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なぜか「けいおん!」の原作者は空気なのだけど



「けいおん!」は原作の大半を一期で使い切っているので、二期ではオリジナルが多いことが懸念されていたが、予想通り、ダラダラしたつまらない回が結構ある。
原作に基づいて製作された一期は、四コマをベースにしているから、短い間隔でオチが来るメリハリがあって、そこに面白さがあるのだけど、二期はシナリオライターがお話を書いているので、オチがないダラダラになってしまっている。

日常系と呼ばれる作品の特徴は、たとえばライバルがいないことだ。
普通の物語では、主人公に対してライバルが立てられ、そのライバルとの対比で主人公のキャラクターや物語があったりする。
日常系では、主人公達しか出て来ない。
ライバルに勝利するという「目的」がない。
物語性が欠如しているので、コメディしかないのである。
そして、そういう世界観だからこそ、かなり力をいれてオチを作り続ける必要があるのだ。

「けいおん!」二期が安易に製作されたのは、四コマをなめているというのもあると思う。
四コマは簡単だと思われがちだが、「オチ」をたくさん考える作業は難しいはずである。
「けいおん!」二期は、担当するシナリオライターにもよるのだが、四コマ的なオチがまったく作れていない酷い回が結構ある。
物語の軸がない”日常系”でオチのない話をやってしまうと、ダラダラにしかならない。
これはシナリオライターの力不足の問題だけでなく、オチをたくさん作るという作業の難しさの問題だ。

一番悪いのは「けいおん!」の原作者のかきふらいかもしれない。
自分の作品を丸投げしたのは酷いと思う。
「あずまんが大王」のあずまきよひこのストイックさとは対極である。
あるいは「けいおん!」の場合、作者が空気で、キャラが一人歩きしているようなイメージである。
そこが人気の秘密なのかもしれない。
「俺がけいおんを育てた」と思っている大手サイトの人は結構いそうだ。
かきふらいがバッシングされてないのは、そのあたりが理由だと思う。
作者が不在なのだ。
みんなで「けいおん!」を育成したみたいな空気になっている。
だが、そういうのは、影響力のある大手に褒めて貰いたいというマーケティング的な発想から来る誤認だ。
(もちろん大手に褒められるかどうかで売り上げに影響はあるとしても)。
実際に二期を見れば、シナリオライターに作らせたお話がつまらないのは明らかである。
原作者のかきふらいが描くからこそ「けいおん!」はあるのだ。
もしくは、シナリオライターに書かせるなら、それこそ一つの回を作るのに五人使うくらいの体制が必要だった。
(いや、文字通り五人使えというわけではないが、それくらいのエネルギーを投入していれば、かきふらいの原作がなくても、一期と同等の面白さが作れたかもしれない)。
普通のアニメの感覚でシナリオライターに投げたら、ダラダラとマラソンをやるようなお話が出てきても無理はないと思う。 このエントリーをはてなブックマークに追加
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