つなぽんのブログ

生物学者♀のたまごつなぽんのポスドク日記。

女性研究者のワークライフバランス ~私、トップ研究者は諦めようかな…~

私はなんとなくダラダラと研究を続けていたら博士課程まで来て学位をとってしまった口なのですが、

流石にここまで研究を続けると、「この分野でトップを取ってやるぜ!」という気持ちも湧いてくるわけですよ。

最近になって漸く、研究のやり方みたいなものが自分の中で出来上がってきたような気もするし、実験もうまくなってきた気がするのです。

バリバリ実験して、良い結果出して、結果をいい雑誌にのせて〜〜なんて、どんどん欲が出てきたのを自分でも感じるのですが。

 

が。

 

女性って、妊娠、出産っていうライフイベントがあるんですよね〜。

実は今の彼と付き合うまではあまり結婚とか出産を現実のものとして捉えてなかったというか、「いつかするのかな?」程度に思っていた私なのですが。

年齢的なこともあって真剣に結婚出産について考えてみると、ふと気づいたんですよ。

あれ…これこのまま研究してたら絶対子育て無理じゃねぇ?

と。

 

実験系生命科学者の労働時間(つなぽんの場合)

本当に人によると思うのですが

私の一日の研究室滞在時間は大体12~3時間程度です(通常時、食事休憩含む)。

家と研究室との往復が計1時間、睡眠時間は長めで一日7~8時間程度、

残りの3~4時間を入浴、洗濯、掃除と、ブログを書くなどの余暇に当てています。

土曜日もこんな感じで、日曜日だけ6時間くらいラボに滞在して残りは寝ています。

 

別にこれは研究室の中で特別ハードというわけでも無くて、

うちの研究室の他の助教さんなどのスタッフ(私以外は全員男性です)も大体こんなものです。(子持ちの方は日曜は休んでいらっしゃいますが)

たぶんもっとハードなラボも有ります。

 

でもこれ、私が一人暮らしだったり、子持ちのスタッフさんにはお子さんの面倒を見てくれる奥様がいらっしゃるから成り立つわけですよ。

こんな一日12時間ラボにいてしかも休日も仕事しているような人の子供、保育園だって見てくれるわけ無いですよね?

そんなことしたら保育士さんが一日13時間とか働かなきゃいけなくなって、日曜日も出勤になって、過労死しちゃいます!

 

 

世の女性研究者はどのようにワークライフバランスをとっているのか?

そこで、昨日のエントリーでもご紹介した東大のアンケートを見てみます。

検索結果

調査対象は、東京大学で働く女性教育スタッフ(教授、准教授、助教、ポスドクなど)で、任期の有無や年齢、学科の区別なく集計したものです。

つまり生命科学系だけでなく、人文科学や教育、物理や工学、数学など幅広い分野の女性スタッフから結果を得たものです。

 

まずこちらの図を御覧ください。

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東京大学女性研究者アンケート 調査結果報告書 11/34ページ。図37の情報を元につなぽんが編集しました。

配偶者(パートナー)については、「いる」 と回答したのは 209 名(59.0%)であり、その うち、「別居」は 46 名(22.1%)であった。

え。。。別居とか嫌なんですけど。

というか別居するくらいなら結婚しないほうが気楽でいいや。。。(^ω^;

22%って高くないっすかね?別居率。

 

ちなみに次のページにはこんなことが書いてありました(12/34ページ目)。

子どもが「いる」と回答したのは、119 名(33.7%)であった。子どもの人数は、1 人が最も多く 57.6%であり、次いで 2 人(38.1%)であった。また、子どもの年齢としては、0~3 歳未満の割合が、 子どもを持つ研究者の 31.1%と最も高かった。 

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(図39,40の情報を元に作製)

 え、待って。私子供2人くらい欲しいんですけど。。つまり、東大の女性教員/研究員のうち子供を2人持てる人は約13%なわけですね?

この数字はどうなのかな?まだ若い特任研究員も含まれているだろうから、これからお子さんを産む人も居るだろうけど。でもちょっと少ないような。。。

 

 

育休取得については

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(図44を参考に円グラフにまとめた。)

育休取得なし70.6%…

ひー。産休はとったのだろうか。。。流石にとったよね(^ω^;

出産して一ヶ月位で復帰したのかな。。。ひー。無理。。。

 

 

ここでまとめを見てみましょう(11/34ページ目)。

〈ライフ関連項目の概要と考察〉

東大の女性研究者の約 6 割は配偶者がいて、その半数以上が研究者同士のカップルであった。

また、 配偶者と別居中が 2 割を超えており、一般的に研究者夫婦の同居割合が低いという状況は、東大の女性研究者にも言える。

子どものいる研究者は 3 分の 1 で、そのうち半数以上は子どもの人数が 1 人で あった。また、子どもの年齢が就学前である研究者の割合が高いことが明らかとなった。

育児休業の 取得率は全体的に低く、さらに職位が高くなるほど取得率は低い傾向が見られる。ここ数年は育児休業を取得する若い女性研究者が増えているのではないかと考えられる。しかし、育児休業を取得した 場合にも半年以内で復帰した者が多い。

行政、民間、事業所内などの保育園の定期利用だけでなく、 親族による保育やベビーシッターも定期的に利用しながら早急に復帰している女性研究者の実態が窺えた。

1 日の時間配分では、研究・教育時間の占める割合が最も高く、研究・教育以外の業務と合わ せると、平均して 11~12 時間程度は仕事をしていると考えられる。余暇・趣味時間も 2 時間程度は 確保し、6~7 時間の睡眠時間は取れている研究者が半数を超えていた。一方で睡眠時間が 4 時間以下 と回答した研究者もおり、健康が心配される。

「ワーク・ライフ・バランス」については、半数の研究者が取れていると考えていることが明らかとなった。

 

…(^ω^;;)

それ、ワークライフバランス取れてるんですかね。。。

あの。私、東大の研究者とかにならなくていいっす。全然普通でいいっす。もう一生ポスドクでいいっす。 それとも他の大学行っても同じですか?

なら私マジで。。。マジでテクニシャンでいいので。

もうすこし子どもと旦那と居たいっす。

 

 

男性研究者は女性研究者に比べて家事や育児に割く時間が短い

内閣府にも参考になりそうなデータが有ったのでこちらも確認してみましょう。

平成17年版男女共同参画白書|内閣府男女共同参画局

 

この白書には、男性/女性研究者が育児や家事に費やす時間についてのデータが載っていましたよ。

そうそう、こういうデータも見たかったんです。

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男女共同参画白書(概要版)平成27年版 第11図より編集して作製

http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h17/gaiyou/html/zuhyo/G_11.html

 

元データでは、より細かい時間に区切ってありましたが、差が見やすいように2時間以下、2時間以上に分けて表示させてもらいました。(元データへはリンクから行ってください)

これを見ると、男性研究者が家事に割く時間は2時間以下が多数なのに対し、女性研究者は2時間以上家事に費やしていることがわかります。

男性研究者は、他の家族が家事をしてくれているんでしょうね。一方、女性研究者は研究をしながら、家事や育児、介護においても(多分)中心的役割を担っているのではないかと推察されます。

 

スーパーウーマンかよ。

私、家事も育児も研究もなんて、そんな器用なことできる気がしないんですが。

 

ちょっと研究者の高みを目指すのはやめとこうかしら…(^ω^;

私、結婚するからには旦那さんと一緒に暮らしたいし、

子供は二人くらい欲しいし、

育児だって出来る限りしたいです。

 

もし自分に子供ができたら、

保育園や幼稚園で友達はたくさん作って欲しいし、

自分が働いているところを子供に見て欲しいという希望が私にはあるので、

専業主婦になりたいとは今のところ思っていないのですが。

 

でも、フル稼働しないと論文を出せず、次の就職先を見つけられない今の環境だと、

結婚して子供を作ることは考えられないな、というのが私の今の気持ちです。

 

うまくライフワークバランスの折り合いを就けられる研究テーマを探すことが、

今後数年間の私の目標になるかなーと思っています。

 

うーん、いつまで続けられるのかなぁ。

せめて今は、全力で頑張ろう!授業も子育てもない今が、一番研究に取り組める時期かも知れないから。