今年の2月12日に東京都・青梅市で叔母(亡母の妹)の葬儀があり、埼玉県・東松山市の義叔母(母の弟嫁)を車に乗せて行った。そして道中、四方山話をしていると、この4月に相続登記が義務化されると叔母が教えてくれたのである。その時に初めて、今年の4月から相続登記が義務化されることを知り、自宅の土地と家屋の登記が、未だに亡父の名義のままだったことを思い出し、半世紀近く放置していた相続登記の手続きに、漸く重い腰を上げることにした次第である。ネットで確認するに、思っていた以上に所有者が不明といった理由で、未登記の土地が九州の土地面積よりも広いものに、膨れ上がっていることを政府広報で知って驚いた。 相続登記が義務化!所有者不明土地を解消する不動産・相続の新ルールとは?
本来なら相続登記というのは3ヶ月ほどで完了するはずだが、小生の場合は仕事(翻訳)や雑用を抱えていたこともあり、一年近い月日がかかってしまったが、それでも12月20日に相続登記の審査が完了、無事に「相続登記完了証」を手に入れることができて安堵しているところだ。
この相続登記、提出しなければならない大量の書類は何なのかを調べたり、数度にわたり市役所や法務局に足を運んで必要種類を申請したり、弁護士や行政書士に各々一回ずつ相談したり、法務局には3回にわたって相談にのってもらったりしている。特に大変だったのは、拙宅の場合は相続人に相続放棄していた者が複数名いたため、このあたりで大変混乱したものであり、相談にのってくれた法務局の相談員も頭を抱えてしまい、最後となった三回目の相談を終えた時、「勉強不足でした」と相談員が正直に告白してきたほどであった。そうしたことが重なり、審査が完了するまでに一年近い時間がかかってしまったというわけである。
ここで、ふと気がつくと師走も残すところ十日を切った。年賀状の作成、年末年始の準備や大掃除、その他の雑用が大量にあり、大童の年末になっている。ボヤいていても仕方がないので、何とか頑張って乗り切っていくつもりだ。
では、このあたりで約束していた、ヴァンス副大統領について筆を進めることにしよう。
■プーチンとトランプ
読者からしてみれば今までに幾度も目にしてきた図なので、いい加減に見飽きたというのが本音だろう。しかし、突端から読者に小生が作成した本図を掲示したのには訳がある。それは、同時に小生の國體観を示すということに他ならないからで、左上の三人、プーチン・安倍晋三・トランプは、反グローバリズム、すなわちナショナリストに属する人たちであることを示しているが、それは自国民のことを優先して考えている政事家ということをも示している。安倍晋三は残念ながら暗殺されてしまったが、プーチンとトランプは健在であり、これから〝短い間〟ではあるものの、世界の牽引車となってくれることだろう。プーチンについては、今までに多角的な視座からのプーチン像を小生は描いてきた。たとえば、拙稿「プーチンの世界」などである。そして、同稿を読み返していただければ、改めてプーチンが稀代の政事家であることを納得していただけると思う。
世界の動向を的確に識るには、どれだけプーチンの人物に肉薄できるかで決まる。ここに、一年ほど前に『プーチンの世界』という、500ページ以上に及ぶ浩瀚なる書籍を手にした理由があるのだ。同書の腰帯には、「これからは この本がプーチンのロシアについての教科書になる」と佐藤優氏が謳っているが、半分は正しく半分は間違っている。 ここで、拙稿「プーチンの世界」では述べなかったことだが、稀代の政事家プーチンにして限界もあることを述べておこう。それは、プーチンは確かに戦争よりも平和を願っているし、民衆のことを思っているのは間違いないが、一方で、ほとんど自国民であるロシア国民に限定されていることも忘れるべきではない。つまり、国益を第一に考えている政事家ということだ。それでも、そうしたプーチンの国益観は決して否定されるべきものではなく、一国の真の指導者であれば当然のことだろう。このあたりがプーチンをツランの権力派に入れた理由の一つだ。一方、東京皇室を権威派に入れたのは、国民だけにではなく、世界の人々、すなわち人類、さらには生物から無生物に至る万物に亘り、目配りをしているのが東京皇室だからである。
日テレの解説は国内に限定しているが、陛下は外つ国にも御訪問遊ばされておられるのを忘れるべきではない。 魂入れ それでも、プーチンの政治哲学は確かなものであり、そのあたりは、過去のプーチンによる数々の演説からも窺い知ることができよう。
ここで、プーチンとトランプとを較べてみると分かることだが、元来が不動産屋であるトランプには、高尚な政治思想(政治理念)、すなわち政治哲学は無きに等しいと断言できる。だから、プーチンに較べるとトランプが、色褪せて見えてしまうのは仕方がないことなのだ。
■トランプ ここでトランプの人物に焦点を当ててみるに、個人的にトランプという人物を一言で言い表すとすれば、以下の動画で武田邦彦氏が語っているように、「インテリではなくカウボーイ」ということになりそうだ。
【武田邦彦】12月13日最新!吉野先生の話を聞いて、気付いたのですが・・・
確かに、トランプは気性が荒いところがあり、まさに武田氏の言う「カウボーイ」という形容が当てはまっていると思う。個人的にも今までに付き合ってきた白人系のアメリカ人の多くが粗暴、もといカウボーイ的気質だったのを思い出す。そして、トランプの目指す政事とは、新しいことを始めるというよりは、アメリカ建国の原点に立ち返り、アメリカ建国精神に則った政事を行うことだと、武田氏と同様に思うのである。
■ヴァンス 一方、副大統領に就任予定のヴァンスの場合はどうか? トランプとの明らかな違い、誤解を恐れずに言えば、政治哲学の有無にあると小生は思っている。そのあたりが良く分かるのが以下の動画だ。
政治史と思想史の視点から、トランプ現象を分析します(伊藤貫)
上掲動画の29:45あたりから、リベラリズム(自由主義)の系譜について話が展開し、さらには政治哲学の話になるので注目していただきたい。そして、46:55あたりからポスト・リベラリズムの話へと移っている。
ヴァンスは、リベラリズムの何処が間違っているのかを真剣に追及し、ついには自身で一つの見解を編み出す、自分の言葉で述べるレベルにまで到達している。換言すれば、己れの頭で考えに考えた賜物だと言えなくもない。
斯様な政治哲学のレベルに達し、本物の思考力を身につけたたヴァンスは、リベラリズムが間違っていることを突き止めたわけだが、ワシントンでアメリカの政治を30年間観察してきた伊藤氏によれば、ヴァンスのレベルに達することは極めて希だとのこと。そして、それがヴァンスと他のエリートとを分けているとも伊藤氏は語っていた。つまり、所謂エリートと称する人たちには本物の思考力は無い。あるのは懸命に丸暗記してきた模範解答だけであるのに対して、ヴァンスのそれは自分の頭で徹底的に考え抜き、自分の言葉で政治哲学を紡ぎ出すというレベルにまで到達したということになる。
トランプにはヴァンスのような高尚な政治哲学はないが、ヴァンス本人とヴァンスを取り囲む人たちは確実に政治哲学を身につけているはずだ。個人的な見方を述べるとすれば、トランプは戦国時代に終止符を打った織田信長、ヴァンスは信長が切り拓いた道を堅牢なもの、確かなものにした豊臣秀吉に喩えることができるのではと思う。
■暗殺 過去にトランプは幾度か暗殺未遂りに晒されており、そのうちの一件については拙稿「神計らい」にも書いた。
それにしても、次に掲げた動画が解説しているように、狙撃の瞬間、トランプが顔を向けたことにより、本来はトランプの頭を貫通するはずだった弾丸が、右耳の損傷だけに留まったのは、まさに「神計らい」としか言い様がない。
不吉な話ではあるが、近い将来、万一トランプ暗殺が成功したとしたら、アメリカはどうなるのか? 人によって意見は様々だろうが、小生は何等心配するに及ばないと考える。何となれば、ヴァンス次期副大統領その人がいるからである。
トランプに続いてヴァンスも暗殺された場合だが、これも心配無用だ。何故なら、ヴァンスの遺志を継ぐ者が必ず(自然に)台頭するからだ。そして、政事家は暗殺を恐れていてはならないのだ。ここで、伊藤貫氏の政治哲学観について、拙稿「プーチンの推薦書」から引用しておこう。
ところで、動画の冒頭で伊藤氏はプーチンが、「三つのレベルで物事を考え、政治を行うことのできる政事家」と語っていた。伊藤氏の言う三つのレベルとは、以下を指している。
1.哲学レベル 2.パラダイムレベル 3.政治レベル
拙稿「プーチンの世界」で紹介した、佐藤優氏がプーチンについての教科書と評している、『プーチンの世界』(フィオナ・ヒル他 新潮社)、同書を熟読した身として、自身のプーチン像を肉付けしてくれた動画でもあった。そして、小生なりに伊藤氏の言う三つのレベルを己れの言葉で表現するとすれば、「祖国の歴史と文化に精通し、自国民の気質を把握、それを政事に反映できるレベル」とでもなろう。
そして、伊藤氏は三つのレベルで考え、実践できる人物こそが、プーチンその人だと言っているわけである。三つのレベルを具現化することでプーチンは、エリツィンからロシアを引き継ぎ、見事にロシアを立て直したということになる。
さて、今日は寒い一日になりそうだが、大掃除を始めるかな・・・
【コーヒーブレイク】
【X砲政治幕開け】イーロン・マスクはトランプ政権を崩壊させる。 米つなぎ予算成立で。
拙稿「マスクの狙い」で、イーロン・マスクを高く評価した記事を小生は書いたが、実はマスクには裏の顔もあることを、上掲の動画が教えてくれるだろう。ある意味、トランプよりも接し方がやっかいな人物になりそうだ。動画で深田萌絵さんはマスクが裏で中国と繋がっていることを匂わせており、政府効率化省でマスクとタッグを組むラマスワミ氏は、孫正義氏のポチだと深田さんは明確に述べていた(3:43~)。尤も、馬渕睦夫元ウクライナ大使が云うように、「中国は国家ではなく、市場である」という言葉を思い出せば、やはりマスクは根っからのビジネスマンだなと思うのである。
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