コミックマヴォVol.5

« 【blog考5】 ブログを始める(3) | トップページ | 【サルマン2.0】「デスパッチン」キャラ絵その2 »

2007/09/05

【blog考6】 ブログを始める(4)

 そこで思いついたのが、その年の9月にmixi日記で発表していた「手塚伝説」を再掲載することであった。これは雑誌「SPA!」の「有名人伝説特集」で編集部の求めに応じて集めたネタ集なのだが、紙幅の都合でそのほとんどがボツになってしまった。せっかく集めてもったいなかったので、ボツになった部分をmixiに発表したものだ。

 だがみなさんもご承知の通り、mixiは所詮「内輪向け」である。私は当時mixi日記を「全体に公開」としていたので、たぶん三百人くらいは読んでいただけたと思うが、どこまでいっても会員の範囲で読まれたにすぎない。その点ブログには読者の範囲に制約がないわけである。

 私が「手塚伝説1~4」を「たけくまメモ」でエントリ化したのが、12月19日のことであった。もう一度その日のURLを載せる。

▼手塚伝説
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2004/12/post_22.html

0412201226  そして12月20日から一週間のアクセス結果が左のグラフである。この時の解析画面は旧型でユニークユーザーは表示されていないが、だいたいこれの半分だと考えていただいてよい。注目すべきは21日火曜日である。なんと一日6万864アクセスに達している。

 なぜこのようなことになったのか。だんだんわかってきたのだが、この記事を面白がってくれた人たちが、自分のサイトやブログで次々にリンクを貼ってくれたからである。リンクが人を呼び、さらなるリンクを産んで、リンクの無限増殖が一挙に起きてしまったようである。

 特に大きかったのが「カトゆ~家断絶」「ゴルゴ31」のような「リンクサイト」の存在だった。インターネットには「ネット内にある面白記事にリンクを貼ること」それだけを目的にしたサイトが無数にある。多くはリンクのみか、リンクに寸評をつけただけのものだが、これがインターネットの「目次」的な機能を果たしているのだ。ヤフーなどの巨大ポータル(玄関)サイトにも「目次機能」はあるが、一般向けのニュース記事が中心である。しかし「カトゆ~家断絶」などはオタク趣味の記事リンクに特化しているのが特徴であって、アニメやマンガ、オタクネタの新規更新記事を探そうと思ったらこうしたサイトを見るのがてっとり早い。

 オタクネタで有名なものに「アキバblog」というのもあって、秋葉原のショップ情報やアニメ情報を中心に膨大な記事を毎日更新しており、一日数十万ものアクセスを稼ぐというから驚異である。何人関わっているかは知らないが、基本的には個人運営サイトのスタンスを崩していない。ほとんどのリンクサイトが同様の運営方針をとっている。

 ネット内にはオタクネタばかりではなく、ポップス好きな人向け、映画好き向け、シモネタ専門と、あらゆる趣味に特化したリンクサイトが存在している。自分の趣味にあったリンクサイトをブラウザのトップ画面に設定すれば、そのまま趣味の最新情報が入手できるポータルサイトになる。これはネット時代に即した新しい編集の形だと言えるかもしれない。

▼アキバblog
http://www.akibablog.net/
▼カトゆ~家断絶
http://www6.ocn.ne.jp/~katoyuu/
▼ゴルゴ31
http://www.golgo31.net/

 ところで、ひとつのエントリへのアクセスで一日に6万を超えたのは、この原稿を書いている現在、私はまだ4回しか経験していない。「手塚伝説」の驚異的なアクセス数は、こうしたオタク系リンクサイトの関心を集めたことが大きいと見える(他の6万超えエントリも、ほとんどがマンガネタ・オタクネタであった)。別にオタクネタに特化させるつもりはないのだが「自分の書きたいことしか書かない」のが「たけくまメモ」の方針であり、自然とそうなってしまうのだろう。また物書きとしての私の読者層が、そうしたオタッキーな人が多いこともある。そして現在のネットユーザーの中心が、そうした人々に支えられていることもあるのだと思う。

 21日の6万超という瞬間風速的アクセスを頂点にして、そこから12月一杯は、「たけくまメモ」は毎日1~2万のアクセスをとることができた。こちらも面白くなってしまって、毎日新エントリを立てた。年が明けて2月になるまで、私は毎日何かを書くことを自分に課していたのだ。

「たけくまメモ」は、2005年いっぱいまでは一日平均のアクセス数が8千、06年から1万を超えて現在は1万6千平均といったところである。週平均だと18万強、無料だとはいえ、これはメジャー週刊誌を個人所有しているようなものだ。私のようなフリーの物書きにとって、この意味は大きい。どういうご利益があるかは、後日たっぷりと書きたい。

 それにしても、特に依頼する編集部もなく、アフィリエイト(後述)以外は収入にもならないうえに、日記が苦手で筆無精だった私がどうして毎日書けたのか。間違いなくアクセス解析のお陰である。エントリをアップして即、グラフに反応があるところが、私には面白くってしかたがない。これは雑誌に原稿を書くのとは根本的に違う感覚である。舞台の上で観客に向かって漫談を披露するボードビリアンに近いのではないかと思う。正直、この感覚は自分に合っている、と思った。 《つづく》

●blog考・第0回
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/blog0_78a3.html

|

« 【blog考5】 ブログを始める(3) | トップページ | 【サルマン2.0】「デスパッチン」キャラ絵その2 »

ブログ考」カテゴリの記事

コメント

そういや俺もゴルゴ31あたりから来たのがはじめてでしたか。
記憶があやふやですが。

時々ふと反省するのですが、
まだROMしていた当時や、
書き込みはじめの頃の畏怖と言うか遠慮と言うか、
多くの衆目のある場所だ、
という事実認識が今やスッカリ麻痺。
今や入り浸りになり、だらだらと垂れ流す感じの体たらく。
と言うて、修正できるものでもありませんが、
時々は、書く前に考える習慣を、、、、、。

投稿: めたろう | 2007/09/05 04:44

で、早速また連投。

アクセス解析の話が出ましたが、
ご自身の出版物、
例えばサルまん特装版の時とか、
ここのデータを部数決定の参考にして貰えたり、
出版形態、価格ですとか版型ですとかの参考にして貰えたり、
というのはあったのでしょうか?
確か当時、「部数が少ない」
とこぼされていた記憶があるのですが、
当時ここのデータから想定された購入者数と、
初版部数に乖離が大きかったりしたのでしょうか。

投稿: めたろう | 2007/09/05 04:57

「サルまん特装版」の価格や初版部数決定に「たけくまメモ」が影響したことはありません。が、アマゾンでの売れ行きで増刷が決定し、今回の続編企画につながったのは事実です。その話題も、いずれ書きます。

投稿: たけくま | 2007/09/05 05:03

即答ありがとうございます。

その辺が不思議なのですが、
ブログから本になるものが多いのに、
ブログ持ちの書き手のデータを、
営業に使う流れが無いのだとすれば、
実にもったいない話だと思います。

取次、書店の流通の流れが重要なのは当然ですが、
明らかにアマゾンを中心にする別ルート、
それも、確度の高い部数設定で返品リスクを抑えられる、
重要な販売ルートがあるだろうにと感じます。
中小出版社とか動いてるとこあるのかな?

投稿: めたろう | 2007/09/05 05:15

一般的に物書きのひとって出版にたいしてブログっていうのを一段下にみていて、こういうことを正直には書かないような印象がありますけどね。

投稿: NNN | 2007/09/05 08:04

今日のブログはいわゆる視聴率のよかった番組のスペシャル号と一緒で水増しでまたアクセスが稼げるという裏付けとり。

投稿: シャック | 2007/09/05 12:04

瞬間風速は吹かないまでもじわじわと読者が増えていく喜びはわかります。自分のブログの固定読者さんってのがいるわけですがどんなかなとか想像しながら・・・。

投稿: blog49 | 2007/09/05 14:21

.
.
高橋名人 16SHOT-RADIO  vol.60 「最終回」

http://www.16shot.jp/16shotradio/index.html
.
.

投稿: 16shot | 2007/09/06 02:54

全然話題と関係ないですが噂の電話機能なしiPhoneが出ましたよ
iPod miniのかわりにどうですか
http://www.apple.com/jp/ipodtouch/

投稿: cx | 2007/09/06 04:08

最近、たけくまさんのブログをたまたま発見しました。
手塚さん伝説がキッカケだったんですね、でも昔、漫画
情報誌や死後の書籍で読んだ範囲なんでちょっとガッカリ
宮崎駿さんの実録手塚治虫?コメントのほうがオモロイ
です。 昔、「テレビ探偵団」という番組に手塚さんが出演
したんですが、その時、三宅裕司氏が「手塚さんの作品は
常にヒューマニズムにあふれていてすばらしいですね、」
とコメントした時のスタジオの凍りついた言葉が今でも
忘れません。「何がヒューマニズムだ!ヒューマニズム
なんてバカバカしい!」世間一般や日本テレビの「愛は地
球を救う」のイメージを一蹴した瞬間をTVで見た衝撃は
忘れませんね(笑)

投稿: フムフム。 | 2007/09/09 00:59

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【blog考6】 ブログを始める(4):

» 大久保麻梨子:初ラブホに「妄想、堅かった」 [大久保麻梨子:初ラブホに「妄想、堅かった」]
タレントの大久保麻梨子(22)と浜田翔子(21)が共演した映画「官能小説〜愛憎編〜」のDVD発売記念イベントが行われた。まずはこちらの映像から〜女子高生編〜大久保麻梨子いきなりオナニー 野外編また撮影でラブホテルに初めて行ったという大久保は「お風呂がぴかぴか光っていて、どうしたらいいのか分からなくて・・・・」と苦笑い。1人の男性を取り合う三角関係を展開!大久保麻梨子 素人とは思えない濃厚な映像大久保麻梨子�... [続きを読む]

受信: 2007/09/05 17:04

» あなたの気になる情報はどれ? [明日があるから今日がある]
収入が、ほったらかし状態で432%アップしました。 【最強☆読書生活】話題のデジタルブックが読める総合電子書店 FUBU 無料競馬予想懸賞サイト 目的別に優良サイトを紹介!サーチディック.com 宅配DVDレンタルサービス【TSUTAYA DISCAS】 ☆月額2,079円でDVD&CDが借り放題!!☆ ★無料お試しキャンペーン実施中!!★ おみやげ ... [続きを読む]

受信: 2007/09/05 17:45

» あなたの気になる情報はどれ? [明日があるから今日がある]
収入が、ほったらかし状態で432%アップしました。 【最強☆読書生活】話題のデジタルブックが読める総合電子書店 FUBU 無料競馬予想懸賞サイト 目的別に優良サイトを紹介!サーチディック.com 宅配DVDレンタルサービス【TSUTAYA DISCAS】 ☆月額2,079円でDVD&CDが借り放題!!☆ ★無料お試しキャンペーン実施中!!★ おみやげ ... [続きを読む]

受信: 2007/09/05 21:24

» これが本物のマニュアルです。 [私の情報と出会えた喜びの声が聞きたいのです!]
今なら、完全なる不労所得を得る事が出来るのです。 ネットで不労所得を確保することは、簡単に出来ます。 [続きを読む]

受信: 2007/09/05 21:40

» 綾瀬はるか エロエロコロシアム [ 綾瀬はるか エロエロコロシアム]
綾瀬はるか エロエロコロシアム [続きを読む]

受信: 2007/09/06 14:08

» mixiで稼ぐ [ブログで稼ごう!!]
今流行っている「mixi」☆私も日記かいたり、コミュニティ参加 したり、毎日楽しんでいます(^^) 現在のmixi会員数600万人、将来的に1500万人! いや、もっと多くなるでしょう。このmixiで、楽しみながらお金を稼げる☆ 知らない方も、すでに実践している方も、必見です!!(^^) mixi商材は、「mixiは宝の山」「SNSで月収93万円の不労所得を得た男」「mixiで月収93万円の不労所得を得た男」「mixiで100万円を稼ぐ2006年秋・冬最新版」などがあります。...... [続きを読む]

受信: 2007/09/06 17:13

« 【blog考5】 ブログを始める(3) | トップページ | 【サルマン2.0】「デスパッチン」キャラ絵その2 »