2016/10/07
手ぶれ補正の効き具合にも注目
オリンパス・M.ZUIKO DIGITAL ED 12~100mmF4 IS PRO + OM-D E-M1この12~100mmF4ズームレンズには手ぶれ補正の機構が内蔵されている。
言うまでもなくオリンパスの手ぶれ補正は、イメージセンサーを作動させてブレを補正するボディ内手ぶれ補正方式が基本スタイル。
しかし、ごく一部のレンズ内に手ぶれ補正の機構を内蔵した、レンズ内手ぶれ補正方式のレンズもある。M.ZUIKO DIGITAL ED 300mmF4 IS PROが、交換レンズではオリンパス初となるレンズ内手ぶれ補正方式を採用したレンズである。12~100mmは2本目となる。
その300mmレンズが画期的だったのは、初めて、レンズ内のぶれ補正機構とボディ内のぶれ補正機構を完全同時シンクロさせてハイブリッドISとして ━━ というとカンタンなように思えるが、いやいや、とんでもないほど難しい技術 ━━ 補正効果をアップさせたことだ。似たようなことをやっているメーカーはあるが、オリンパスのように「完全同時シンクロ・ハイブリッド手ぶれ補正」をしているメーカーはない。
うーん、こんな話は、オリンパスのユーザーから「常識だッ」、と言われそうなのでテキトーにしておくが、つまり今度の新型12~100mmズームも300mmと同じようにレンズ内とボディ内の手ぶれ補正システムを完全同時シンクロさせて補正効果(補正段数)をアップしているということ。
上の写真をちょっと見てほしい。
大きな木々に囲まれた神社の夜の境内で写した。ほんのりした明かりがあるくらいで、大変に暗いシーンだった。ちなみに、撮影したExifデータを読んでみると、シャッタースピードは1/5秒、絞り値はF4開放、12mm側、ISO3200、マイナス0.7EVの露出補正をしている。
撮っているときに、こんなに暗いのにAFでよくピントが合ったよなあと感心したが、いやそれよりも、撮影後に画像チェックしてみたらほとんどぶれずに撮れていることに驚く。なお、この写真は、ナニにももたれかからずに、両手をめいっぱい高く持ち上げてチルト式のモニターを見ながら写したものだ。
そんな不安定な状態で撮影したのに、撮った写真のほとんどが気づくほどの手ぶれが見られない(ただし被写体ぶれだけはどうしようもないが)。
上の写真よりも、もう少し大きな画像をこちらに置いておくので興味のある方はどうぞ。ベータ版のレンズなのでオリジナル画像の掲載はNGだからね。
「12~100mm+E-M1」のハイブリッド手ぶれ補正は、それ相当に効くだろうと予想はしていたが、不安定なホールディング状態で超低速シャッターを切ってもコレだけ写るとは驚きましたよ。
実際にまだ試していないのだが、新型E-M1 Mark2と12~100mmを組み合わせると手ぶれの補正段数はさらに向上するという。
というと、じゃあどれくらいのシャッタースピードまで大丈夫なんだ、という質問がよくあるのだが、こればかりは個人差や撮影距離などによって一概には言えない。たとえば、ぼくが現行E-M1と新型(ベータ版)の12~100mmを使って、焦点距離100mm(200mm相当)で、ただ立ったままの状態でシャッタースピード1秒にして5カット写したら、そのうち3カットはほとんどぶれが目立たない写真が撮れた。まあ、ご参考までに。
手ぶれ補正の補正段数というのがCIPA(カメラ映像機器工業会)の取り決めで明記することになっているのだが、これ、あまりアテにならない。とくに低速シャッタースピードになると補正段数ほどの効果が得られない。
そのことを知っておくという前提で、12~100mmは「5段」、現行E-M1は「4.5段」、新型E-M1 Mark2は「5.5段」、そして12~100mm+現行E-M1で「6段」、12~100mm+新型E-M1 Mark2では「6.5段」(いずれもシャッタースピード換算)の補正効果があるということになっている。
最短撮影の話などもやろうとしていたが、おしゃべりが過ぎたため次回に。