忙しくて朝食や昼食を抜く人、残業で遅くなって夕飯を適当に済ませてしまう人は少なくないだろう。健康な生活を送るために必要な栄養をいつでも手軽に補えるグミ「COMPグミ(コンプグミ)」が、2017年7月11日に発売された。グミ1袋で200キロカロリーが摂取できるうえ、糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素をバランスよく補えるという。
発売元のコンプは、必須栄養素を含んだ食材を粉末状にした「COMPパウダー」を2016年に発売。運動量や性別、年齢に応じて必要なカロリーを計算し、粉末を計量して水や茶、ジュースなどに溶かして摂取する。1日に必要なカロリーと栄養素が取れる「完全食」をうたい、「健康志向の高い人やゆっくり食事を取る時間がない人を中心に支持を集めてきた」とコンプの相原隆二 COOは話す。だが、ユーザーから「パウダーを溶かすのが面倒」「持ち歩きたい」「かめるようにしてほしい」という声が挙がり、水なしで摂取できて携帯しやすい製品を開発したいと考えていたところ、声をかけたのがUHA味覚糖だった。
「グミサプリ」の技術を生かして商品化
UHA味覚糖はビタミンやカルシウムなどを摂取できるグミ「グミサプリ」を開発。2015年4月の発売以来、30代女性を中心とした幅広い層に支持され、順調に売り上げを伸ばしている商品だ。同社のH&B企画・戦略デパートメント兼H&Bマテリアル開発デパートメントの北中進介デパートメントリーダーは「部内にCOMPパウダーのユーザーがいたこともあり、時間をかけずに栄養を取るというコンセプトに共感した。グミをかむことで満足感が得られるし、携帯していつでも好きなときに水なしで摂取できるのではないかと考えて、共同開発を持ちかけた」と説明する。グミサプリの開発で培った、栄養素をグミ内に閉じ込める技術が応用できることもCOMPグミの商品化を後押ししたという。
食べた人によって印象が変わる「複雑な味」
早速、試してみた。およそ1.5センチ角のグミ10〜13粒程度が1袋に入っている。弾力はあまりなく、グミとしては硬めだ。見た目はオレンジ色で、フルーツミックス風味とのこと。一口食べてみると、オレンジというよりプルーンのような鉄分を含んだ味がした。かみ続けるとバナナのような味がしたり、豆乳の風味を感じたりと、どんどん味が変わっていくように感じる。約30年前にカロリーメイトが発売されたとき、フルーツ味を食べて「何のフルーツだろう」と友人と話し合ったのを思い出した。
粉末を計量する必要があったパウダーと比べて、グミは1袋200キロカロリーと決まっているので、ひと手間省けるのも大きなメリットだろう。厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)によると、30代女性の筆者に必要な1日の摂取カロリーは1750キロカロリーなので、グミだけで食事を済ませるなら約9袋食べればいい。とはいえ、よほどストイックな生活をしていない限り、グミだけの食事はなかなか考えにくいだろう。
だが、3食をしっかり食べたうえで甘いものをつまんだり、残業時に空腹を満たすためにスナック菓子を食べたりすることもある。そうした間食をCOMPグミに置き換えれば、満腹感が得られるうえ、「適当なものを食べてしまった」という罪悪感を拭えるかもしれない。筆者も夕方の空腹時に3粒ほど食べただけで、かなり小腹が満たされた。
現在はコンプ公式サイトでしか購入できないが、「一般発売も視野に入れて、開発を進めている」(UHA味覚糖の北中デパートメントリーダー)。コンビニやドラッグストアで手軽に買えるようになれば、デスクやバッグに入れて持ち歩くという人が増えるかもしれない。
(文/樋口可奈子)