今じゃ想像力の豊かな子でもないと多分達成感得られないよね。そこで昨今のビジュアルプログラミングではすぐに絵とか音がだせるから、楽に得られそう。

あと、ビジュアルプログラミングは使えるパーツがみえるので、問題の解法の自由度に制限がかかるというのは、最初の思考の補助輪としては良い気はしています。

とはいえ、ツールは大きな問題ではないのではないか

詰め込んでわかるようなものではないからです。カリキュラムが硬直だと、多分英語教育みたいになります。(どちらも語学教育だ)

なので、前のセリフをひっくり返すようですが、何のツールをつかうかは関係ないとおもいます。

今あるようなスクールはどこもマジでしょうから、きっと良い先生が多いのではなかろうか。

将来、学校教育の場合、先生がちゃんと揃うのかなー?それだけが疑問ですね。まあ、完璧なんてないんですけど。

英会話みたいに、ホンモノをつれてきて…みたいなのも多分むずかしい気がします(あれも効果があるのか怪しいし)。

「プログラミング教育に強い学校!」とかできたりするんだろうか、「メディアなんとか」って名前がつきそうだけどw

ところで、ITエンジニア育成なのか?

まだまだ始まってない学校でのプログラミング教育ですけど、ITエンジニアの育成目的も大きな目標とのこと。

ただ、世の中にITエンジニアが足りない足りないっていうけどどうなんでしょうね。生産性が低かったり、労働集約型のやり方だからじゃないの?って思う事もあります。 若い人は減ってるし、人海戦術でスケールする時代でもないし。「21世紀型スキル」が鍛えられてればいいんですけど、そんな人がITエンジニアになるのかな…。

そもそも、「教育」でエンジニアが増えるのかは個人的には疑問なんですよね、みんな学校で習った英語をしゃべれないし。 さらにいえば、たとえば10年先に手続き型のプログラミングが先端なのか?という疑問もあります。*5

「現場として」足りないのは「出来るITエンジニア」な気がしていて、そういう人は学校の「プログラミング教育」で増えるのだろうか…?*6

そう言う意味では、受け入れる側の現場側からすると、プログラミング教育に変な期待はしないようにしております。

良い事だとはおもいますよ!なにせプログラミングやったことがある人とない人ではコモンセンスが全然違いますからね。あらたな教養だといわれたら、とてもよい!しかし本当にITエンジニアが効果的に増える施策なのかこれ?とはおもったりしてます。

プログラミングをすると、大人の世界にも混ざれる?

書籍の中で、プログラミングの世界では大人と子供の差がない、飛び込める、という話があったのですが、これは個人的に賛否両論あります。 特に「若いのにスゴイ!」って拾い上げて、現役になっちゃうケースは結構な危うさがある気がします…が、まあどうなのかな、昭和の感覚なのかな。

世の中の大人は良い人だけではないんで*7、色々な理由で「もはや息苦しい、生きていけない!」人ならともかく、一部の能力だけで人生を飛び級させるのは結構な苦労があると思います。

かくいう私がかなり若い頃に仕事をはじめたんで、余計にそうおもうんですけど…青春は取り戻せないんですよね!!私はエンジニアになりたすぎて*8学校をドロップアウトしました。結果として学歴を粗末にしてしまい、たまーーーに不便です。今後も不便かもしれません。

個人的な感想として、20年くらいたつと「なんだ〜先走った差なんてなくなったな」ってかんじ。今や今後はまたは違うのかもしれませんけど、「ここしか生きる所がない」みたいな視野の狭さになるかもしれません。

コラボレーションや、シェアに親しむ事について

これはドンドンやるべきでしょう。一つ前と言ってる事が変わるようですが、知らない大人ともウマくコラボしていく能力は重要。人と人がやっていくというのはプロトコル(礼儀等)も知らないといけないし。

あと、シェア。シェアって既存のシステム(著作権とか)や立場と結構ぶつかりやすい。

現在、プログラミング(のコード)は、そこらへんが考慮されてたり、つかいやすかったりするので。一般的な著作権、(賛美するかはさておき)各種OSSのライセンスや、Creative Commonsみたいなものの一連のライセンスとかを教えるとよさそう。まあ気軽さがぬけちゃうかもしれませんが。

今後の若い人はライセンスをちゃんと考えるネイティブになってほしいですね、アナーキストみたいになってほしくはない。それは誰もが通る若さですけど「こんな不便なのやってられるか!」とおもっても、21世紀型スキルで「変えてやる!」と思って欲しいです。

ま、とにかく

なんか本と関係がない床屋議論みたいな文章書いちゃいましたけど、自分の業界には関係がありそうなので、気になりますよね。

最初の感想の通りではありますが、「今後わけわかんない授業が増えそう、どんな意義があるの?」あるいは「英語同様に、早めに教育していきたい」という親御さんには良いかもしれません。(多少、内容が専門的過ぎる気もしますが)

後半はビジュアルプログラミングをやってみる例が結構のっていて、タダでwできる知育玩具の説明書だとおもえば子供と遊ぶのには十分役立つ気がします!

強いて言って、具体的な授業風景がもうちょっと想像できると良い気がしましたが、まあこれは各スクールで特色あるでしょうから、むずかしいかな。

さて、いつか全ての子供に「プログラミング教育」が施されていくのはまちがいなさそうで、そういった人達が私の身近に現れるのは10年先でしょうか

そのときまで、待っているのもいいし、あるいはかかわっていったりするのもいいし、まあ色々やっていけるかなと思っています

ということで、読み終わったこの本は小さいお子さんがいらっしゃるご家庭に差し上げます…とおもったんだけど、私の知り合いの親御さんは大体エンジニアですね!!(子供が望むなら)もう英才教育してそう!欲しい人がいたらFBかなんかで御連絡を。

こちらからは以上です。

*1:こういうので本の内容全部書いちゃうのってどうなのか

*2:ただ、やっぱ地域の差ってのはありますね…渋谷、横浜、それくらいの地方都市なら色々あるけど…

*3:帯(?)にもなってる

*4:これはハードウェアというより、AppleやGoogleの方針ですが

*5:そして10年後にジョインする若者が魅力的な業界だって見てくれるか怪しい所がある。(冗談でも)IT業界 is ブラックみたいなのがあるし、教育もそうだけど彼らがでてくるまでに業界をまともにする方が現役の勤めという感じもある。

*6:私塾的な、スクールならきっと効果的に増える気はします、親が通わせたいとおもうかはわからんけどw

*7:むしろ、エンジニア界隈には空気をよまない、あんまり教育上よろしくない人も多い

*8:というか、金を稼ぎはじめてしまったので