斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

フリマサイト『メルカリ』(mercari)で著作権侵害商品が多数出品されている現状

いつも眺めているブログでこんな記事を見かけました。

フリマアプリ、始めてみました。 - 母になりましたが。

フリマアプリって、いくつかあると思うんですが、有名どころ「メルカリ」で出品をはじめてみました。

メルカリって聞いたことがあるなーと思って、早速アプリをダウンロードし、どんな商品が販売されているか調べてみました。もっぱらusedな服をユーザー同士が売り買いしているサービスのようです。2013年からすでに話題になっていたみたい。

 

出てくる出てくる著作権違反商品

入園グッズなんかも売っているかなと検索してみると、非常に手軽なお値段の商品がずらずら並ぶ中に、これはアウトだろうなというものが売られているのを発見しました。例えばこういうものです。

上履きをキャラクターデコレーションをしたものの販売です。著作権者から権利を取得していればいいわけですが、ディズニーキャラクターの上履きでの利用の許諾を個人が取得しているかと言えば、まあ、そんなことはないわけで。それにしてもよりにもよってディズニーを選ぶ人は勇気ありますよね。

他には、キャラクター生地を利用したものもあります。

通常こういうキャラクター生地は、製品化して販売することが禁止されています。生地に注意書きが付いていますよね。 

生地 著作権

※手元にあったアンパンマンの生地。

商品名+オーダーで専用アプリを検索すると、こういう商品がすぐに見つかることができます。ジャニーズの画像を使ったネイルチップなんかもありました。これもジャニーズの版権の厳しさを知っていてやっているとしたら蛮勇ですね。

それぞれの出品者のプロフィール情報を確認すると、かなり気軽に商品を出品していることが分かります。キャラクターを利用した商品の販売が著作権違反(商標権違反)になるという意識は乏しい。

 

多数の指摘があるものの対応が追いついていない?

こういう状況については、正式にサービスが提供され始めた2014年当時から問題視されていたようです。

メルカリ ハンドメイドの著作権侵害商品について - スマホ系小売アプリで独立開業を目指すブログ

今回テーマにするのは、著作権侵害にあたるハンドメイド作品です。
最近目にするのは、『妖怪ウォッチ』のキャラクタージバニャンの手作りのぬいぐるみや、巾着袋などの作品。
また『アナと雪の女王』をイメージしたというハンドメイドのブレスレットなどです

個人によるハンドメイド作品なので問題ないと思って出品している方が多数いらっしゃいますし、購入もされているようです。

当然こういった、特定のキャラクターや作品を題材とした商品は、著作権侵害にあたります。
メルカリもこういった著作権侵害にあたる作品の販売は禁止しているのですが、パズドラ等のゲームアカウントや、ふざけ半分で出品したものと思われる自分や友人を商品として出品したものは、驚くような速さで事務局削除されるのに、こういったハンドメイドの著作権侵害商品に対しては、反応が遅いように感じます。

そのため、出品してから削除されるまでに時間がかかるので、その間に商品が購入される。
→出品者は売れるので、さらに出品する。という悪循環を生んでいるように感じます。 

(当たり前ですが)禁止はされているものの、削除に時間がかかっていたらしい。

削除に時間がかかるのは、著作権違反が親告罪であり、著作者本人による指摘であることの確認手続きを取っているということもある一方で、あまりに違反しているケースが多すぎて人的リソースが十分ではなかったという両面があるように思います。

著作権違反をしているのではないかという指摘に対するメルカリの公式アカウントの回答を読むと、そこら辺の背景事情が少し見えてきます。

このtweetでは著作権侵害への処罰というのは親告罪なのでメルカリとしては権利者から連絡をもらった場合、適宜削除をするというコメントをしていますが、

このケースでは、著作権者からの問い合わせについても対応に時間がかかっているようで、

時間がかかるという説明が続きます。

一方で、ブランド品と柄やらロゴが類似した、いわゆるコビー商品については、

出品を禁止しているようです。ただ、ブランド品自体は販売されていますから、出品禁止とは言っても、どうやってコピー品と区別しているんでしょうね。それができる技術なりサポート体制があるなら、キャラクター物でもできないわけじゃなさそうだけど。

 

締め

こういうキャラクター物の商品販売については、実は昔から議論があります。小学校のバザーで親お手製のキャラクターグッズが販売されていたのを見たことがある人はいるはずです。ネットの世界で個人が簡単に物を売れるようになり、このような古い問題が新しく"発見"されているということですね。

こういうものへの対応としては、キャラクターの中には二次利用が許可(黙認)されているものもないわけではないですから、企業としては線引きができず上手く取り締まることができないというのもあるでしょうし、ローンチしたてのサービスの場合ユーザー数を増やすほうが優先順位が高く、コンプライアンス対応は若干遅れる傾向があるものです。何しろ著作権侵害の処罰は親告罪ですし。

 

なお、メルカリは昨年3月と10月に大型増資を発表し、

14.5億円の大型調達を実施したフリマアプリ運営のメルカリ、米国進出へ | TechCrunch Japan

 メルカリは3月31日、グローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)、GMOベンチャーパートナーズ(GMO-VP)などを引受先とした第三者割当増資を実施し、14億5000万円を調達したことを発表した。

メルカリがWiLと既存株主から23.6億円調達——テレビCMやリアルイベントも | TechCrunch Japan

3月に14億5000万円を調達したメルカリだが、またもや大きな資金調達を実施したようだ。同社は10月9日、World Innovation Lab(WiL)および既存株主であるグローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズ、GMO Venture Partners、East Venturesから総額23億6000万円の第三者割当増資を実施したと発表した。

年内にも上場が見込まれているようです。

【2015年の相場展望】(C)今後のIPOの展望:年間新規上場件数は90-100件か | 特集 - 株探ニュース

ベンチャー企業では、情報キュレーションサービスを展開するGunosy(グノシー)、網膜疾患領域でのiPS細胞技術を活用した治療法の研究開発を行っているヘリオス、人工のクモ糸繊維を開発したスパイバー、その他ランサーズ、メルカリなどの上場が見込まれている。

メルカリのプレスリリースを見ると、マスコミで報道されたことが中心に公表されており、こういったユーザーによる違反行為の対策については触れられているのは確認できませんでした。(あったらごめんなさい。)

お知らせ | 株式会社メルカリ

投資家向けに良い情報ばかりアピールするのは至極当然のことではあるものの、ユーザーによるこういった不適切な利用への対処が遅れているようだと、上場時にも色々議論になるでしょうね。

 

個人ユーザーがこのように問題のある商品をすぐに見つけられる状態なのだから、企業側としても問題のある商品や出品者を機械的に見つけ出すことは簡単なはず。対策としては、例えば、出品時に特定のキーワードが含まれると自動的に出品ユーザーに著作権侵害の可能性についてアラートするというのもあるし、著作権侵害について購入ユーザーから一定の通報があった場合には自動的に出品ユーザーにメールで問い合わせをするというのもありますよね。

新進気鋭のネット企業なのだから、こういうところも上手く対応して、著作権者を守る仕組みを導入できるんじゃないかと期待するのは自分だけでしょうか(小町話法)。

 

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