苦肉の、自動開閉式レンズキャップ

リコー・GX200
 このGX200は、言うまでもないがGX100の後継機種。そのスタイリング(外観デザインや操作系、大きさ重さなど)は旧型とほとんど同じだが、しかし中身は相当に進化している ―― GR DIGITALからGR DIGITAL2になったときとよりも改良点は多い。
 ユーザーからの要望や不満やらを文字通り真摯に受け止めて、マジメに改良に取り組んだ様子がGX200を使ってみるとよくわかる。そのコンセプト、というかカメラの狙いも、ユーザーターゲットもよくわかって作っているようだ。最近の、GR DIGITAL2やR8や、そしてGX200を見ていると、リコーは自分たちの“歩むべき道”をよく理解してきたかのように思う。少し前まで、どこに行くべきかちょっと迷っているところがあったのが、ここ1?2年ですっかり、そうした迷いが吹っ切れてしまったようだ。なんだかエラそうな物言いになりましたけど。


 コンパクトデジタルカメラを作っている多くのメーカーが、いま暗闇の中で壁に突き当たってしまって自分たちの進むべき道がわからなくなり ―― “自分の両足”を使って進める道はたくさんあると思うんだけど ―― 国内や海外の他メーカーに放り投げてOEMやODMでカメラを作ってもらっている状況で、リコーのように元気一杯に歩いていると、販売台数がそれほど多くなくても、目立ちますねえ。

 さてGX200、とにかく機能は“てんこ盛り”だ。まるで、「デジタル一眼レフが相手だ、さあ、かかってこい」、と言わんばかりの雰囲気がGX200のあちこちから滲み出ていて、それを見ているだけでも、じつにおもしろい、たのしい。
 GX200の注目のあれこれ機能については、ま、機会があれば紹介するとして、なんといってもいちばんの目玉は、自動開閉式レンズキャップだろう。はじめてそれを見たとき、笑うよりもまえに、そのアイディアの奇抜さと、それを製品化した勇気に驚いた。GX100でのレンズキャップの不満がどれだけ大きかったか、リコーがどれだけツライ思いをしてきたか、この新型レンズキャップを見ると手に取るようにわかる。
 さぁ、どんな動きをするのか。ま、ちょっと この開閉シーン を見てくださいよ。カシオ・EX-F1を使って写した約20秒ほどのスローモーション動画。実際は、もっと素早くシャキッと開閉する。まるで、びっくり鳩時計だね、こりゃあ。