■ものがたり今作ヒロインの星空みゆきさん。
七色ヶ丘という町へ越してきた中学二年生さんだそうで。
空から降ってきた本。その本の中から飛び出して謎生物キャンディと出会ったところから物語は始まるのでありました。
去年に引き続き自己紹介のモノローグから始まった事にはまたも驚きを感じてしまいました。なんなの、何時代のテンプレ少女アニメなの…と思いましたが、もはやこれは一種の伝統芸能の域なのかなーとすら思えてきました。
そうだね、プリキュアさんに現代的なスタイリッシュなんて求めていないね(ぉぃ)。
今シリーズのモチーフはお伽話・物語だそうだので、謎生物さんが本の中の登場人物というのはまぁ分かるとして、何故キャンディなんじゃろう…。
物語と飴ちゃんとの繋がりはまだ分からぬし…飴ちゃんの登場するお伽話も思い当たらん…。お菓子の家…いや、あれは家だよなぁ…。
新しい町で新しい人との出会い。
星空さんは転入先の学校で自己紹介をします。
だったら何でさっきモノローグで紹介したんだろうと思うけれど…変身後を入れると今回だけで正味4回も名乗っているんですよね。猛烈プッシュやなぁ…。
関西弁の同級生から、番長に副会長、イカっぽい人といったメインキャラの紹介も受ける。米村さんがまた番長ネタを…(ぇ)。
星空さんは絵本が大好き。絵本にはハッピーエンドしか無くて、キラキラワクワク、ウルトラハッピーが詰まっているのだとか。
この娘は「マッチ売りの少女」を見たことが無いのか…? とは多くの人が思うところでしょうけれど、星空さんは絵本にはハッピーエンドしか無いものだと思っているらしい。
これは捉えようによっては、星空さんはハッピーエンドしか見ていない、悲劇を排除し、感知しようとしない、現実逃避しようとしている少女なのでは…?とも感じられる。
前作「スイート」の文法においては、ハッピーだけでなく哀しい事や辛い事も受け止めてスマイルにするコトの方がより良い生き方であると提示されていましたので、「スマイル」においてもその回答へ行き着くために星空さんが変わっていく必要があるのかもしれない。
「マッチ売りの少女」や、「白雪姫」が母親を焼いた靴で踊り死にさせるエンディングなどを全て受け入れ、その上で「ウルトラハッピー♪」と言える、そんな少女に変身する物語なのかもしれない(えー)。
図書館で光る本を見つけた星空さんは、あれよあれよという間に妙な部屋へと誘い込まれる。本に囲まれた不思議な部屋。
遂にプリキュアさんも秘密基地の時代か…実は月面にあると聞いても驚かないぜ。
ここで本棚の本を右へ左へ動かす仕草がやけに印象的に描かれているのがちょいと気になる。「物語を動かす」といった意味でとりあえず受け取れる気もしますが。ふむふむ。
商店街でキャンディさんを追っていたのはバッドエンド王国から来たウルフルンさん(名前かわいい…)。人々のバッドエナジーを集めてピエーロ様を復活させようとしているらしいです。
22回分集めたら復活するっぽい…なんと分かり易い中盤の展開…。
オープニングの映像から、バッドエンド王国さんには狼・鬼・魔女、そしてピエーロ様がいるみたいです。お伽話の敵キャラオールスターという感じで非常にワクワクする敵さん。大首領がもやしだったら更にワクワク(ぇ)。
とりあえずピエーロ様が王国の首領っぽい扱いなのですが、そもそもモチーフであるピエロは道化師なので、お客さんを笑顔にする役割のはず。
そしてプリキュアさんもまた笑顔のために戦うご様子。
……なるほど、和解エンドか(ぅゎ)。
頑張っても無駄だ無駄だと言うウルフルンさんに、頑張ったらハッピーになれると仰る星空さん。
始めはしくじった自己紹介も、周りに助けられて頑張ったらハッピーになったように…。
OP・EDの歌詞なんかを眺めていても、努力→ハッピーという式が強く推奨されていて、努力がハッピーになる為の必要条件であるというのがよく分かる。
星空さんの何かに反応したのか、スマイルパクトなる物体が現れ、星空さんはキュアハッピーさんに変身。
変身アイテムがコンパクトというのが実に前世代的というか…王道といえば王道かもだけど…。とりあえず「物語」というモチーフと「化粧」コンパクトが繋がっている感はあまり無いかなぁ。うむぅ、スイートでは繋がりをあんな頑張っていたのに(ぇ)。
しかし…あれだ… どう見てもパクトの中の宝石が7つに見える…。
おかしいな… 今年は5人だと聞いていたのに…何で7色なんだ…。
ど、どうしてなのかな…。
ウルフルンさんの出したアカンベーさんをハッピーシャワーで浄化してキュアデコルを入手。
「気合だ!気合だ!気合だーッ!」と言い出した時に「あげだマン懐かしい!!!」と思った人は少なくないと信じたい。カードが出てくるかと思ったけど、そんなことは無かったぜ。
といった感じでツッコミどころを羅列してきましたが。
全体としては既視感とデジャヴの連続みたいな印象でした。
テンプレの嵐というか、正直この9年でイチバン新鮮味の無い第1話だと思ってしまいました。ま、それはよく言えば安心だったり安定感だったりでもあるし、9年も観続けているので当然っちゃ当然なんだけど。
成田さんが書いたと聞いても納得しそうなほどであった…。
冒頭の星空さんとキャンディとの邂逅から、各種アクション、バトル描写、OP・EDといった部分に至るまでも大塚演出オンパレードといった感じ。
良い悪いは置いておいて、とにかく既視感の沢山詰まった第1話であったなぁと思いふける…。
■ピース、10万ボルトだ!オープニングで星空さんが自分をシンデレラに見立てている映像がありましたけど、そこに王子様が映っていない事にプリキュアっぽさを感じる。
自分がお姫様になる事が重要なのであって、王子という恋愛要素はどうでもいいのだと…ほぅ。
あと、ピースの攻撃が表情に反して攻撃的なことに何度見返しても笑う。ピースポーズとはコンセントの暗喩なのでしょうか…分かりません。
エンディングは年々CGの精度が上がっていて驚く限り。
破綻の無い造形と、一瞬セル絵と見紛う出来は凄いな…。
本編内容としては、だいたいこれから描こうとしている物語の要素はこの1話で出揃わせている雰囲気は感じる。
今のところ、強い既視感の為に安心感はあるけど、新しい物は見られないのではないかという気持ちもある。そんな新鮮味への欲望も満たして欲しいと願いつつ観て行きたいと思います。
まぁ今までに無い人数に達するというのは、一つの新しさではあるのかなー…。
⇒
スマイルプリキュア 各話レビュー
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コメント
ハッピーエンドに向けた初めの一歩
しかし星空さんは、花咲さんの初陣時と引けを取らない残念ぶりで…w 転校生然り配色然り中の人然り、ホント関連性深いなあ。
>今年は5人だと聞いていたのに…何で7色なんだ…。
仮に実現したら、シリーズ最多の人員を更新することになりますね。ゴーオンジャーもびっくりだ。
しかし、電波・お調子者・気弱・しっかり者と一通りキャラが揃っている状態で、これ以上幅が出せるものなのでしょうかね。
2012/02/09 17:34 by ゼノドレイク URL 編集
未来の光だ キュアハッピー
>王子という恋愛要素はどうでもいいのだと
そう言えば『5』の結婚式回でも相手の方は想像してませんでしたね。子供時代って結構アバウトに夢を見ますけど、彼女たちもそんな感じなんでしょうか。
あの「気合いだ!」の連呼であげだマンを思い出すかゴーレッドを思い出すかで世代が割れる…かも。気合カードは玩具を出しづらいので昨今のおもちゃ業界には優しくないような(え)。
2012/02/09 20:30 by 銀河水晶 URL 編集
番長と副会長…いい…
3バもとい幹部に鬼と魔女かいましたが、以外と両者は良い人?を担当することが多いんですよね。泣いた赤鬼とかシンデレラとか。狼は…うん思い浮かばねぇ。
七色の謎…深読みすればマッチ売りの少女、人魚姫、雉も鳴かずばのようなバッドエンドのヒロインが仲間入りして自分の物語をハッピーにするため頑張るとか。
必殺技が効かないならまだしも不発は思いつかなかった。しかも気合い溜めなきゃいけないとか。敢えて言おう!あげだマンは原作板だろ!(コラ)
エンディングは一見でCGとは気付かなかった。取り敢えずピンク赤黄のポジションがよく分かりました。後フレンチカンカンなところがけしからんモットヤry
2012/02/09 20:40 by ミスターグラブシ URL 編集
今年のプリキュアは体力勝負!?
気持ちを高ぶらせなきゃ技が出ない、技を使ったら体力消耗。かなり生々しいというか、生理的な部分ではリアルなシリーズになりそうです。
これから出る人達も似たような展開なんでしょうか。
>「気合だ!気合だ!気合だーッ!」と言い出した時に「あげだマン懐かしい!!!」と思った人は少なくないと信じたい。
あのアマレスとボディビルで有名な娘さんを持つ親父さんを連想したのは僕だけだと思って下さい。
だけど、もう殆ど体育会系的なノリですね。思った以上に体力勝負になりそうです。
>花咲さんの初陣時と引けを取らない残念ぶりで…w
むしろ、次回、第二話が鬼門かも。
昨年は「解散」の危機に直面し、一昨年は「最弱」呼ばわり、さらに遡れば夢原さんが夏木さんに「プリキュアなんて止めな!」と真顔で言われ…。
お好み焼き屋の看板娘がどう出るか。
2012/02/09 22:11 by オキクルミ URL 編集
5人の戦姫と人の言う
OPでそれぞれの能力を披露してる件特に大岩を持ち上げてるサニーはまんま005ことジェロミモジュニアですね
それはそれとして
肝心の本編は可もなく不可もなくフツーのプリキュアで特筆すべき点もありません
ただ今後気になることと言えばスマイルプリキュアがどちらに立つのかということ
肯定か否定か許すのか許さないのか救うのか殺すのか
昨年までの路線を踏襲するなら当然前者ですがなんせ5人プリキュアで
SDは主に鷲尾時代に活躍した大塚隆史ときてこれは5以来の殺戮集団に立ち返る?という気も少しします。
見た感じ今回のバッドエンドさんは殺してしまってもよさそうな設定ですし、ただみゆきに相手を殺す理由はなさそうです
やばそうなのはビューティことれいかでしょうか何がヤバイと言えば獲物がヤバイ表情がヤバイ
殺す事に躊躇しなさそうな感じです。またれいかといえばEDの寸劇で誰とも絡んでないのが気になりますね。
昨年まで路線を踏襲するなら当然ピエーロを始めとしたバッドエンド勢にハッピーエンドを届ける形になるのでしょう。
敵側との関係性の深化という点では彼らの事情やなんかにも昨年までより深く踏み込んでいったらイイナと思います。
その過程の中でもしかしたら恋愛展開もあるかもしれませんね、ノイズとスイートプリキュア以上の関係に進むのだとしたら。
2012/02/09 23:49 by snya URL 編集
まさかただの飾りじゃないですよね、あのロブスター・ツインテールは…
2012/02/10 15:34 by ミルク苺 URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
世界観などの説明は次回以降に回しつつ、キャラクターの説明は1話に詰め込んだという印象が強いです。キャラクター重視の表れかもしれない。
星空さんは夢原さん的直感人間という感じもありましたが、シチュエーションは思いのほか花咲さん寄りでした。スマイルギャングで寸劇でもやればいいよ(え)。
仮に2人追加であれば、ただでさえ多いのにメイン回を回しきれるのかと不安です。リアルに緑の人あたりが他より少なくなるんじゃないのかなー…。
>銀河水晶さん
悪く言うと、これまでのシリーズや女子アニメのテンプレを繋ぎ合わせただけという印象もややあるのですが、それがとりあえず嫌味なく自然に繋がっているという意味では上手く出来上がっているのかなぁと思えてきました。いわゆる忠臣蔵みたいな古典だと思えばいいのね(え)。
昔、自宅で遊ぶ為のミニカードダスみたいな玩具がありましたけど、あれは自分の所有するモノしか出ないという全く面白みの感じられないブツだったなぁと思い至るので、カード排出玩具は難しいのかしら。
データスェ…。
>ミスターグラブシさん
転校生プリキュアは美翔さんが初ですが、あれは別に痛くもウザくも無かったなぁ…。まぁS☆Sはその地味さが魅力であり弱点だけど(ぉぃ)。
敵さんである狼オニ魔女は役割としての悪役でしか無いという可能性もありますね。狼なんて羊食うってだけで物語の悪役にされてるだけですしね。酷い話やで。人間主観での悪役でしかないというのはスイートで言っていた意味の変換が行われる可能性は大いにあるかも。
星空「キャンディを食べちゃおうなんてヒドイ狼さんだよ。もぐもぐ(ジンギスカンを食べながら)」
ウルフルン「えー…」
>オキクルミさん
5人もいるのに前後編やっていたらそれだけで1クール終わってしまいますね…。
「わたし、星空みゆき」というナレーションは時代錯誤でズコーとなりますが、テンポアップして1話の中で説明しきるという実用度は高いのだなぁ。米村さんのベテランの技を見る。
気合気合気合はどうも世間的にはアニマル浜口さんだと指摘する人の方が多いですね。やっぱりあげだマンはごく一部の層にしか分からんよなぁ…年取るはずだわ。
>snyaさん
個人的嗜好としては「失敗してもいいから新しい事してほしい」などと勝手に思っているもので、とりあえず第1話を観た段階では冒険心をもっと出してほしいと望んでしまいました。これは良し悪しではなく好き嫌いの問題ですが…。
まぁ主人公はキャラで冒険し辛いので、次から変なモノに期待(え)。
テーマ的に考えると星空さんの言う「絵本」というのは「現実味が無い空想」や「キレイゴト」といった意味で揶揄される場合に使われる「絵本」という気もするので、ハッピーエンド至上主義、絵本至上主義でまとまることは無いと思われます。そうするとやはり何らかの和解、折衷が図られると期待します。
>ミルク苺さん
発売されるキュアドールには当然ハサミギミックが付いていると思います。メモ2枚ぐらいなら切れる機能のはず。背中のボタンを押すとバネで飛んで攻撃します。ただしすぐ失くすので注意。
エビモンスターと契約する斬新な第1話でしたワー。
2012/02/10 22:49 by TJ-type1@管理人 URL 編集
青い宇宙 緑の地球 赤い正義の血 ピンクの頬 黄色いイカ
だがな、そいつはスゲェタフなヤツだ…炎の中にとびこんだって絶対に死にはしねえ!!」
久しぶりにやる事をやった構成と感情移入できる主人公に、「そうそう、第一話ってこうだよね!」と楽しい30分でした。梅澤さん、やればできる! だから武部もやればできる!…と信じたい。
今年は敵がスティーヴン・キングっぽいだけに、星空さんもキャシー・ベイツばりの怪演を見せて欲しいですね。米村さんを捕まえてきて「書き直せ、ハッピーエンドにしろ!」とか言って脚を叩き折るとか。
で、大きな声では言えないが…なぜスマイルパクトのCMにあんな残念な子を選んだのでしょう?
2012/02/11 18:02 by オニギリ URL 編集
◆コメントありがとうございます◆
第1話はテンポが良過ぎてエビのモンスターと契約する重要シーンが抜けていたのが気になりました。あれだとハッピーがエビである理由が視聴者に伝わらないじゃないのさ。
「ミザリー」じゃないですけど、「キバ」での井上センセに対する武部Pのお願いは若干それに近かったような気もします。「ハッピーエンドにしてください。キャラを殺さないで下さい!」(ハンマーを振りかざしながら)
放って置くとバッドエンド王国に侵攻されるので仕方なかったね…。
2012/02/11 19:58 by TJ-type1@管理人 URL 編集
もしかして、ですが……
その昔「アンデルセン物語」というアンデルセン童話紹介アニメがありまして、その案内役がキャンディならぬ「キャンティ」と「ズッコ」という妖精でした。
40年以上前の作品ですが、2008年にDVD-
BOXが発売されたほど根強い人気があるアニメですから、以外とここから取られたキャラ名かもしれません。
2012/02/14 21:11 by すがりん URL 編集
◆コメントありがとうございます◆
「アンデルセン物語」は東映動画製作の映画なのでもしかしたら…と思ったら、キャンティさんの出てくるテレビシリーズは虫プロ製作じゃないですか。ぐぬぬ。
全てのおとぎ話が融合した世界では、他社製作の作品も混じっている…のかもしれないですね。
2012/02/15 20:41 by TJ-type1@管理人 URL 編集
米村氏がスマプリで心掛けたかった事
あかねを介して、自己紹介をする流れが見事の感じが見受けられます。
和解エンドについても、実はキャラショーでウルフルンが自虐っていましたので、もしかしたら不気味なジョーカーや謎の存在なままのピエーロを含んで、和解しそうな予感が漂いますね。
思えば、米村さんは王道系を中心に脚本を手掛けるのが上手いらしく、多少のご都合主義でも目を瞑れるほどの、物語を手掛けますが、今回メインライターを手掛けるにあたり、ライダー系やルパンスペシャルの脚本に展開してしまうのかと思いましたが、どちらかといえば、ポケモン(実は黎明期から現在も)やフェアリーテール系統のストーリーに展開しそうなことが見受けられましたので、期待したいです。
なにより「ヒーロー大戦」が(割愛)…
2012/05/09 15:48 by 横浜学園都市部 URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
ちょっと恥ずかしいぐらい手垢のついた展開をあえてやっているという印象はありました。
一週回ってギャグなのかなぁ…とすら思うのですが、ベタにはベタの利点がありますので、その利点を最大限に活かした話になっているなぁとは思いましたね。その代わり新鮮味はないけど…。
米村さんは最近は深夜アニメではお見かけしないものの、割と何でも書けてしまう職人要素も持っている方ですね。
しかし友情モノには定評あるだけに、プリキュアのステージはあっていると思います。
2012/05/11 21:38 by TJ-type1@管理人 URL 編集