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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

『ウィズネイルと僕』

ウィズネイル

1969年、ロンドン・カムデンタウン
売れない役者のウィズネイルと僕は、現状打破(と言うより現実逃避)のために郊外のコテージへと車を走らせる

これもスティーブン・シュナイダー編 「死ぬまでに観たい映画1001本」 収録の作品
ブルース・ロビンソン監督の実体験を基にしています
欧米では伝説的大人気作品らしいのですが、日本での知名度は今ひとつですよね?
実は10年前、今はなきシネマート心斎橋で本作のリバイバル上映があったのですが観逃してしまって、、、
今回アマプラで発見! ありがたいね〜本当に
ちなみに今年のベスト作 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ』 には、本作にインスパイアされた主人公アンガスのセリフがあるそうな

タイトルロールのウィズネイルを演じるはリチャード・E・グラント様
なんと本作が長編映画デビュー作なのだそう
今や熟練の英国至宝もさすがに若い!
そのウィズネイルは四六時中(というか起きている時間は全て)呑んだくれている
(演じるリチャードEグラントは下戸なんだって!笑)
それでもきちんとスーツを着て、お坊ちゃま育ちが垣間見えます
イートン校をディスるセリフがあり、ハロー校出身という設定らしい(なるほど)
そのウィズネイルとの同居生活を断ち切れない 「僕」 との奇妙な関係-恋愛感情はないけれども離れられない-の顛末が描かれます

田舎のコテージの所有者であるモンティ叔父さんがキーパーソンなのですが、この方が面白いというかキモ怖いというか絶妙な演技を披露しています
先ほど 「恋愛感情はない」 と書きましたが、「僕」 は街娼だったと叔父さんに焚き付けるウィズネイルの本心はどうだったのだろう?

1960年代といえばスウィンギン・ロンドンの時代
ウィズネイルと僕、ふたりの関係も時代とともにある
その終焉は物悲しいけれど、音楽にしろファッションにしろ今も多大な影響を及ぼし続ける光り輝く時代であることは間違いない
そしてこの映画も永遠に語り継がれる存在となるのでしょう

「青い影」 が流れるオープニング
雨や曇天ばかりのお天気
あり得ないほど不味そうな食事
整備不良もいいところのジャガー
洒脱で含蓄ありそうで無さそうなセリフ
狼を観客に土砂降りの中演じるシェイクスピア

全てがイングランド、全てが 「ザ・英国映画」 という感じ
ビートルズが流れて、オープニングクレジットのプロデューサー 「ジョージ・ハリスン」 ってまさか本人?と思ったらそうだった!(神)

髪を切ってきた 「僕」 に荒井由美の 『いちご白書をもう一度』 を思い出したり
ちなみに本作の4Kレストア版トレーラーが今年公開されています
日本でもレストア版での再上映、お願いしたい!
誰か〜!(叫)

 ( 『ウィズネイルと僕』 原題:WITHNAIL AND I/監督・脚本:ブルース・ロビンソン/
        主演:ポール・マッギャン、リチャード・E・グラント、リチャード・グリフィス/1988・UK)
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2024-12-12 : BD/DVD/WOWOW/Streaming : コメント : 4 : トラックバック : 1
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ウィズネイルと僕 [Blu-ray](2014/11/05)リチャード・E・グラント、ポール・マッギャン 他商品詳細を見る 1969年、ロンドンのカムデンタウンに住むウィズネイルと僕は、 演劇を学び、才能を秘めながらも(本人談)エージェントからの連絡を待ち続ける売れない役者。 酒とドラッグに溺れるどうしようもない毎日に嫌気が差した僕は、 ウィズネイルの叔父さんモンティが持っている田舎のコ...
2024-12-12 21:04 : Slow Dream
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こんばんは。
こんばんは。
ちょうど10年前にこの作品を観ました。
まさにこれぞ!イングランド!!でしたね。
どんより雨模様、癒されるはずの田舎の休日の辛さよ~!(^^)!

観てる間は笑ってたのに、観終わるとじわじわ~~とこみ上げてくるような。
全然私の青春となんの共通点もないんだけど、なぜか不思議に遠い若き日のことを思い出せる、そんな作品でもありました。
4Kレストア版、再上映!!私もお願いしたいです~~。

みみこさんところでコメントありがとうございます(*^-^*)
アバンチュール(やっぱり古すぎる 笑)とは違うのね!(^^)!配信になったら絶対観ますね♪
2024-12-12 21:04 : 瞳 URL : 編集
No title
瞳さん、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
この作品ご覧になっていらっしゃるとは!さすが~^^
再上映あったら是非駆けつけましょうね♪

みみこさんのところで横レス、失礼しました。
で、話は変わるのですが瞳さんのところでイル・ポスティーノの記事をチラ見させていただいたのです。
(今回は観逃しそうなので、、昔自宅鑑賞はしています)
瞳さん、詩を書いてらっしゃったのですね~。
私は詩は大好きなんですが情けないことに詩心がなくて、書くことはできないんですが。。
いまだに「詩人になりた~い」と叫んでいます(笑)
息子に「詩人になりたいねん」って言ったら「なったらいいやん」って即答(爆笑)
「そう?じゃあ今日から詩人になるわ!」と宣言したので、私実は自称詩人なんです(笑)
まぁ冗談はさておき、私は芸術家の中で詩人が一番優れていると思うし、尊敬します。
短い言葉で世界を、この世界の美しさを表現する。
俳句や短歌も詩だと思っているので、一番凄いのは俳人ですね。
なんか話が逸れまくってしまいました、ごめんなさい。後ほど伺います~。
2024-12-13 10:34 : 真紅 URL : 編集
再びお邪魔します
真紅さんと息子さんの会話が楽しくて、再びお邪魔しちゃいました!(^^)!

息子さんに「詩人になりたいねん」って言える関係がまず素敵。そして「なったらいいやん」ますます素敵~♪
私も自称詩人なので(笑)私たち、詩人仲間ですね(*^-^*)

「イル・ポスティーノ」の中の「詩は書いた人のものじゃなく、それを必要としてる人のものだ」というセリフ。
これこそ、詩の神髄だと思いました。
秋になれば「ヴィオロンのためいきの身にしみて」・・なんて絶対言いたくなりますもん(*^-^*)
2024-12-13 20:11 : 瞳 URL : 編集
No title
瞳さん、こんにちは~。再びありがとうございます。
ウフフ、まぁ息子にしたら「また母がアホなこと言うとるわ~」とか思ってるんじゃないですかね。
でも、彼は私が何か言っても否定してこないんですよ。性格なんですかね?
以前、ニュースで海外駐在の家族がインタビューされてて「あ~、駐在妻になって海外住みたかった~」って言ったら
「今からなったらいいやん」って素で言ってましたから。
今から? どーやって?? 何も考えてないだけかも(笑)
と、また話が逸れましたが、あ~、イル・ポスティーノ観たかったなぁ。。
2024-12-14 21:44 : 真紅 URL : 編集
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