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マウスエミュレーションソフト開発

 MBOOKの弱点の一つは、トラックポイントなどのポインティングデバイスを搭載しないことだと思います。マウス操作はすべて、タッチパネル画面をタップすることで行わなければならないのですが、電車の中などのモバイルでの利用を考えると、細かいウィンドウズの画面をタップするのは大変です。
 また、スタイラスペンを持ちながらのキーボード操作は困難なので、どうしても指で操作してしまうことが多いのですが、画面端の液晶とプラスティック枠の間には段差があるため、画面端、例えば最大化したウィンドウの右上の終了ボタンなどを押すことが難しいです。対策として、現在、マウス環境の改善を進めています。

■仮想タッチパッド構築:VTP Concept版の作成・・・没
VTPとは、VirtualTouchPadの略で、タッチパッドを、画面の右下端に作ってしまおうというソフトです。画面タッチでの、手の移動距離短縮が狙いで試作しました。
 直接の画面タッチだと、画面の端から端までをタッチする必要があり、手の移動が面倒になってきます。対応策として、仮想的なタッチパッドを指で擦ることで済むようにしました。ただし、バージョン名をコンセプト版と付けたのは、「磨けば、ひょっとしたらモノになるかもしれないけど、現状ではいまいち」という意味合いです。

VTP.png


<基本操作>
オレンジのマウスポインタが仮想ポインタで、これをマウスとして操作します。
Lが左ボタン、Rが右ボタン、左のバーがスクロールバー、十字架マークがドラッグ移動です。
スクロールバーを上下に擦ることで、仮想ポインタの位置にあるウィンドウが上下スクロールします。十字架マークはドラッグ操作ボタンで、押して指を移動させると、左ボタンON⇒移動⇒左ボタンOFFの動作をします。
右手で画面を右端を持ちながら、親指でマウス操作して、左手でキーを片手打ちするような操作を想定していました。

<所感>
実際に操作してみると、以下のように、惜しい出来でした。ひょっとしたら、マウスフックと組み合わせると、マシなものに仕上がるかもしれません。
●慣れると、操作感はそれなりに快適。
●感圧式タッチパネルなので、親指の腹で擦っても反応しない。右手のつめでタッチパッドを擦るため左手でパソコンを支えなくてはならず、結局、両手がマウス操作に占有されてしまう。
●ソフトによって、なぜか左クリックに反応してくれない。(GOMPlayer)
●右ボタンでメニューは出るが、メニュー内の移動は、キーで行う必要がある。
 ⇒HOOKなどをつかって、画面タッチをキャンセルしないとならないが面倒。
●仮想ポインタのマウスアイコンが変わらないので、ウィンドウ移動可能・ウィンドウサイズ変更可能領域に差し掛かったことを判断できず、一か八か操作する必要がある。

以上、バックアップを取らずにいろいろ弄っているうちに、うまく動かなくなったのを機に、画面でのマウス操作はペンディングして、次に、キーボードで気持ちよくマウスを操作できるソフト構築にチャレンジしました。


■マウスエミュレーション:Nu-R
 Nu-Rは、キーボードでマウスを操作するソフトです。こちらは既に自分のPCで実運用しているので、まだ熟成途中&バグだらけですが、公開させていただきます。
 キーボードでマウスを操作するソフトは複数存在しますが、上下左右+斜め45°の移動のものが多く、マウスをキーボードで遠隔操作しているような感覚があり、行きたい所にスムーズに到達できない気がしました。
 そこで、キー入力の方法を工夫して、トラックポイントのようなアナログ入力の感覚を、キーボードで再現できないかチャレンジしました(うまく行ったかどうかは微妙)。
具体的には、矢印キーとその左右の「;:」キー、Delキーの6つのキーが、下図のようにマウス移動キーに割り当てられています。移動ボタンは親指を水平にして、親指の腹で押します。そして、移動方向を変えるときは、左右に円を描くように、隣のボタンを押していきます。これにより、アナログ入力風に、行きたい方向にリニアにマウスを操作できることを狙いました。

キー配列&操作イメージ


<インストール方法>
●下記から、セットアップをダウンロードする。

http://www7.uploader.jp/dl/temp3/temp3_uljp00004.zip.html
※ダウンロードパスワード:mbook (09/03/30追記)
※09/03/31、Rev3に差し替え。
※念のため、ダウンロード後、ウィルス感染していないことをご確認ください。


●圧縮ファイル内のSetup.msiをダブルクリックで起動する。
 メニュー「スタート - すべてのプログラム」配下に、Nu-Rが登録される。

※うまく動かない場合は、下記をインストール後、再度インストールしてください。
・Microsoft .NET Framework Version 2.0 再頒布可能パッケージ (x86)
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=0856EACB-4362-4B0D-8EDD-AAB15C5E04F5
・Microsoft Visual C++ 2005 再頒布可能パッケージ (x86)
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?DisplayLang=ja&FamilyID=32bc1bee-a3f9-4c13-9c99-220b62a191ee

●必要に応じて、Nu-R.exeへのショートカットを、スタートアップに登録する。


<操作方法>

(1)マウス基本操作
基本的なマウス操作を行うには、下記キーを使います。
ちなみに、まだホイール機能は実装していません。(どのキーに割り当てるか決めあぐねているため)
●Ctrl+矢印:矢印の方向にマウス移動。
●Ctrl+「:;」キー :左斜め上に移動。
●Ctrl+Del:右斜め上に移動。
●Ctrl+k:左ボタン。ダブルクリックには、Ctrlを押下したまま、kを二度押しする。
●Ctrl+l:右ボタン。
●Ctrl+Enter:ドラッグスタート。Windowのサイズ変更領域などにマウスをあわせ、Ctrl+Enterを押すと、マウス左ボタンが押しっぱなしになった状態になります。その後Ctrl+矢印などで所望の位置に移動後、Ctrlキーを上げるとドラッグが終了します。

(Rev2にて追加)
●Ctrl+M:カーソルのあるウィンドウを、マウスホイールで上スクロール。
●Ctrl+「>」キー:カーソルのあるウィンドウを、マウスホイールで下スクロール。



(2)ロックオン操作
これは、画面上のウィンドウの左上端・右上端・右下端にジャンプする機能です。

●Ctrl+Alt:ジャンプ先(ターゲット)が下の図のように表示されます。
ロックオンのターゲット

●Ctrl+Alt+矢印:矢印方向で、矢印方向の一番近隣のターゲットにマウスが移動します。

(3)終了
●タスクトレイのNu-Rアイコンをマウス左クリックする。

●表示されるメニューで「終了」を選択する。


<今後の課題>
●高速化していないので、ロックオンが非常に遅い。
●(バグ)ロックオン機能で、Zオーダー並べ替え機能が未実装のため、隠れたウィンドウのターゲットが表示されたり、前面のウィンドウのターゲットが表示されなかったりする。
●マウスの加速具合のチューニングアップが甘く、思ったところでマウスをピタっと止められない。
●(バグ)たまに、Ctrl+Cなどのキー操作がフックされ、うまくいかないときがある。


<更新履歴>

●Nu-R_VerβRev3
 ・タッチパネルから操作すると、Ctrlが押しっぱなしになっているバグを修正。(worshipさんからの指摘)

●Nu-R_VerβRev2
 ・マウスホイール機能追加。
 ・.Netのフォームボタンが押せないバグを修正。例えば、Nu-Rのバージョン情報を表示後、OKボタンが押せなかったのを修正。(マウスイベント発行順にバグがあった)

●Nu-R_VerβRev1
 新規公開。

現在、自分のMBOOKにNu-Rをインストールして実運用していますが、慣れてきたせいか、何とか、このソフトでマウス操作をまかなえており、画面を直接タッチする機会が減りました。
近いうちに、マウスホイールをMキー/「>」キーあたりに割り当て、バグを抜いたバージョンを完成させたいと考えています。

テーマ : モバイルミニノートPC
ジャンル : コンピュータ

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UMID MBOOK M1 用 マウスエミュレーション:Nu-R なかなか良いぞ!

MBOOK M1 マウスエミュレーションソフト開発 http://temp33.blog81.fc2.com/blog-entry-5.html#tb マウスエミュレーション:Nu-R 早速ダウンロード! 進化を期待したいソフトです。

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No title

パスワード mbook ですね。
あてずっぽで当たりました。

Re: No title

> パスワード mbook ですね。
> あてずっぽで当たりました。

肝心なことを忘れてました。けど、すぐバレてしまいましたね。パスワードの件追記しました。また、マウスホイール機能を付けたRev2をアップしました。

No title

使わせていただいてます。常駐中にタッチパネルのクリックがCTRL+クリックになるようですが何かモード切り替えは可能でしょうか?

Re: No title

> 使わせていただいてます。常駐中にタッチパネルのクリックがCTRL+クリックになるようですが何かモード切り替えは可能でしょうか?

ご指摘ありがとうございます。バグでした。修正したRev3を取り急ぎアップしたのですが、「あっちを直したら、こっちを改悪。。。」となっている可能性もあります。週末あたりに、機能をきちんとチェックしたいと思います。ご迷惑おかけしました。

No title

なぜか(というかなんというか)私が韓国の知人経由で入手した32GB Linuxモデルは
タッチパネルがいかれており、何度Calibしても吹っ飛びます。

別に修理に出すつもりもないので(それより今いろいろ試してみたい)そのまま使ってますが、
このツールにとても助けられています。ありがとうございます。
機能のアサインキーなども違和感のないよう考えられており、使いやすいです。

追従性がちょっとぎこちないかな? と思うくらいで、たいしたレポートもできませんが、
願わくば今後も、メンテしていただけるととても嬉しいです。

Re: No title

> なぜか(というかなんというか)私が韓国の知人経由で入手した32GB Linuxモデルは
> タッチパネルがいかれており、何度Calibしても吹っ飛びます。
>

暖かいコメントありがとうございます。
キーや加速度の設定が出来るように拡張する予定だったのですが、今、MBOOKが入院中のため作業にかかれません。
今回も輸入代行の韓ショップさんが、機器の修理でなく交換の交渉を行ってくれており、一旦韓国に送り返しています。無償でここまでやってくれる韓ショップさんには頭が上がりません。

ところでタッチパネルですが、私のタッチパネルも初期状態で動かず、初期不良かと、慌ててしまいました。
私の場合は、リコール品に付いていた保護シートのサイズが大きすぎたのですが、爪で無理やり押し込んだ結果、画面端を常にクリックした状態になったのが原因でした。
なので、液晶保護シートを貼りなおして解決しました。

保護シートを貼りなおすと、ホコリを喰いこんで汚くなってしまいますが、一か八か試してみるのも良いかもしれません。徒労に終わったらごめんなさい。

No title

お返事ありがとうございます。

この手のものは売るほど買ってますが,やっぱりフィルム関係は問題起こしがちですよねえ……。
感度が高いといえばそのとおりかもしれませんが。

ちょっと土日に風呂場で貼り直してみます。

私は韓国の知人経由でFedexしてもらいましたが、
向こうでも、売ってる実店舗は割と少なそうです。
実用上何に使えるのかと問い詰められると返答に窮しますが、
純粋に「面白い」ので、この手のものがもっと出るといいんですがー。

No title

便利に使わせて頂いています。
要望なのですが、Ctrl以外のキーフックでの起動が設定出来ると
うれしいです。
何故かと言うとCtrl+Alt+方向で画面回転出来るんですが
被ってしまって同居出来ないんですよね。。。
なので今は常駐せずにキーフック系の別のアプリで
キーフックで起動終了させながら使っています。
欲を言うとキーフックでON/OFFが切り替わるような設定が出来うるとうれしいです。

Re: No title

・・・・・・
> 要望なのですが、Ctrl以外のキーフックでの起動が設定出来ると
・・・・・・
> 欲を言うとキーフックでON/OFFが切り替わるような設定が出来うるとうれしいです。
・・・・・・

コメント、どうもありがとうございます。
キー設定画面を用意する予定なので、ご指摘のようにCtrl+Alt以外を指定できるようにします。また、機能のPAUSEができるようにしてみます。
MBOOKが入院中でUMIDから音沙汰なしなので、今しばらくおまちください。

No title

私のmbookは、修理から戻ってきました。
ちょうど10日間でした。

もう、戻ってきましたか?

Re: No title

> 私のmbookは、修理から戻ってきました。
> ちょうど10日間でした。
>
> もう、戻ってきましたか?

ご無沙汰しております。私のMBOOKも10日ぐらいで戻ってきました。輸入代行の韓ショップさんが交渉してくれて、修理でなく新品交換になりました。今回で3台目となりますが、今回の個体は外装が1台目並にひどいのですが、いろいろな設定をしなくてもスタンバイからのハングアップが少なく、非常に満足しています。やはり、スイッチを押すと、普通に起動するマシンは気分がいいですね。
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